双日、2026年3月期上期決算で2%増益 ― 株価と今後の注目ポイントをやさしく解説

総合商社の双日株式会社(証券コード:2768)は、2025年10月30日に2026年3月期第2四半期(上期)の決算を発表しました。今回の決算では、連結最終利益が前年同期比で2.2%増の452億円と、堅調な増益を達成しました。本記事では、この決算発表の内容や背景、株価動向、今後の着目点について、できるだけやさしい言葉で詳しく解説していきます。

今回の決算の注目ポイント

  • 上期(4-9月)連結最終利益は452億円で2.2%増
  • 通期計画(1150億円)に対する進捗率は39.4%
  • 直近の四半期(7-9月)では最終利益241億円で前年同期比13.8%増
  • 株価や配当政策も注目の的

決算発表の内容を詳しく解説

双日の2026年3月期の上期連結最終利益は452億円となりました。これは前年同期に比べて2.2%の増加となり、商社業界全体でも比較的安定した成績を示しています。しかし、一方で今期通期の計画である1150億円に対する進捗率は39.4%であり、過去5年の平均進捗率である48.1%に比べてやや遅れが見られます

7-9月期(第2四半期)だけで見ると、最終利益は241億円と前年同期比で13.8%もの増益となりました。この点は非常に好調な動きと言えるでしょう。また、会社発表によれば、下期(10-3月)は前年同期比5.1%増の697億円になると予測されており、全体では堅調な数字が続きそうです

一方、税引前利益については537億9,100万円(53,791百万円)とこちらも前年から伸びており、収益基盤が着実に構築されていることを示しています

業績から見た双日の強みと事業動向

  • 非資源事業の利益が全体の70%以上というバランスの良い事業体質
  • 総資産3兆円超、自己資本9,690億円と安定した財務基盤
  • 株主還元にも積極的で、2025年度の年間配当予想は165円と高水準
  • 直近ではガリウム生産など新規プロジェクトへの挑戦も進行中

双日は資源分野のみならず、機械・エネルギー・生活産業など幅広い事業展開を行っています。特に非資源分野で安定的に利益を上げており、今期の純利益の70%超が非資源事業からのものという点が大きな特徴です。世界的な景気変動にも柔軟に対応できる体質といえるでしょう

双日の株価の動向と投資家からの評価

本記事執筆時点での株価はリアルタイム情報での変動もあり、常に最新データへの注目が必要です。上期業績は2%増益となったものの、進捗率がやや弱含みで推移していることや、グローバル景気の影響も考えられるため、市場では慎重な見方も出ています。ただし、足元の利益率や配当性向の高さから安定銘柄として個人投資家からの注目が高まっています。

また、他の大手総合商社(丸紅、住友商事、三井物産、伊藤忠商事など)と比較して、事業規模や業績傾向を横並びで見る投資家も多いのが特徴です。こうした中で、双日は安定性と成長性のバランスを重視する投資家に特に好まれている傾向が伺えます

配当政策と株主還元の内容

双日は株主還元も重視しており、2026年3月期の中間配当金は1株あたり82円50銭、年間配当予定額も高水準が維持されています。これは企業業績に対する自信の表れであり、長期保有株主にとっても大きな魅力となっています。

最近の注目事業と今後の経営方針

  • 豪州でガリウム生産プロジェクト推進、需要拡大をにらむ
  • 世界最大級のアルミナ生産会社と共同調査を締結
  • ESG・脱炭素社会への貢献を経営戦略の軸に据える

双日は2025年、大手資源会社Alcoa(アルコア)と共同で、オーストラリアでのガリウム生産プロジェクトの調査契約を締結しました。ガリウムは半導体材料や次世代電子部品などに使われる重要資源です。今後、事業化に向けた調査を重ね、需要増加に対応することで、今後の成長ドライバーになると期待されています

また、双日は従来の総合商社機能に加えて、脱炭素社会や持続可能な経済成長に資する新規事業やDX(デジタルトランスフォーメーション)などにも積極的に取り組んでいます。これらの戦略が、次世代企業価値創造に大きく寄与していくでしょう

投資家・株主向けの情報公開姿勢

双日は積極的なIR情報(投資家向け情報)提供と経営の透明性を重視しています。決算説明会や説明資料のほか、WEBコンテンツや個人株主向けイベントも充実しており、企業価値向上への姿勢が高く評価されています。「双日のDNA」をテーマとした統合報告書や、人的資本経営を支えるグローバル戦略についても丁寧に情報発信を行っています

まとめ:双日の今後への期待と社としての魅力

2026年3月期上期決算では2%増益という安定した成績を発表した双日ですが、今後の成長のためにはまだ多くの課題とチャンスが残されています。堅実な事業運営や新規プロジェクトの推進、そして時代に即した経営方針によって、双日はこれからも社会や株主に新しい価値を提供し続けていくことでしょう。

今後も双日の動向には引き続き注目が集まりそうです。株式投資を検討されている方にとっても、本記事が参考となれば幸いです。

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