山川穂高「CS男」として挑む2025ホークス~苦悩と決意、ファンへ示す主砲の矜持
2025年秋、福岡ソフトバンクホークス「主砲」としての矜持
2025年10月、クライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージに挑む福岡ソフトバンクホークス。中でも注目されるのが、山川穂高選手です。
「CS男」の異名を持つ彼が、昨季のファイナルMVPとして再び輝きを放つ準備を着々と進めています。
山川穂高のプロフィール
- 生年月日:1991年11月23日(33歳)
- 出身地:沖縄県
- 身長・体重:177cm/114kg
- 投打:右投げ右打ち
- ポジション:内野手
- 経歴:中部商高-富士大-埼玉西武ライオンズ-福岡ソフトバンクホークス
- ドラフト:2013年 ドラフト2位
社会人野球を経てプロとなった山川選手は、西武時代から「ホームラン王」や「打点王」など数々のタイトルを獲得。ソフトバンク移籍初年度(2024年)で本塁打王と打点王の二冠を獲得し、チームのリーグ優勝とCS制覇に大きく貢献しました。
2025年シーズンは苦悩と挑戦の連続
2025年シーズン、ファンの期待を背負って4番として開幕を迎えた山川選手。最初から思うような成績を残せず、打率は.226、本塁打23本、打点62という数字にとどまりました。
特に春先から調子が上がらず、6月にはプロ入り後初の一軍登録抹消も経験。その後丸刈りにして気持ちを新たに復帰しましたが、安定した状態を取り戻せないままシーズンを終えました。
一方で7月になると徐々に調子が上向き、首位攻防戦での貴重な3点本塁打や、グランドスラム(満塁本塁打)など、要所でチームを救うプレーを披露。幾度となく自らと向き合い、苦しむ中でも強い責任感と覚悟を見せてきました。
「準備」に苦しみ抜いた1年、それでも前へ
昨季の活躍と今季の苦悩。山川穂高は「準備の甘さ」を自らの課題と位置付けました。
「今年は成績が低迷してるってなっていますけど、僕からしたら去年もダメなんで。全然ダメだったんで。来年は……」。
インタビューで振り返った際、彼の胸の内には悔しさと同時に、次への強い意志がうかがえました。
打てない時も言い訳せず、自分のプレーへの責任を真摯に受け止める姿勢が、チームメイトや若手にも好影響を与えています。
「華やかな結果の背後には、一人の野球人としての並々ならぬ覚悟や苦悩がある」――それを体現し続ける山川選手の姿は、多くのファンの共感と尊敬を集めます。
若手への「提言」とチームリーダーとしての自覚
秋季のみやざきフェニックス・リーグでは、今宮健太選手とともに若手選手へ「物足りなさはあります」と厳しい言葉をかける場面も。
これは単なるダメ出しではなく、現状への危機感と「もっと上を目指そう」とする強い思いの表れです。
ベテランとしてチームを鼓舞し、若手の底上げに尽力する姿勢が、多くのメディアやファンの間で評価されています。
CSに向けた「準備万端」の山川
CS開幕前の記者会見では、山川選手自ら「今の段階としてはいいと思う」とコンディションの良さを語りました。みやざきフェニックス・リーグでの調整も順調に終え、いよいよ「CS男」として本領発揮が期待されています。
彼は昨年のファイナルステージでMVPという輝かしい実績を残しました。今季も決して順風満帆ではありませんでしたが、不調から這い上がり、ここ一番で結果を出す勝負強さは健在です。
苦しみと歓喜、その狭間で
ホークスが2年連続のリーグ優勝を決めた試合。歓喜に沸く輪の中心で、山川の表情はどこか硬さが残っていました。
手荒い祝福に大きな笑顔はなかったものの、主砲としての責任感と課題を見据える厳しい眼差しが印象的でした。
周囲の期待、タイトルの重圧、そして結果への欲求――山川穂高選手は今、「結果を出しながらも新しい自分を作る」途上にいます。
ファンが期待する「一発」とリーダーの一振り
山川選手の魅力といえば、やはり「一振りで試合を決める」豪快なホームランです。
シーズンでも要所で満塁本塁打など大きな舞台での「勝負強さ」を見せつけてきました。今季は苦しみ抜いたものの、再び短期決戦の舞台で山川が躍動する瞬間を、多くのファンが心待ちにしています。
また、普段から自他共に厳しく接し、若手選手たちにも高い意識を求めるリーダーでもあります。きわめて謙虚で、どんな時もチームのために全力を尽くす姿勢が、自然とチームのモチベーションを引き上げています。
今季を振り返って~山川穂高の2025年成績
- 打率:.226
- 試合数:130
- 安打:100
- 本塁打:23
- 打点:62
- 満塁本塁打(グランドスラム):3本(同一チームから3本は史上4人目)
数字だけでなく、その内容にも山川穂高という選手の「波乱万丈」なシーズンが色濃く刻まれています。
チームへの思い、そして未来へ
プロ野球は数字だけでは語れない世界です。山川穂高選手の2025年シーズンは、決して納得のいく結果には終わりませんでした。しかし「自分に足りないものを探し続け、決して諦めない姿勢」にこそ、彼の真価が表れています。
ファンは、悩み苦しむ姿も含めて、山川選手の野球人生を応援し続けています。チームの大黒柱として、また人間的な魅力あふれるリーダーとして、今後も福岡ソフトバンクホークスに欠かせない存在であり続けるでしょう。
最後に~「CS男」山川穂高の一振りに託すホークスの未来
短期決戦のクライマックスシリーズで、これまで何度もチームを救ってきた「一発」――。
ファンも首脳陣も、そして本人も、その瞬間を信じて準備を重ねてきました。
栄光と苦悩を背負い、2025年秋。再び「CS男」としての山川穂高に、大きな期待が寄せられています。