松重豊さん、「福島豊」として福島の未来を歩む――新作PR動画と岡山でのフォーラムで伝えた思い

はじめに

福島の魅力を全国に伝える新PR動画シリーズ『福島豊』が2025年10月、ついに公開されました。主演は、名優・松重豊さん。彼が演じるのは、「福島 豊(ふくしま ゆたか)」という架空の県立高校生。文化祭の実行委員長となり、福島県内を駆け巡って“技”と“食”の数々を探すという、心温まるストーリーです。
また、松重さんは岡山市で開かれた福島応援フォーラムにも登壇し、地元の方々と福島への思いを共有。「おえんて」と流ちょうな岡山弁も披露し、会場は笑顔に包まれました。

『福島豊』PR動画シリーズの全容

  • 発表と経緯
    福島第一原発事故・東日本大震災の風評被害や風化を防ぐため、福島県が制作した動画シリーズ『福島 豊』。本作は現地の豊かな文化や食、職人たちの技と、ふるさとの底力を全国に発信します。松重さんは還暦を迎えながらも、自身の青春時代に重ね、本気で“高校生”役に挑戦しています。
  • あらすじ
    主人公・福島豊は、福島県立誇心館高等学校(※架空)の文化祭実行委員長に抜擢され、文化祭を盛り上げるため“ふるさとの技や食”を探しに県内各地を奔走します。会津木綿の職人、地元で愛されるカレー屋、新米農家、お祭りを守る長老、酒蔵、スイーツ職人など、さまざまな人やモノとの出会いを描きます。
  • シリーズの特徴
    全9話構成で、2025年10月20日第1話「会津木綿とスパイスカレー」から順次配信。
    – 福島出身のクリエイティブディレクター箭内道彦さんが監修。
    – 地元ジャズギタリスト浅利史花さんによる専用楽曲が彩ります。
    – 福島の今をリアルに伝えるため、取材や一般募集で得た“豊かなモノ・コト”がストーリーの軸になります。

松重豊さん、福島へのコメントと思い

松重さんは、「高校の文化祭で映画を撮ったことがキッカケでこの世界に入りました。自身還暦は過ぎましたが、あのときの興奮を再びとの思いで、福島県立誇心館高等学校の文化祭実行委員長に立候補いたしました」と語ります。
また、「白髪の高校生が皆様の仕事場にお邪魔するかも知れません。決して怪しいものではございませんので、暖かく迎え入れて下さい」と、ユーモアと敬意を込めて福島の人々に呼びかけました。

PR動画のねらいと反響

この動画は、震災から年月が経過する中で、「福島の復興は終わった」という誤解や、今も残る風評を打ち消し、ふるさとの豊かさや、希望を伝えることが目的です。
シリーズ初回が公開されると、「松重豊さんの真摯な演技が福島の魅力をわかりやすく伝えてくれる」「地元の職人や料理人が生き生きして見えた」とSNSや動画コメントで多くの反響が寄せられました。

特設サイトと募集企画の展開

動画配信と同時に、特設サイト「福島 豊」が開設されました。国民から「福島の豊かなモノ・コト」を募集し、メイン動画企画だけでなく、採用されたエピソードは各地で松重さん演じる“福島豊”が実際に訪問するサプライズ企画も進行中です。サイトには、動画本編だけでなく、未公開エピソードやメイキング映像も掲載される予定です。

岡山で開催された福島応援フォーラム

  • イベント概要と松重さんの参加
    2025年11月、岡山市にて「福島応援フォーラム」が開催されました。テーマは“福島の復興と現状を全国に伝えること”。
    松重豊さんもゲストとして登壇し、福島PR動画の制作意図や、撮影を通して見えた福島の現在などについて語りました。
  • 「おえんて」と岡山弁で会場を和ませる
    松重さんは岡山弁で「おえんて」(岡山弁で「だめだよ」などの意味)と話し、地元の参加者との距離を一気に縮めました。「福島の人々も、岡山の人々のように温かい」と福島の雰囲気を伝え、拍手と笑顔が会場を包みました。
  • 参加者からの感想
    約140人が現地やオンラインで参加し、福島での現地取材報告を通じて「知らなかった現状や復興の歩みを学べた」との声や、「遠い土地だった福島が身近に感じられた」との感想が多数寄せられました。

フォーラムで伝えた“福島のいま”と参加者の学び

フォーラムでは、震災から10年以上経った今も復興への道が続いている現実、そして現地から実際に活動する方の声、被災地の子どもたちの様子、農業・漁業の再開の事例など、多様な話題が丁寧に紹介されました。
松重さん自身も「映像で伝えられることはごく一部。現地を歩き、人の話を聴くことで、福島の本当の豊かさに触れられる」と、会場の参加者に呼びかけました。

末尾――今後の展開と期待

  • 動画シリーズの続編と地域連携
    『福島 豊』動画シリーズは、今後も視聴者からの“福島の豊かなモノ・コト”情報をもとに、続編やサブ企画が予定されています。地元の中高生や地域団体との企画連携も進行中で、福島の魅力を全国で発信するモデルとなります。
  • 被災地の現状発信の重要性
    震災から時間が経過するにつれ、被災地の「いま」を伝えることはさらに重要になっています。現地で働く大人、学ぶ高校生、それを応援しようとする県内外の人々すべてが、“福島の物語”を語り継ぐ担い手であることを思い知らせる内容でした。
  • 視聴方法
    動画シリーズ『福島 豊』は福島県公式YouTubeチャンネルや特設サイト(「福島 豊」特設ページ)で配信中。今後のストーリーや参加型企画にも注目です。

おわりに――松重豊さんと福島の未来

大ベテラン俳優・松重豊さんは、ただ主演を務めるだけではありません。制作プロデューサーとしても企画を支え、「福島の本当の豊かさ」「課題を超えた希望」を演じきることで、土地の物語にリアルな魂を吹き込んでいます。
また、岡山でのフォーラムなど、福島と全国各地をつなぐ役割も果たしています。“技や食”と並ぶ、地元の人々の「思い」もまた、新しい福島のチカラとなるでしょう。
『福島 豊』の物語は、これからも続きます。そして、その語り部は、スクリーンの向こうのあなた自身かもしれません。

参考元