キヤノンMJ、利益・配当の上方修正と自社株買いで株価が大幅反発

キヤノンMJ(キヤノンマーケティングジャパン)最新決算・ニュースの概要

2025年10月24日、キヤノンマーケティングジャパン(以下キヤノンMJ)が2025年12月期第3四半期(1月~9月)決算を発表し、業績予想の上方修正、配当予想の増額、さらに自社株買いの実施を公表しました。この発表を受け、株価は大幅に反発し、10月27日の取引開始直後には前営業日比5.0%高6,447円(午前9時7分時点)まで値上がりを見せるなど、投資家の注目を集めました。

2025年12月期 業績予想の上方修正の内容

  • 2025年12月期の営業利益予想を、従来の570億円から580億円へ引き上げ(前期比約9.2%増)
  • 同じく純利益予想395億円から405億円へ増額修正(同3.0%増)
  • 売上高予想6,800億円(前期比4.0%増)で据え置き

主な要因としては、中小企業のDX(デジタル・トランスフォーメーション)支援を中心としたITソリューション事業の好調、本社の拠点統廃合に伴うコスト削減、政策保有株式の売却に伴う売却益計上等が挙げられています。特に、エリアセグメントにおける付加価値の高いITサービス提供が順調に進み、事業全体の収益性を押し上げました。

配当予想の増額と株主還元姿勢の強調

  • 期末配当予想を従来の80円から90円へ増額
  • 年間配当予想も従来の150円から160円へ引き上げ(前期は140円)

これにより、キヤノンMJは株主還元の充実を一段と強める方針を打ち出しました。着実な増益基調と併せて、配当増額は投資家心理に大きくプラスに作用しています。

2025年1月~9月の四半期決算サマリー

  • 売上高:4,918億2,200万円(前年同期比3.9%増)
  • 営業利益:382億100万円(同5.3%増)
  • 純利益:272億7,500万円(同1.1%増)
  • 連結経常利益は395億円(前年同期比6.1%増)

DX支援のITソリューションが好調に推移し、全体として増収増益を達成しています。国内の中小企業向け市場における提案営業、システム導入支援業務の拡大が収益拡大へ寄与しました。

自社株買い発表とその意義

  • 自社株買いの上限は200万株(発行済株式総数の約1.84%)、あるいは100億円
  • 取得期間:2025年10月27日~2026年1月30日
  • 目的は株主還元強化資本効率の向上

この自社株買い策は市場から好意的に受け止められており、「配当増額」と「自己株取得」の二軸で、株主への利益還元姿勢がいっそう明確になりました。キヤノンMJの経営陣は、利益還元と企業価値向上の両立を重視していると評価されています。

株価の反応と市場の評価

発表翌日の株式市場では、株価が大幅高となり、これらの施策への投資家からの期待が現実の値動きに表れました。10月27日午前9時時点で6,447円(+308円、+5.0%)まで急騰しています。市場では「増配と自社株買いのダブル発表により、信用買い残高の削減など需給面の改善につながる」といった見方や、「ITソリューション事業を軸とした持続的成長路線に信頼感が増した」といったポジティブな評価も数多く見受けられました。

今後のキヤノンMJの取り組みと展望

キヤノンMJは今回の決算発表で、成長分野であるITソリューションの強化と経営資源の最適配分、さらには企業ガバナンスの強化を明言しています。複写機やプリンターなどの既存事業に加え、企業のデジタル化支援やセキュリティ・ネットワーク関連サービスを重視することで、持続的な成長実現を目指す戦略が明確に示されました。

また、今期事業の積極展開とともに、資本効率の向上や株主へのリターン最大化に一層注力する方針を続けるとしています。国内外の不確実性が続く中でも、安定した財務基盤と新規事業投資で、キヤノンMJは今後の日本経済やIT業界のけん引役として存在感を発揮していくことが期待されます。

投資家・個人株主へのメッセージ

今回の発表はいずれも投資家還元や経営陣の自信を表現するもので、市場全体のボラティリティが高い環境下でも、持続的な企業価値向上および安定的なリターンの提供を約束する内容となりました。業績と株主重視姿勢を評価する声が多く、今後の株価動向や追加の経営・資本施策にも引き続き注目が集まります。

まとめ

  • キヤノンMJは2025年12月期の業績見通しを上方修正し、事業好調・コスト抑制を背景に、営業利益・純利益ともに増額
  • 配当予想も大幅増額、株主還元の姿勢をさらに強化
  • 発行済株式数の約1.84%・100億円を上限とする自社株買いを決定し、株価は大幅に反発
  • ITソリューション事業の拡大などによる事業成長と、利益還元策の両輪を重視した経営が今後も注目ポイント

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