トランプ氏「指先介入」でダウ急反発―米中貿易戦争の行方と市場の動き【2025年10月13日】

2025年10月13日、ブルームバーグ他各種報道によると、前週まで大きく下落していたニューヨークダウ工業株30種平均(NYダウ)が、6営業日ぶりに大幅反発しました。値上がり幅は587ドルに達し、金融市場の注目を集めています。この背景には、トランプ前大統領がSNS上で行った短文投稿、いわゆる「指先介入」が決定的な影響を与えたとみられています。また、米中両政府が従来の強硬姿勢を緩和し、柔軟な姿勢を示し始めたことも、投資家の間でリスク選好を高めた一因となっています。本記事では、今回の急反発の背景や今後の市場動向について、初心者にもわかりやすく解説します。

NYダウが6日ぶりに大幅反発―587ドル高の理由は?

  • NYダウは前営業日比587ドル高(約1.7%の上昇)
  • 米中貿易交渉の進展期待で投資家心理が改善
  • 円相場にも影響、円安傾向が再開

10月13日のニューヨーク株式市場は、開場直後から買いが先行しました。背景には、ここ最近続いていた米中間の摩擦が緩和へ向かう期待、そしてトランプ氏のインパクトあるSNS投稿が市場心理を大きく後押ししたことが挙げられます。ブルームバーグほか各種報道でも、今回の反発について「トランプ氏の指先介入が決定打だった」と伝えられています。

トランプ氏による「指先介入」とは何か?

「指先介入」とは、政治家や著名人がSNSやX(旧Twitter)などで短文発信を行い、それが直接的に市場価格や投資家心理に影響を与える現象を指します。特にトランプ前大統領は、在任中から頻繁にツイートしたことで知られており、株式市場・為替市場の動向を左右することも珍しくありませんでした。今回も、
ダウの反発の直前にトランプ氏が「米中のディールは可能だ」という趣旨の投稿を行ったことで投資家心理が好転し、一気にリスク選好ムードが広がったと見られています。

遠のく貿易戦争、米中の“柔軟姿勢”が転機に

  • 米国政府は外交当局者レベルで中国側と追加協議を進める姿勢
  • 中国側も一部関税の撤廃や輸入拡大に柔軟姿勢を示唆
  • 双方からの歩み寄りがグローバル市場の安心材料に

米中両国はこれまで、関税の追加や技術流出監視といった強硬措置を打ち出す一方、相手国に対する非難合戦を繰り広げ、「貿易戦争」が激化していました。しかし、ここへ来て米国側は交渉継続の意志を強調し、中国側も「ウィンウィンの関係構築」をほのめかすようになっています。両国政府は今週中にも追加会談を行い、部分合意を再び目指すとの観測も広がっています。

“TACO”再び―市場で注目される投資テーマ

今回の急反発を受け、「TACO」という投資テーマが復活するのでは、との見方も浮上しています。TACOとは、Technology(テクノロジー)・Automobile(自動車)・Consumer(消費)・Oil(石油)の略であり、米国景気の牽引役となる分野です。米中摩擦が緩和されれば、これらの産業が再び力強く成長しやすいとの思惑から、関連銘柄にも買い注文が集まる場面が見られました。

為替市場への影響と円売り再開

米中関係改善への期待が高まる中、為替市場ではリスク回避姿勢が後退し、円安傾向が強まっています。円は1ドル=148円台後半まで下落。特に米国株の反発に合わせて、欧州勢やアジア勢からもリスク資産への資金流入が増加し、グローバルマネーの流れが変化しつつあります。投資家の間では、「これ以上の米中摩擦激化の可能性は低い」と見る声も広がっており、今後も円売り圧力が続く可能性があります。

短期・中長期の市場見通しは?

  • 好材料が続けば年末ラリーへの期待も高まる
  • 一方、米中交渉が決裂した場合のリスクにも注意必要
  • 金融政策・経済指標発表にも引き続き注目

市場関係者の多くは、今回の米中間の雪解けムードを機に、株式市場が落ち着きを取り戻すのではと期待しています。特にNYダウが3万7000ドル台の節目を明確に上抜ければ、「年末ラリー」へと繋がる可能性も指摘されています。しかし、米中交渉の進展が暗礁に乗り上げたり、米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策転換など、新たなリスク要因が浮上した場合には、再び相場が変動することも想定しておく必要があります。

投資家・個人へのアドバイス

  • ニュースやSNSだけで売買判断せず、信頼できる情報を見極める
  • 米中間の動向だけでなく、内外金利や企業業績にも注目
  • 為替・株価のボラティリティ(変動率)が高まっているため慎重な運用が大切

トランプ氏のように影響力のある人物の発信一つで相場が大きく動く例が増えています。しかし、短期的な値動きに振り回されることなく、自分なりの投資方針やリスク管理をしっかり持つことが重要です。特に、外国為替や米国株式などグローバル市場に投資している方は、複数のニュースソースや専門家の分析を活用し、冷静な視点を保つよう心がけましょう。また、今後の経済指標や企業決算にも引き続き注目が集まります。

まとめ―市場は「トランプ効果」と貿易摩擦緩和に期待

2025年10月13日のNYダウの急反発は、トランプ氏のSNS上での「指先介入」と、米中双方の柔軟な姿勢が重なった絶妙なタイミングで起こりました。グローバル市場は依然、不透明感も残していますが、合意形成に向けた外交努力が進めば、リスク資産への資金流入が続く可能性も高まります。個人投資家としては、一時の楽観だけに流されず、多角的な視点を持ちながら今後の動きを見守ることが重要でしょう。

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