無印良品「ルームフレグランススプレー」60万本自主回収──製造工程の不備で雑菌類検出

2025年10月30日、株式会社良品計画が展開する無印良品は、
「ルームフレグランススプレー」の一部商品において、製造工程の不備による雑菌類の検出があったとして
60万個規模の自主回収を発表しました。
このニュースは、多くの利用者に信頼されてきた無印良品の商品安全と品質管理への姿勢が問われる重大な出来事として、日本全国で大きな注目を集めています。

事案の経緯と概要

2024年9月以降に発売された「ルームフレグランススプレー」の一部商品において、製造工程の管理に不備があったことが発覚し、社内検査にて雑菌類が検出されました。
検出された菌はいずれも日常の生活環境下に存在する、ごくありふれたものですが、お客様の安全を最優先し全面的な自主回収を決定したとしています。
現時点で健康被害の報告は一件もありませんが、安全性確認のために当該商品と同一工場で製造されたすべての「ルームフレグランススプレー」を回収対象に加えました。

具体的な対象商品一覧

自主回収の対象となる主な商品は以下の通りです(全て2024年9月以降販売品)。

  • ルームフレグランススプレー ウッディ
  • ルームフレグランススプレー グリーン
  • ルームフレグランススプレー 金木犀
  • ルームフレグランススプレー シトラス
  • ルームフレグランススプレー グレープフルーツブレンド
  • ルームフレグランススプレー グリーンブレンド
  • ルームフレグランススプレー ミモザブレンド
  • ルームフレグランススプレー さくらブレンド
  • ルームフレグランススプレー ゆず
  • ルームフレグランススプレー 白檀
  • ルームフレグランススプレー クロモジ

上記以外にも同一工場製造の全てのルームフレグランススプレーが回収対象となっています。

検出された雑菌類のリスクと健康面について

良品計画の公式発表によれば、今回発見された雑菌類はどれも日常生活の中に広く存在する微生物であり、製品を通常どおりの用途で使用した場合に健康被害が生じる可能性は極めて低いと説明されています。
また、専門家による評価でも健康リスクはごく限定的だとされています。

実際に健康被害や事故の報告は現時点でなく、「念のため」「万が一にもリスクを排除するため」に自主回収を決めた背景がうかがえます。

お客様の安全最優先という姿勢は近年の消費者志向とも合致しており、企業の社会的責任を果たす観点からも妥当な措置と言えるでしょう。

回収の具体的な方法と返金対応

対象製品をお持ちのお客様には、次の方法で商品を回収しています。

  • 専用ウェブフォームから申し込み
  • 専用フリーダイヤルへの連絡
  • 最寄りの無印良品店舗での店頭受付

いずれの方法でも、後日商品代金は全額返金されます。
また、自宅から発送の場合にはスタッフが回収に来る仕組みも設けており、高齢者や遠方のお客様にも配慮した運営となっています。

回収受付の受付時間、発送方法、必要書類などについては、公式ウェブサイトやコールセンターで詳細が案内されています。
店舗に直接持参した場合も、その場で速やかな返金や対応が行われます。

公式発表では混雑による対応時間の延長や、一時的な問い合わせ集中についても丁寧な謝罪がなされており、消費者対応の誠実さが感じられる内容となっています。

他製品や今後の対応

今回の回収は「該当工場で製造されたすべてのルームフレグランススプレー」に及びますが、他のフレグランス商品や回収対象外商品の安全は再確認済みと公式に発表されています。
つまり、今回の回収対象外製品については引き続き安心して使用できるとのことで、不安解消にも努めています。

また、良品計画は
「再発防止に全社を挙げて取り組む」
と強調。今後は製造工程の管理・検証を一層強化し、より厳格な品質管理体制の構築にも力を入れる方針が明示されています。

消費者と社会へのメッセージ

無印良品の商品は生活者にとって日用品として身近な存在であり、その安全性や信頼は長年高い評価を受けてきました。
突然の回収発表に驚きや不安、困惑を覚えた方も多いでしょう。

今回の一連の対応は、企業理念である「お客様第一」の姿勢を端的に示しており、不祥事を隠すことなく迅速かつ大規模な自主対応に踏み切ったことも特筆すべき点です。
公式発表や店舗・コールセンターでは「ご心配とご迷惑をおかけし、心よりお詫び申し上げます」と繰り返し謝罪し、二度と同様のことが起こらないように全社を挙げて改善を行う決意を表明しています。

消費者も、自身や家族のために手元の製品ラベルや公式サイトなどで最新情報を必ず確認する習慣の大切さを改めて感じる機会となったことでしょう。
「該当商品が手元にある場合はすぐに使用を中止し、最寄りの店舗や専用受付までご連絡ください」という呼びかけをしっかり守ることが被害防止、社会全体での安全意識向上につながります。

「住まいを豊かにする香りの商品」が、一転して不安材料となった今回の騒動。
企業と消費者が正しい情報のもとに適切な対応を重ね、信頼と安心の回復につながることが望まれています。

まとめ

無印良品「ルームフレグランススプレー」60万点の大規模自主回収という今回の出来事。
背景には日常的なリスクの厳格な評価と、消費者に「万が一の安心」を届けたいという企業姿勢がありました。
現時点での健康被害の報告はなく、正確な情報提供と誠実な対応が進むなか、私たち利用者も慌てず冷静に、正しい知識をもって行動したいものです。

今後も企業の自主的な品質管理、社会全体の安全への配慮、正しい情報流通の大切さへの関心がより一層高まることが期待されます。

参考元