2025年宮城県知事選挙 現職と保守分裂、SNS情報の真偽に注目
宮城県知事選挙(2025年10月26日投開票)が間近に迫るなか、現職の村井よしひろ知事(無所属・65歳)と、元参議院議員・和田政宗氏(無所属・51歳、参政・神谷宗幣氏の支援)などをはじめとする新人5名が激しい戦いを繰り広げています。選挙戦では党派的枠を超えた「保守分裂」の構図や、SNS(Xなど)上でのフェイクニュース・デマ情報の拡散、さらに各候補の支持団体の動きが大きな注目を集めています。
現職・村井知事と「保守分裂」の争点
今回の宮城県知事選挙の最大の特徴は、いわゆる「保守分裂」です。現職の村井知事は、地元の支持基盤や県政の実績を強みに再選を目指します。対するのは、参政(政党として活動する有志の政治団体)・神谷宗幣代表が支援する元参議院議員・和田政宗氏(新人・無所属)です。神谷氏は「これからを占う大切な選挙」と位置づけ、自身のSNSなどで積極的な応援活動を展開しています。
また、伊藤修人氏(新人・無所属・33歳)、金山屯氏(新人・無所属・85歳)、ゆさみゆき氏(新人・無所属・62歳)も立候補しており、現職に対抗する勢力が分散している状況です。かつて県知事選では「無風」も少なくありませんでしたが、今回は現職と参政系候補の一騎打ちの様相を示しながらも、保守系地盤の分裂が選挙結果に大きな影響を与える可能性が指摘されています。
選挙運動とSNS上の情報、ファクトチェックの重要性
今回の選挙では、X(旧Twitter)などのSNS上で「現職陣営が〇〇と連携している」「参政候補の資金源に問題がある」といった投稿が拡散され、事実確認が必要な「フェイクニュース」が飛び交っています。こうした投稿は一部の支持者やネットユーザーによって拡散され、選挙の公正性や有権者の選択にも影響を与えるリスクがあります。
宮城県内では「事実関係の確認が取れていない情報」に対するファクトチェック作業が急ピッチで進められています。報道機関や地域の有識者が事実確認を行い、誤情報が広まらないよう努めています。選挙期間中は「投稿の内容は本当か?」「発信源はどこか?」と立ち止まって考えることが大切です。
選挙当日の進行と開票速報体制
10月26日、宮城県内の903か所で投票が午前7時から行われます。開票作業は県内39の開票所で行われ、速報データがホームページで随時更新される予定です。県選挙管理委員会は「選挙の結果を迅速かつ正確に有権者へ届ける」ために事前のリハーサルも実施しており、混乱のない投票・集計体制を目指しています。
有権者への呼びかけと投票率への期待
前回の宮城県知事選挙(2021年)の投票率は56.29%でしたが、今回は緊迫した選挙戦や地域課題への関心から、投票率が上昇する可能性も指摘されています。有権者へは「しっかりと候補者の主張や公約を比較し、自分の一票を投票所で投じてほしい」と県選挙管理委員会からも呼びかけが行われています。
各候補の顔ぶれと公約のポイント
- 村井よしひろ氏(現職・無所属): 県政の安定と実績を強調し、既存の地域政策の継続・発展を訴えています。
- 和田政宗氏(新人・無所属、参政支援): 「日本一の子育て県へ、増税から減税へ」を掲げ、大胆な改革と大胆な予算配分を主張しています。
- 伊藤修人氏(新人・無所属): 若年層の意見を反映した新しい県政を目指すとしています。
- 金山屯氏(新人・無所属): 自然と地域社会の共生、経済活性化を柱に掲げています。
- ゆさみゆき氏(新人・無所属): 福祉・生活支援に重点を置いた公約を打ち出しています。
終わりに
宮城県知事選挙は、現職と参政系の元参院議員の争いを軸に、SNSでの情報操作リスクや保守勢力の分裂、さらには多様な新人候補の台頭など、複雑な要素が絡み合っています。選挙当日(10月26日)は、県内各地で緊張感のある投票が行われる一方、有権者一人ひとりが「事実」と「主張」を見極め、冷静に投票することが求められています。
選挙結果は速報で随時発表され、県内外の注目が集まる中での開票作業となります。宮城県の将来を担うリーダーを決める大切な選挙です。ぜひ、多くの有権者が参加し、民意が反映される選挙となることを願っています。
(参考)宮城県選挙管理委員会や仙台市の公式ページで、候補者情報や開票速報を随時確認できます。



