株式会社フラスタ、「ウマ娘」「プロセカ」イベントでのフラワースタンド設置不備で謝罪と全額返金対応へ
はじめに
2025年10月18日および19日に開催された大人気コンテンツ『プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク』(以下プロセカ)と『ウマ娘 プリティーダービー』(以下ウマ娘)のライブイベント。今年で5周年を迎える「プロセカ 5th Anniversary 感謝祭」と、「ウマ娘 6th EVENT The New Frontier 秋公演」に合わせて、ファンからお祝いのフラワースタンド(スタンド花)が数多く贈られました。しかし、両イベントにてフラスタンドの用意や設置に大きな不備が発生し、多くのファンや関係者を巻き込んだ騒動へと発展しました。
フラワースタンドとは?
フラワースタンドは人気アーティストやキャラクターへのお祝いとして、ライブ会場などにファンや企業、関係団体が贈る装飾的な花台のことです。色とりどりの装飾やイラスト、メッセージカードなどで彩られ、ファン活動(いわゆる「推し活」)に欠かせない文化となっています。
今回発生した問題の詳細
今回問題となったのは、フラワースタンドの設置を請け負った株式会社フラスタによる、事前準備・設置の大幅な不備です。依頼したファンや協賛者のもとには、「会場にフラワースタンドが届かない」「発注時のデザインと大きく異なる」「装飾品の欠落や花の破損がある」といった報告が多数寄せられました。SNS(X)上でも不満の声が爆発的に広まり、現地の写真や体験談とともに多くの注目を集めていきました。
株式会社フラスタの説明と謝罪内容
- 主な原因は「事前準備不足」:株式会社フラスタは公式ウェブサイトにて謝罪文を掲載し、「事前の作業や確認、設置体制が不十分で、当日に十分な設置対応ができなかった」と説明しています。
- 設置確認・装飾品管理の不行き届き:現場での設置確認作業が疎かになり、本来装着されるはずの装飾パーツや花材の欠落が多発しました。「ウマ娘」イベントにおいては、運搬用トラック内での事故も重なり、花の破損や設置不能なスタンドも生じてしまったと報告されています。
- 問い合わせ・報告の遅延:依頼者やファンからの確認や問い合わせへの対応も遅れ、混乱と不安をさらに助長する結果となりました。
関係各所と公式の対応
- イベント主催側の謝罪:「プロセカ」「ウマ娘」運営も公式Xアカウントなどで「ファン、関係者の皆さまにご迷惑をおかけした」ことを謝罪しました。
- 今後の対応の明言:「プロセカ」公式は、今後フラワースタンド制作会社の利用方法の見直しや、別業者を選べるよう整備していくことも発表しています。
- 返金対応:株式会社フラスタは全ての発注者に対し全額返金を実施する旨を公式に告知し、10月末までに順次対応を開始しています。
ファンとネット上の反応
今回の不備によってファン活動への落胆や不信感、発注者の金銭的・精神的な負担が発生しました。「推しのために用意した思い出が形にならなかった」「高額を支払ったのに納得できない」といった声に加え、「全額返金という誠意ある対応は評価するが、今後信頼を取り戻すには時間がかかる」といった冷静なコメントも目立ちました。
なぜ大規模な混乱が起きたのか
- 1. イベント規模と参加者数の影響:プロセカ・ウマ娘ともに動員が多く、ファンも熱量が高い大規模なイベントのため、フラワースタンドの発注件数が膨大となったことが背景にあります。
- 2. イベント公式による業者紹介:イベント主催側が株式会社フラスタを公式に案内したこともあり、多くの発注が一社に集中したことで業務負荷が急増し、管理体制が追いつかなかったとみられます。
- 3. 事前のオペレーション体制とリスク対策の脆弱さ:事前設置の手配・確認等、複数段階の対応に抜けや甘さがあり、不測のトラブル(運搬中の事故など)にも対応しきれなかった点が問題視されています。
返金手続きなど今後の流れ
株式会社フラスタは公式サイトおよび各対応窓口を通じて、10月末までに全額返金に対応すると公表しています。返金方法や必要な手続きなどの詳細は依頼者ごとに個別対応となる見通しです。
今後の再発防止策やファン活動への影響
- 制作・設置業者の分散化:「プロセカ」公式は、「今後のイベントではフラワースタンド制作業者を分散し、発注者による選択肢を増やす」方向で調整中です。これによって同様の事故リスクが低減される見込みです。
- 依頼者への透明性と確認体制の強化:設置スケジュールや現在状況の見える化、事前に納品物の写真確認を行う仕組みの導入なども検討が進められるとみられます。
- ファン・コミュニティ側の自主的な再検討:「大切な推しイベントの記念」として恒例化したフラワースタンド文化自体への影響も無視できず、依頼先の選定や自己管理の強化についても声が出ています。
まとめ:信頼回復と推し活文化の今後
今回の騒動は、ファン文化の盛り上がりとビジネス化が進む中で、信頼関係や透明性の重要性を改めて浮き彫りにしました。株式会社フラスタは返金という「誠意ある」対応を開始したものの、今後はファンやイベント主催側との信頼再構築が課題です。また、制作会社の選択肢拡大や管理体制の厳格化など、今後の再発防止と業界全体の品質向上が強く求められています。
今後も推し活文化が安心して楽しめるためには、ファン・発注者・業者・主催者すべてのリテラシー向上とコミュニケーションが不可欠となるでしょう。