豪華クルーズ客船「飛鳥III」細島港に初寄港――新たな観光ルートが誕生

2025年10月16日、宮崎県日向市の細島港に、クルーズ客船「飛鳥III」が初寄港しました。令和7年7月に就航したばかりの最新鋭船「飛鳥III」は、その美しい船体と贅沢な船内設備、全国各地への新鮮なクルーズ体験の提供によって、多くの旅行ファンの注目を集めています。今回の細島港への寄港は、宮崎県にとっても、地域経済や観光振興にとっても大きな一歩となりました。

待望の初寄港――岸壁が歓声に包まれた瞬間

10月16日の朝、日の出とともに細島港沖に現れた「飛鳥III」。岸壁では関係者や地元住民、市内の子どもたちが、横断幕や旗を振りながら寄港を歓迎しました。地元の保育園児による元気な太鼓演奏や踊りが披露され、長い航海を終えた乗客と乗務員に温かい笑顔と拍手が贈られました。乗客たちは次々とターミナルに降り立ち、宮崎ならではの風や空気、心温まるおもてなしに触れながら旅の新たな章をスタートさせました。

クルーズ船「飛鳥III」の魅力とは

  • 最新鋭かつ日本最大級の船体…全長229.98m、総トン数52,265トン。乗客定員はおよそ740人で、ゆったりとした空間設計と、最新の安全基準を満たした設備が特徴です。
  • 洗練されたレストランやラウンジ、充実のアクティビティ…和洋折衷の本格レストラン、パノラマラウンジ、音楽イベントや講演会など、船内での余暇も充実。長期滞在でも飽きることがありません。
  • 日本各地を巡る多彩な寄港地…細島港を含む全国の港をつなぐ多様なコースが用意されています。今回は細島港のほか、横浜港や神戸港、広島港などにも寄港予定です。
  • おもてなしのクルー陣…日本のホスピタリティを体現したスタッフが、きめ細かなサービスで快適な船旅をサポートします。

寄港地・宮崎の観光資源を体感

初寄港となった細島港では、乗客向けに「高千穂峡」や「日向岬」、国歌の故郷としても知られる「大御神社」など、宮崎の自然や神話に触れられる観光プログラムが用意されました。専用バスで移動した乗客たちは、渓谷美と神話ロマンの満ちた高千穂でボート遊覧や散策を楽しみ、新鮮な海の幸や地元伝統料理の昼食を味わいました。

「生涯に一度は乗ってみたかった」と語る82歳の一人旅の乗客は、「高千穂の景色が素晴らしく、地元の方の温かな歓迎に心が癒やされた。今後も一人旅の夢を追い続けたい」と満足げな表情で語っていました。こうした高齢の単身旅行客が増えていることも、クルーズ船旅の新たな魅力となっています。

地元への経済波及効果と持続可能な観光の実現

  • 地元経済への貢献…乗客の消費による直接的な経済効果に加え、地元ガイドやタクシー会社、土産物店など地域関連ビジネスも恩恵を受けています。
  • 新たな観光モデル…これまで訪れる機会が少なかった地方都市でも、クルーズ寄港地となることでインバウンドも含めたさまざまな観光客の呼び込みが可能となり、観光多様性が広がっています。
  • 環境配慮と地域調和…最新鋭船である「飛鳥III」は、省エネ設計や排出ガス抑制への取り組みにも積極的。地域社会との調和・共存を目指した運航がなされています。

日本各地を巡る「飛鳥III」のスケジュール

2025年は「飛鳥III」が全国の主要港を巡る年となっています。横浜、大阪、神戸、広島などの大都市に加え、細島港のようにクルーズ初寄港となる地方都市にも積極的にルートを広げています。

  • 7月20日 「飛鳥III」就航開始、全国初披露
  • 10月16日 細島港(宮崎)初寄港
  • 10月16日 広島港 初寄港
  • 12月20日 横浜港・大さん橋寄港予定
  • 12月23日 横浜港再寄港予定
  • 12月26日 四日市港、続いてグアムへ

これにより、船旅ファンは季節ごと、多様な港から気軽に船旅を楽しむことができます。

「飛鳥III」と「飛鳥II」――二つの豪華客船の違い

「飛鳥III」はこれまでの「飛鳥II」と比べて、より大型化・最新鋭化しています。たとえば、

  • 船体規模の拡大…全長・総トン数ともに「飛鳥III」が上回ります。
  • 客室数と船内施設の充実…新たなスイート客室や、展望デッキ、エンターテイメントホールなど、より対話的で多様な交流が叶う設計になっています。
  • 環境対応の強化…最新のバラスト水管理システムや燃料効率の良いエンジン採用など、サステナビリティにも配慮しています。

都内在住・在勤者向け新春クルーズ――「飛鳥II」の特別企画も

一方、2026年1月には、「飛鳥II」による東京都限定の2泊3日新春クルーズが、格安で提供されるキャンペーンも話題となっています。応募は11月13日までの抽選制となっており、首都圏在住・在勤者が気軽にラグジュアリー船旅を体験できる絶好の機会です。郵便局での直接応募やインターネット申込みが可能となっているそうです。

このように、飛鳥ブランドのクルーズ客船が続々と新たなサービスを打ち出し、国内外からの期待が高まっています。

今後の展望とクルーズ船観光への期待

今回の「飛鳥III」初寄港は、地元の子どもたちや観光事業者、行政にとっても大きな自信と希望をもたらしました。コロナ禍を経て新たな観光需要が求められる中、地方港へのクルーズ船誘致は、交通インフラ整備や観光市場の活性化を促進し、地域課題の解決や交流人口の拡大につながります。今後も細島港をはじめとする全国の港町が、定期的なクルーズ寄港地として成長していくことが期待されます。

まとめ――飛鳥IIIが迎える船出と宮崎の新風

「飛鳥III」の初寄港は、宮崎県・細島港、そして地域住民や全ての旅人たちにとって、船旅文化の新たな扉を開くものとなりました。大自然の絶景と人情、そして洗練されたおもてなしが融合するこの地は、日本の魅力を国内外に広げていく大切な起点です。今後も多くの人々が新しい旅の喜びと出会いに満ちた時間を過ごせることを願ってやみません。

参考元