小田原市で続くインフルエンザの流行:学級・学年閉鎖の現状とその影響
小田原市を中心とした神奈川県西部では、2025年10月下旬から11月初旬にかけて、小学校でのインフルエンザの発症による学級・学年閉鎖が相次いでいます。市教育委員会の発表や公式情報によれば、複数の学校で学級ごと・学年ごとの閉鎖対応が取られ、子どもたちの健康維持や感染拡大防止の取り組みが急務となっています。
拡がる感染と学級・学年閉鎖の状況
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2025年10月31日付の発表によると、芦子小学校と足柄小学校で学級閉鎖が実施されました。
- 芦子小学校1年1組では30人中10人が欠席(うち9人がインフルエンザと診断)、足柄小学校1年2組では25人中11人が欠席(うち8人がインフルエンザと診断)という状況です。閉鎖期間は10月31日(金)から11月2日(日)までとされました。
- その少し前の10月28日にも、桜井小学校(4年1組)で34人中20人が欠席(11人がインフル診断)、久野小学校(1年1組)で20人中7人が欠席(6人がインフル診断)となり、両校とも10月28日から30日まで学級閉鎖の措置となりました。
- ほかにも2025年1月には曽我小学校でも2年1組で3人(在籍7名)がインフルエンザによって欠席し学年閉鎖となっています。
- こうした学級・学年閉鎖の背景には、小田原市を含む管内でのインフルエンザ流行が顕著に続いていることが挙げられます。2023年秋以降、複数の学校で断続的な流行がみられ、2024年度には1市3町(小田原市、箱根町、真鶴町、湯河原町)でも複数校・複数学年で感染者・欠席者が続出している状況です。
インフルエンザ流行の特徴と今期の傾向
本格的な流行シーズンである冬期を前にして、インフルエンザはすでに警報レベルに近い流行状況が確認されています。
神奈川県の発表によれば、県内の定点医療機関1か所あたりの報告患者数は、2025年10月時点で流行の目安を大きく上回り、注意報レベルを継続して超えている異例の展開です。
過去の例では12月以降に拡大する傾向が強かったものの、今年度は夏以降も感染が持続し、今シーズンの流行は「長期化」かつ「早期の拡大」が特徴です。
また、コロナ禍によりインフルエンザウイルスへの免疫を獲得していない子どもたちが多いことも、感染の広がりやすさの一因とされています。感染拡大防止の徹底やワクチンの積極的な接種が重要と呼びかけられています。
休業措置の内容と対応状況
- 感染が一定規模に達した場合、学級単位・学年単位で短期間の閉鎖措置が取られます。期間は1~3日が多く、発症や欠席の特に多いクラス、学年を中心に判断されます。
- 各校では、「インフルエンザと診断された児童の中で重症化しているケースは確認されていない」と公表されています。
- 小田原市教育委員会は、各校・各幼稚園に感染予防策の徹底と注意喚起を継続。うがいや手洗い、換気、マスク着用など基本的な感染症対策のほか、予防接種の推進を呼びかけています。
市民や家庭への呼びかけと具体的予防策
- うがい・手洗いの徹底を最重要の基本策として推奨。
- マスク着用と咳エチケットの遵守。
- 学校・家庭での適切な換気と加湿。
- 体調不良時には無理せず休養・登校自粛を推奨したうえで、保護者や関係者には早めの医療機関受診、ワクチン接種を訴えています。
- 一人ひとりが日常の衛生管理に気をつけ、周囲へ感染を広げない「思いやり」の実践が重視されています。
この状況が地域社会と学校に与える影響
インフルエンザによる短期的な学級・学年閉鎖は、子どもたちの学習や生活リズム、保護者の就労環境に複数の影響を与えています。特に一人暮らし世帯や共働き家庭では、突然の登校停止期間への対応や、子どもたちの安全確保・オンライン学習支援の必要性がクローズアップされています。
また、地域の医療機関でも小児・学童のインフルエンザ患者受診が急増。市民全体での体調管理意識や医療逼迫の懸念も広がりつつあります。
今後の展望と学校・家庭が取るべき対応
例年比でも拡大傾向が強い今年のインフルエンザ流行。市民一人ひとりが予防策を徹底し、学校・家庭が連携して乗り切ることが強く求められています。小田原市では、今後も感染動向を注視しながら感染拡大防止と児童生徒の安全安心を確保するため、柔軟な対応を続けていく方針です。
- 今後も最新情報の発信や対応内容の迅速な周知、個々の症状へのきめ細やかな配慮が期待されます。
- 保護者や地域の皆さんも、生活の中でできる感染症対策を改めて見直し、日常の健康観察・予防に協力していくことが重要です。
- また、ワクチン接種問合せや詳しい相談には小田原市健康福祉課・教育委員会の窓口を活用しましょう。
インフルエンザに関する相談先
- 小田原市教育委員会 保健給食課:0465-33-1665
- 小田原市健康福祉部 健康づくり課:公式ウェブサイト参照
- 各学校・幼稚園でも対応方針や連絡体制が整えられています。困りごとや不安な点も、まずはお気軽にご相談ください。
これから寒さが増す時期を迎え、市内外でもインフルエンザの流行が予想されますが、地域ぐるみの協力体制と個人の心がけで、子どもたちとご家族の健康を守っていきましょう。




