鉄道とともに未来へ!「第32回鉄道フェスティバル2025」開催レポート

2025年10月11日(土)・12日(日)の二日間、東京・お台場イーストプロムナードの「石と光の広場」と「花の広場」を舞台に、第32回鉄道フェスティバルが盛大に開催されました。国土交通省鉄道局や全国の鉄道会社、関連企業が一堂に会し、家族連れや鉄道ファンはもちろん、鉄道にあまり馴染みのない人も楽しめる多彩な催しが行われ、例年以上の盛り上がりを見せました。毎年「鉄道の日」(10月14日)を記念して開かれる本イベント、その最新情報と魅力を分かりやすくご紹介します。
(開催日時:2025年10月11日・12日 10:00~17:00 / 場所:お台場イーストプロムナード)

鉄道フェスティバルの概要とアクセス

  • 主催:「鉄道の日」実行委員会
  • 後援:全国知事会、全国市長会、全国町村会、一般社団法人東京臨海副都心まちづくり協議会
  • 会場:石と光の広場、花の広場(お台場イーストプロムナード)
  • アクセス:りんかい線「国際展示場駅」徒歩1分、ゆりかもめ「有明駅」徒歩3分、「東京ビッグサイト駅」徒歩5分(専用駐車場なし、公共交通機関推奨)
  • 開催時間:10:00~17:00
  • 入場無料

会場は都心からアクセス抜群。開場前から多くの来場者が列をなす、人気ぶりでした。荒天時のみ中止となりましたが、今年は天候にも恵まれ、屋外の心地よい空気の中、老若男女問わず多くの人が集まりました。

話題の出展―駅スタンプアプリ「エキタグ」体験コーナー

今年の目玉のひとつとして注目を集めたのが、駅スタンプアプリ「エキタグ」の体験・紹介ブースです。鉄道乗車の新たな楽しみ方として近年人気が高まっている「デジタル駅スタンプラリー」。従来の紙やインクに代わり、スマートフォン上で手軽にスタンプを収集できるアプリ「エキタグ」は、JR東日本企画が開発・提供しています。
ブースでは、実際のエキタグ体験コーナーが設けられ、スマホでデジタルスタンプを集める様子を実演。“列車旅がもっと楽しくなる”エキタグが、家族連れや若年層へも幅広くアピールされていました。アプリの使い方や新機能の案内だけでなく、未体験の方でも気軽に試せるワークショップや限定スタンプ配布もあり、会場は熱気に包まれました。

阿佐海岸鉄道「DMV車両」展示 ― 世界でも珍しい陸と海の二刀流!

地方鉄道の新たな取り組みとして全国的にも話題を呼んでいる阿佐海岸鉄道は、本イベントで特別にDMV(デュアル・モード・ビークル)車両を出展・展示しました。DMVは、線路と道路の両方を走ることができる画期的な車両で、日本でも数少ない導入例です。
会場には実物のDMV車両が登場。専門スタッフによる構造説明や先進技術ワークショップ、車体の乗車体験など子ども達の行列が絶えず、たくさんの歓声があがりました。また「陸と海とで走れる未来の鉄道」について、阿佐海岸鉄道のスタッフが直々に紹介し、会場が大いに盛り上がりました。

鉄道会社・企業ブースが大集合

イベント会場には全国各地の鉄道会社や協賛企業が多数出展し、各社のブースでは以下のような盛りだくさんの企画が展開されました。

  • 限定グッズや鉄道関連商品の販売
  • 制服試着やキッズ向け撮影スポット
  • 運転シミュレーター&体験教室
  • 車両部品やサボ、記念きっぷ展示
  • 歴史パネル展示や地域観光PRコーナー
  • 鉄道やまちづくりに関するクイズ・ゲーム

各地のレアグッズや企画商品は開場と同時に長い列ができるほどの人気ぶり。特にお子様連れには制服記念撮影や列車運転体験が大好評で、小さな鉄道ファンが目を輝かせる光景があちこちで見られました。

ご家族で楽しめる体験イベントも充実

大規模イベントならではのファミリー向け体験企画も用意されています。子どもはもちろん大人も安心して楽しめる内容で、交通マナーや安全教室のコーナーも。近年重視されているバリアフリーや多様な交通手段の紹介、鉄道を通じた地域活性の取り組みなど、学びと楽しさを両立させた催しが目立ちました。

最新技術・SDGsへの取り組み紹介

近年、鉄道業界でもデジタル化や省エネ・脱炭素といった社会的課題への対応が進められています。本フェスティバルでも、最新の安全システム、IoT技術、自動運転、太陽光活用といった先進技術が各ブースで分かりやすく披露されました。また、鉄道の利用促進や地域経済への波及効果、バリアフリー推進の紹介など、SDGs(持続可能な開発目標)視点からも鉄道の役割がクローズアップされています。

鉄道ファンをうならせる特別展示や実演も

会場では各地の鉄道関連団体やNPO、鉄道模型クラブ等によるジオラマ展示、プラレールの巨大コース実演、映画やアニメとのタイアップブースなど、鉄道カルチャーとファンの熱気が融合した華やかな企画が盛りだくさん。トークショーやステージプログラムも多数用意され、著名運転士や歴史家による講演、親子で学べるミニセミナーなども開かれました。

周辺イベント・他地域の鉄道祭りとの連携

鉄道フェスティバル本会場の熱気は、東京のみならず全国各地の鉄道イベントへも波及しています。関西では「鉄道フェスティバル2025 in ルクア大阪」や、近畿日本鉄道・近江鉄道による祭典なども同時期に開催され、各地で鉄道愛好家と家族連れが一体となって楽しむ光景が増えています。イベント同士の連携や情報交換がますます活発になり、鉄道愛が日本各地に広がりました。

イベントを支えたスタッフ・運営の工夫

会場運営スタッフによるきめ細やかな対応、分かりやすい案内表示や安全誘導、迷子対応など、家族連れや高齢者も安心して参加できる工夫が随所に見られました。開催運営にはJR職員を始め、鉄道ファンボランティアや地域の学生たちも多数参加し、来場者のおもてなしに力を注いでいたのが印象的です。

来場者の感想・鉄道の魅力とは

「いつも乗っている電車の裏側が見られて面白かった」「運転シミュレーターが大迫力で憧れの運転士気分を味わえた」「エキタグのスタンプ集めが意外とハマる!」「小学生の息子がDMV車両に夢中で、将来は運転士になりたいと言っています」といった声が多数寄せられていました。鉄道が単なる“移動手段”にとどまらず、人とまち、未来と今をつなげる存在であることを改めて感じられる二日間となりました。

おわりに ― 鉄道フェスティバルが目指すもの

今年も盛況のうちに幕を閉じた「第32回鉄道フェスティバル2025」。国内最大級の公共交通系イベントとして、鉄道の新しい楽しみ方や技術進化、地域活性化の重要性を伝える場となりました。世代や地域を超えて人を結び付ける鉄道の力、ご家族や友人と“鉄道の魅力”を再発見できる機会となりました。2026年の開催にも、今から期待が高まります。

参考元