参政党が「国旗損壊罪」法案を参議院に単独提出――国旗を守る法整備に向けての新たな動き
2025年10月28日、参政党は従来の日本の法制度にはなかった「国旗損壊罪」に関する刑法改正案を、初めて単独で参議院へ提出しました。この法案は、自国の国旗の尊厳を守るため、国旗を意図的に傷つけたり汚した場合に刑罰を科すことを目的としています。今回の動きは、国内外で国旗の損壊が問題視される中、国民的議論を呼び起こしています。
法案提出の背景と参政党の主張
参政党の神谷宗幣代表は「他国の国旗を損壊した場合には処罰されるのに、自国の国旗の場合は規定がないのは非常に不自然」とコメントしています。選挙期間中から、公衆の場で国旗が傷つけられる事件が発生し「国家への冒涜」として懸念を強めていました。こうした事案を法的に対処するため、党内で法案準備を進めてきたといいます。
- 法案は「日本国に対して侮辱を加える目的で、国旗や国章を損壊、除去、汚損した者は二年以下の拘禁刑または二十万円以下の罰金に処する」と定めています。
- 他国、例えばフランスやドイツなどでは、自国の国旗損壊に対する刑事罰が存在し、国旗を傷つける行為の刑法上の位置づけが明確です。
- 現状の日本の刑法では、外国の国旗損壊に対しては罰則がありますが、自国の「日章旗」については規定がありません。
自民・維新との連携の可能性
今回の法案提出にあたり、参政党は自民党と日本維新の会にも「協力」を呼びかけています。維新の吉村洋文代表は「日本国旗の損壊罪がないのは矛盾。ひと声かけてくれれば良かった。一緒にできる部分は進めていきたい」と共同歩調の意向を示しました。
- 維新や自民党が賛同すれば、衆参両院で議席過半数に達するため、法案成立の現実味が増します。
- 高市早苗総理も過去より自国国旗損壊罪の必要性を提唱しており、維新との連立合意文書にも「来年の通常国会で制定を目指す」と記されています。
専門家の見解と他国の事例
弁護士の堀内恭彦氏は「現行法では外国の国旗損壊には処罰があるが、自国国旗には規定がない。フランスやドイツなど多くの国では自国国旗の侮辱行為への刑事罰が明確に定められている」と指摘します。さらに「国民的議論が必要である」とし、法整備にあたっては慎重な審議が求められるとしています。
- 他国でも自国国旗侮辱への刑罰は一般的ですが、刑罰の重さの違いや、表現の自由との兼ね合いについては議論があります。
- 日本では、自国のシンボルへの侮辱行為の取扱いについて法的空白が指摘されてきました。
法案の具体的内容
今回提出された法案は、以下の点が大きな特徴です。
- 侮辱目的で日本国旗その他国章を損壊・除去・汚損した者は二年以下の拘禁刑または二十万円以下の罰金刑とする。
- 現行刑法との比較においては、外国国旗への損壊規定との差を是正する意義があるとされています。
- 国旗や国章の損壊行為が社会的混乱や争議の火種となっていることから、慎重な法案審議が求められています。
国旗損壊罪制定の意義と今後の課題
国旗は国家の象徴であり、国民の誇りを表すものです。他国でも自国国旗損壊に対し厳しい法整備が進んでいる背景には、国家への敬意や社会秩序が重視されていることが挙げられます。しかし日本では、表現の自由や社会的多様性との兼ね合いも含めて慎重な議論が必要です。
- 法案提出をきっかけに、国旗の意味や尊厳について国民的な理解を深める契機になると期待されます。
- 自民党・維新・参政党が共同歩調をとれば成立可能性が高いですが、多様な立場からの意見調整が不可欠です。
- 法案の審議状況や社会的反応については、今後も注視が必要です。
識者のコメントと社会の声
専門家の堀内氏は「いかに国旗の尊厳を守るかは国家の価値観と社会の成熟度に関わる」としています。また政治の現場のみならず、社会全体の意識醸成も法制化の観点から重要です。SNSやメディアでは賛否両論が飛び交い、国旗の存在意義や表現の自由の限界についても様々な声が上がっています。
まとめ――日本社会が向き合うべき問題とは
「国旗損壊罪」法案の提出は、日本が国家のシンボルをいかに守り、社会の多様な価値観との調和を図るべきかという根源的な問題提起でもあります。参政党が単独で法案提出に踏み切ったことで、国旗の尊厳に関する社会的議論が活性化することは間違いありません。今後、国会における慎重な審議、国民的議論と理解が重ねられ、より成熟した法制度の構築が期待されています。政府・与野党、そして国民の意見が反映された形で慎重な決定が求められる局面に入りました。
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