フジクラ株価、AIデータセンター需要で急伸――時価総額5兆円超えの背景と今後
フジクラ株価、19,000円台突破――好調な業績と株価推移
株式会社フジクラ(証券コード:5803)は、2025年10月28日に年初来高値19,610円を記録し、終値でも19,195円と高い水準を維持しています。また、この日は前日比で+895円(+4.66%)の大幅な上昇となり、市場の注目を大いに集めました。加えて、時価総額も5兆6,790億円(約5.7兆円)となり、1兆円をはるかに超える大型銘柄へと成長しています。
この株価の上昇は、2025年4月には3,592円という安値を記録していたことを踏まえると、半年で5倍以上の急騰という非常に異例の推移です。年初来で最大の値上がりを見せた背景には、フジクラの情報通信事業部門の業績好調があります。
米系大手証券がレーティング「強気」継続、目標株価20,500円に引上げ
株価上昇の潮流を受けて米系大手証券はフジクラのレーティングを「強気」で維持し、新たな目標株価を20,500円へ引き上げると発表しました(アイフィス株予報)。この評価は、生成AIデータセンターへの光ファイバーやケーブル需要が今後も増加し、フジクラが引き続き高収益基盤を構築できると見込まれていることが根拠となっています。
- 情報通信事業部門が売上高前年同期比22.7%増(2,679億円)、営業利益同68.0%増(411億円)と絶好調
- 通期業績予想も上方修正、株価予想も一段高の20,500円へ
- 投資家の間でも「業績好調」「AI関連需要」「大型案件獲得」が株価押し上げ要因との認識が強い
AIデータセンター需要――フジクラ成長の最大要因
フジクラ株が急騰した最大の理由は、世界的な生成AI(人工知能)の普及に伴うデータセンター建設ラッシュによる光ファイバー事業の需要拡大です。米国を中心に、超大型のAIデータセンター新設が相次いでおり、光ファイバーや通信ケーブル製造に強みを持つフジクラの受注が大きく伸びています。
この流れは、GAFA(Google、Amazon、Facebook/Meta、Apple)など世界的なハイテク企業がAI分野への巨額投資を進める中、物理的な通信インフラの整備が必須となり、それに直結するフジクラの材料供給力が評価されていることに起因します。
2026年3月期業績予想――アナリスト予想も上方修正
アナリストの最新予想では、2026年3月期の経常利益は前週比0.3%上昇との見通しが示されています(アイフィス株予報)。これは、直近の急速な受注増や売上成長を受けて、今後も堅調な利益成長が続くとの見方が強くなっていることを反映しています。
- 株価は今後も高値圏で推移する可能性が高いと予想
- 投資家の強気スタンスが鮮明。「上昇予想」82%
株価チャートと出来高推移――投資家心理も強気
株価チャートを細かく見ると、2025年10月7日から約20日間で14,700円→19,195円へと約5,000円の急騰を記録。日々の出来高も1,000万株~2,000万株を超える高水準が継続しており、機関投資家だけでなく個人投資家の参入も活発化しています。
- 年初来高値:19,610円(2025年10月28日)
- 年初来安値:3,592円(2025年4月7日)
- 時価総額:5兆6,790億円
Yahoo!ファイナンスの投票では「上昇予想」が82%に達しており、「業績好調」「AI関連特需」「需給良好」など強気のコメントが目立ちます。
フジクラの今後―一段高期待とリスク要因
現状、フジクラ株はAI関連の世界的な成長トレンドに乗る形で「強気」が主流となっています。一方、
- 大幅高となった後の利益確定売り
- AIインフラ投資のペース鈍化
- 競合他社との価格競争や受注減
など中長期的なリスクには注意が必要です。
とはいえ、現時点では2025年11月7日に控える決算発表を前に、情報通信分野の売上増加・利益拡大による上方修正期待が株価を一段高へ導いている状況です。米系証券による目標株価引き上げをはじめ、アナリスト予想の上昇、投資家の強気心理が相乗効果となり、フジクラ株は押し目が限定的で強い推移が継続しています。
今後もデータセンターやAI基盤整備に伴う需要が続く限り、フジクラは日本を代表するテック関連大型株としてさらに存在感を高めていくと予想されます。
結論――フジクラ株価、今後のポイント
- AIデータセンター需要の拡大が株価の主因
- 米系大手証券が20,500円へ目標株価を引き上げ、強気継続
- 2026年3月期業績予想も改善、投資家心理は強気優勢
- 今後のリスクにも注意しつつ、しばらくは高水準維持見込み
株価の急騰は一過性ではなく、構造的なAI市場貢献を背景としています。投資家は最新の決算発表や受注動向、業界ニュースに注目しつつ、しっかりと情報収集する姿勢が大切でしょう。



