超・親日国家トルコを巡る『トルコ的オモテナシ』と悠久の歴史都市シャンルウルファの魅力
はじめに：トルコと日本、深い友好と交流
2025年、世界が大きく変化し続ける中で、日本とトルコの友好関係も新たな局面を迎えています。トルコは国際社会でも屈指の親日国家として多くの日本人旅行者を温かく迎え、地域ごとに受け継がれてきた独特のおもてなし文化――「トルコ的オモテナシ」を体感できる国です。この背景には、両国に数多くの感動的な交流史が積み重ねられています。
- エルトゥールル号事件に代表される歴史的な助け合い
- 現代でも人々に引き継がれる「隣人愛」
- 地理・文化を超えた友情の深化
トルコ人の『日本観』と絆の原点
多くのトルコ人が日本を「重要なパートナー」として認識し、とても親しみを持って日本人旅行者に接します。これは2012年のトルコ国内アンケートでも明らかになっており、「とても関心がある」「友好関係にある」との回答が大多数を占めています。日本に対する尊敬や憧れの理由は、かつての歴史的交流、経済・科学技術協力など多方面に及んでいます。特に1890年のエルトゥールル号事件は、両国関係の礎となったエピソードです。悲劇の中で日本人がトルコ船員を必死で助け、義援金を集めて生還者を祖国へ送り届けたことは、トルコ人の記憶の中に深く刻まれています。
助け合いを重ねて生まれた信頼の歴史
トルコと日本の絆は、一方通行ではありません。1985年のイラン・イラク戦争時には、トルコ航空機がテヘランに取り残された日本人を救出しました。他国が自国民の脱出に集中する中、トルコは「エルトゥールル号の借りを返すため」と理にかなった行動で日本人を救ったのです。
これらの出来事は報恩・義理・扶助精神の象徴として語り継がれ、災害時にはお互い率先して支援を送り合うなど、今もなお助け合いのエピソードが生まれ続けています。このような歴史の積み重ねが、トルコ社会に「親日」という文化的土壌を形成してきました。
現代トルコ社会のおもてなし文化――『トルコ的オモテナシ』
トルコのおもてなし（ミサフィルペルヴェリキ）は、「旅人に親切にせよ」というイスラム社会の教えと、東西様々な影響を受けた独自の価値観によって形作られています。イスタンブールの主要な駅や観光地では、日本語表示の券売機が設置され、現地スタッフもしばしば日本人旅行者に優しい対応をしてくれます。街中でも「日本人ですか？」と温かい言葉をかけられることが少なくありません。
トルコ人には「困っている人を助けるのは当然」といった強い善意が根付いており、親日であることに限らず、強いホスピタリティ精神でも旅行者を惹きつけます。
ビジネスと経済の新たな飛躍――EPA締結の動き
2025年は日・トルコ外交関係樹立101年にあたり、経済関係でも大きな前進が期待されています。日本とトルコの経済連携協定（EPA）が求められており、関税の引き下げやビジネス環境の整備によって、日本企業のトルコ進出が後押しされる見通しです。こうした動きは、
- 現地雇用の創出
- 欧州など第三国への輸出拡大
- 経済的連結強化
など、両国企業や国民に様々なメリットをもたらしています。外交だけでなく、現地での産業発展や交流に大きな期待が寄せられています。
秋に訪れるべきシャンルウルファ――人類最古の文明へ旅する
トルコへの旅行で今注目されているのが南東部、シャンルウルファです。ここは人類最古級の定住文明の遺跡が眠る地であり、秋は遺跡巡りに絶好のシーズンです。涼しく乾燥して過ごしやすい気候のもと、神秘的な歴史空間をじっくり堪能できます。
- ギョベクリ・テペ遺跡：世界遺産であり「文明発祥の地」として近年特に脚光
- シャンルウルファ市街：旧市街のバザールや伝統的モスクが独特の雰囲気を残す
- アブラハムの泉：旧約聖書ゆかりの聖地として巡礼地にも
この地ではアジアと地中海、アラビアを結ぶ交易路の要所として、紀元前から数千年もの文化交流が行われてきました。石造りの家々や古代遺産、地元の人々による素朴ながら温かなもてなしが旅行者を心から迎えてくれます。
現地で感じた『トルコ的オモテナシ』の瞬間
多くの旅行者が感動をもって語るのは、都市や村を問わず「お客様こそ神様」という精神です。小さな商店やレストランでも「チャイ（トルコ紅茶）」を振る舞い、迷っている旅行者には自ら歩いて道案内を買って出てくれる――そんな優しさが随所に溢れています。
また、独特の習慣として「見知らぬ人にパンを施す」「困っていれば見返りを求めず助ける」など、日常の中にも親切が根付いています。異国の地で、日本とよく似た温かさを体感できることは、多くの人にとって忘れ難い思い出となっているようです。
交流を促進する文化・観光・スポーツの架け橋
両国政府は文化・スポーツ・観光の各分野でも協力を押し進めており、コンサートや芸術交流、観光プロモーションなどさまざまな活動が実施されています。特に最近ではデジタル技術を活用した相互理解・情報発信が強化されており、「もっとトルコを知ってもらう」「日本文化を現地に広める」といった動きが活発です。これにより、今後も双方の観光客・ビジネスマン・留学生などによる交流が一層深まることが期待されています。
今こそ体感したいトルコ――悠久の歴史と人々の温もり
2025年秋、トルコは「絆の国」として日本人に多くの感動を届けてくれます。イスタンブールやカッパドキアといった王道観光地だけでなく、歴史情緒溢れるシャンルウルファの遺跡やローカル文化、そして何より「心から歓迎する」というおもてなしの心。
日本との関係を築いてきた感謝と友情が日常の中に息づいているトルコ。今この時代だからこそ、一人ひとりの交流、そして新たな歴史の一歩が、両国の架け橋となることでしょう。
おわりに：未来へつながる出会いと友情
地理的には遠く離れていても、トルコと日本の間に培われた友情は、今もなお新たなページを刻み続けています。「隣人を思う温かい心」「歴史を越えた助け合い」「おもてなしの精神」——これらは2つの国を繋ぐ宝物です。
両国の市民同士がこれからも積極的に交流し、深い理解と信頼をさらに育んでいくことが、平和で豊かな未来への希望を照らすことでしょう。
