三谷幸喜の傑作喜劇が歌舞伎に!「歌舞伎絶対続魂」11月歌舞伎座で上演

2025年11月、東京・歌舞伎座で上演される「吉例顔見世大歌舞伎」夜の部において、三谷幸喜作・演出による新作歌舞伎『歌舞伎絶対続魂(ショウ・マスト・ゴー・オン)~幕を閉めるな~』の上演が決定し、演劇ファンの間で大きな話題となっています。このたび、作品のティザービジュアルが公開され、松本幸四郎、片岡愛之助、中村獅童という実力派俳優陣がキリリと並ぶ姿が披露されました。

三谷かぶき第二弾として6年ぶりの歌舞伎座登場

本作は、令和元年(2019年)6月に歌舞伎座で上演され、好評を博した三谷かぶき『月光露針路日本(つきあかりめざすふるさと)風雲児たち』から実に6年ぶりとなる、歌舞伎座での”三谷かぶき”第二弾となります。前作は三谷自身の監督によりシネマ歌舞伎としても上映され、多くの観客を魅了しました。今回の新作は、三谷が満を持して歌舞伎座に贈る待望の作品として、演劇界の注目を集めています。

原作は三谷幸喜の代表作

『歌舞伎絶対続魂』の原作となるのは、平成3年(1991年)に三谷幸喜が書き下ろし、自身が主宰する劇団東京サンシャインボーイズで初演された『ショウ・マスト・ゴー・オン』です。この作品は、”舞台は一度幕を開けたらその幕は降ろしてはならない”というテーマを掲げ、次から次へと巻き起こる事態に悪戦苦闘する舞台人の気概と奮闘を描いた極上のエンタテインメント作品として知られています。

初演時から大きな反響を呼び、1994年には再演、さらにテレビ版も制作されるなど、三谷作品の中でも特に人気の高い作品です。令和4年(2022年)にはリニューアル版が上演され、その際も観客を笑いの渦へと誘い込み、大きな話題となりました。

豪華キャストによる歌舞伎化

今回の歌舞伎版では、すでに出演が発表されていた松本幸四郎、片岡愛之助、中村獅童の3人を中心に、さらに豪華俳優陣の出演が発表されています。幸四郎は狂言作者花桐冬五郎役、愛之助は座元藤川半蔵役、そして獅童は山本小平太役を演じることが決定しています。

実力派俳優陣が集結

3人に加えて、中村鴈治郎、坂東彌十郎、坂東新悟、中村福之助、中村歌之助、中村莟玉、市川染五郎といった歌舞伎界を代表する俳優陣が出演します。さらに注目すべきは、これまでの『ショウ・マスト・ゴー・オン』にも出演経験がある浅野和之、阿南健治という三谷作品常連の二人も参加することです。歌舞伎俳優と演劇俳優が融合する、まさに三谷かぶきならではのキャスティングとなっています。

作品のストーリーと見どころ

『歌舞伎絶対続魂』の舞台は、伊勢の芝居小屋・蓬莱座です。物語は、狂言作者の花桐冬五郎と座元の藤川半蔵が、人形浄瑠璃で人気を博した「義経千本桜」を、山本小平次出演の歌舞伎として上演しようとするところから始まります。しかし、この上演をめぐって次々と大騒動が巻き起こり、舞台人たちは様々な困難に立ち向かうことになります。

舞台人の矜持を描く極上の喜劇

この作品の核心にあるのは、”舞台は一度幕を開けたらその幕は降ろしてはならない”という舞台人の思いです。どんな困難が起きても、観客のために舞台を続けなければならないという、舞台人の気概と奮闘が胸に迫る内容となっています。三谷幸喜ならではの巧みな脚本と演出により、笑いの中にも舞台芸術への深い愛情が込められた作品として、多くの人々の心を打つことでしょう。

ティザービジュアルが公開

10月14日には、本作のティザービジュアルが解禁されました。公開されたビジュアルには、狂言作者花桐冬五郎役の松本幸四郎、座元藤川半蔵役の片岡愛之助、山本小平太役の中村獅童の3人がキリリと並ぶ姿が捉えられています。3人の凛々しい表情からは、作品への意気込みと、歌舞伎版として生まれ変わる『ショウ・マスト・ゴー・オン』への期待が感じられます。

中村獅童の役柄と意気込み

中村獅童が演じる山本小平太は、物語の重要な役割を担うキャラクターです。獅童は三谷作品との縁も深く、舞台「江戸は燃えているか」への出演経験もあります。今回の三谷かぶきへの出演について、獅童は「三谷幸喜先生作・演出三谷かぶき『歌舞伎絶対続魂(ショウ・マスト・ゴー・オン)~幕を閉めるな~』に山本小平太役にて獅童が出演させていただきます」とコメントしており、作品への期待と熱意が伝わってきます。

イヤホンガイドの特別放送も決定

公演をより深く楽しむために、イヤホンガイドによる『歌舞伎絶対続魂(ショウ・マスト・ゴー・オン)』の特別放送も実施されることが発表されています。歌舞伎に馴染みのない観客でも、イヤホンガイドの解説を聞きながら作品を鑑賞することで、三谷かぶきの魅力をより深く理解することができるでしょう。

松竹創業百三十周年記念公演

今回の「吉例顔見世大歌舞伎」は、松竹創業百三十周年を記念する特別な公演でもあります。夜の部では、一演目目に『當年祝春駒』が上演され、二演目目として本作『歌舞伎絶対続魂』が上演される予定です。歴史ある歌舞伎座で、伝統と革新が融合した三谷かぶきを鑑賞できる貴重な機会となっています。

公演詳細とチケット情報

公演は、2025年11月2日(日)から26日(水)まで、東京・歌舞伎座で開催されます。チケットは好評販売中となっており、演劇ファンや歌舞伎ファンから高い関心が寄せられています。前作『月光露針路日本 風雲児たち』が大好評を博したことから、今回も早期の完売が予想されます。

三谷かぶきの魅力

三谷かぶきの最大の魅力は、伝統的な歌舞伎の様式美と、現代的なエンタテインメント性を見事に融合させている点にあります。三谷幸喜の巧みな脚本は、歌舞伎に精通した観客はもちろん、歌舞伎初心者でも楽しめる作りとなっており、幅広い層の観客を魅了してきました。

舞台芸術への深い愛情

『歌舞伎絶対続魂』の原作である『ショウ・マスト・ゴー・オン』は、舞台人の矜持と舞台芸術への愛情を描いた作品です。この作品を歌舞伎化することで、歌舞伎という伝統芸能そのものへの敬意と愛情が、より一層際立つことになるでしょう。舞台は続けなければならないという信念を貫く舞台人たちの姿は、観客の心に深い感動を与えることが期待されます。

期待高まる11月の本公演

松本幸四郎、片岡愛之助、中村獅童という実力派トリオを中心とした豪華キャスト、三谷幸喜の練り上げられた脚本と演出、そして歌舞伎という伝統芸能との融合。これらすべての要素が揃った『歌舞伎絶対続魂(ショウ・マスト・ゴー・オン)~幕を閉めるな~』は、2025年11月の演劇界における最大の話題作となることは間違いありません。

舞台人の気概と奮闘を描いた極上の喜劇が、歌舞伎という形でどのように表現されるのか。三谷かぶき第二弾として、前作を超える感動と笑いを届けてくれることを、多くのファンが心待ちにしています。11月の歌舞伎座で、この歴史的な公演をぜひご覧ください。

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