東京エレクトロン株価、目標株価引き上げで続伸――アナリスト評価と市場動向
半導体製造装置大手の東京エレクトロン（8035）の株価が、2025年10月下旬にかけて大きく続伸しています。米系大手証券や日本国内外の証券会社各社が相次いで目標株価を引き上げる動きが加速し、市場関係者や投資家の注目を集めています。本記事では、最新の株価推移、アナリスト評価、その背景と今後の展望についてわかりやすく解説します。
株価の急騰――直近の値動きと背景
東京エレクトロンの株価は、10月30日に32,990円（終値）を記録し、前日比＜+500円／+1.54％＞となりました。また、同日の高値は年初来最高値となる33,750円を付けており、4月7日の年初来安値16,560円と比較して約2倍の水準まで回復しています。この上昇は、複数の外資系証券による目標株価引き上げが相次いだことが主な要因とされています。
- 2025年10月30日終値：32,990円
- 年初来高値：33,750円（2025年10月30日）
- 年初来安値：16,560円（2025年4月7日）
主要証券会社による評価と目標株価の推移
10月下旬以降、複数のアナリストによるレーティングの強気継続と目標株価引き上げのニュースが発表されています。米系大手証券は目標株価を35,250円へ、モルガンMUFG証券は34,200円まで引き上げました。これらの評価は、東京エレクトロンの業績回復と今後の成長期待が背景にあります。
- 米系大手証券：目標株価35,250円、レーティング「強気」継続
- モルガンMUFG証券：目標株価34,200円へ引き上げ
- 直近のアナリスト平均目標株価：30,968円（前週比＋6.34％）
- 主要アナリスト27名のうち19名が「買い」推奨
業績見通しと株価指標
東京エレクトロンは、10月31日に発表する2025年7-9月期決算にて、総収入が前年同期比4.9％増の5945億円、営業利益は0.0％増の1482億円との市場予想が出ています。前四半期から増収基調に復活した点が市場の期待感を高めています。PER（株価収益率）は24日時点で約26倍と、前回決算発表時の水準（23倍）より上昇しており、やや割高感はあるものの、成長期待がそれを凌駕しています。
- 2025年7-9月期総収入予想：5945億円（前年同期比＋4.9％）
- 営業利益予想：1482億円（前年同期比±0.0％）
- PER（24日時点）：約26倍［前回23倍］
- PBR：8.01倍（2025年10月29日）
- EPS（予想）：969.2円（2025年10月29日）
市場の声と今後の株価レンジ
市場では、東京エレクトロンの株価が既存の目標株価を上回る水準まで上昇していることへの警戒も見られます。理論株価（PBR基準）は25,434円、PER基準でも25,227円とされており、現在の株価（32,990円）はこの水準よりかなり高いです。アナリストの平均目標株価も30,968円ですが、最新のレーティングで上値目途が33,417円～35,250円まで引き上げられている状況です。
- 理論株価（PBR基準）：25,434円
- 理論株価（PER基準）：25,227円
- 直近の株価：32,990円
- 上値目途：33,417円～35,250円
要因分析：なぜ株価は上昇しているのか？
東京エレクトロンの株価が続伸する最大の要因は、半導体業界全体の回復基調と、同社の収益改善への期待です。2025年7-9月期決算で増収復活が見込まれていること、海外市場（特に中国）での需要拡大、AI・車載分野での装置需要の強さなどが株価押し上げの材料となっています。
また、株主還元策や高い配当利回りへの評価も上昇要因です。市場全体の流れとして、グローバル半導体需要の強さが日本の半導体関連銘柄を牽引しています。
投資家へのメッセージと今後の展望
今後の株価動向には注意が必要ですが、証券会社の強気評価や成長分野での拡大期待が下支えとなっています。すでに割高感も指摘されているため、短期的には大きな調整リスクも否定できません。とはいえ、長期的な視点では半導体産業の発展が続く限り、東京エレクトロンは国内外の投資家にとって「注目銘柄」と言えるでしょう。
- 最新決算の内容や業績トレンド、各証券会社の評価は、今後の株価判断のためにも定期的に確認しましょう。
- 値動きが大きくなりやすいため、リスク管理と分散投資が大切です。
- 半導体分野のグローバルトレンドを見極めることが重要です。
まとめ
東京エレクトロンは2025年10月末、外資系証券の強気継続と目標株価引き上げを背景に株価が続伸。業績回復への期待とグローバル半導体需要の強さが評価されています。一方、現在株価は理論価格を上回る水準となっており、強気一辺倒ではなく冷静な分析も必要とされています。最新決算や市場評価を見極めながら、今後も注目される展開となりそうです。
