ALDS第5戦、マリナーズの希望を託されたジョージ・カービー――勝負の舞台裏と両軍の思惑
マリナーズ、21世紀初のリーグ優勝決定シリーズ進出へ――大一番の先発を託されたジョージ・カービー
2025年10月10日、MLBア・リーグディビジョンシリーズ(ALDS)第5戦を迎えるシアトル・マリナーズ。1勝1敗で始まったこのシリーズは、先にデトロイト・タイガースが2勝1敗と王手をかける展開となりましたが、マリナーズも死力を尽くして追い付き、決戦の第5戦は本拠地T-Mobileパークで行われます。
そんな緊張感高まる一戦でマリナーズの先発を任されたのが、右腕ジョージ・カービー。彼は今季も安定感ある投球でチームの信頼を集め、シリーズ初戦にも登板している選手です。
- ALDS第5戦は「勝者総取り」の一発勝負。
- マリナーズにとっては2001年以来となるリーグ優勝決定シリーズ進出がかかる歴史的な試合。
- カービーは今年の第1戦で2失点の粘投を披露、過去の大舞台でも強心臓ぶりが評価される。
緊張の舞台、対戦相手はサイ・ヤング賞腕タリク・スクーバル
第5戦の対戦相手、デトロイト・タイガースの先発は昨年ア・リーグサイ・ヤング賞受賞のタリク・スクーバル投手に決定。シリーズ第2戦でも7回を2失点に抑え、シアトル打線を大いに苦しめたものの、今季マリナーズ打線はスクーバルの登板時3試合すべてで勝利している点は大きな自信材料です。スクーバルに対しては直球狙いの強気な攻撃が奏功していると分析されています。
- スクーバルは第2戦で2本塁打を許し、7回3失点も黒星。
- マリナーズはシーズンを通じてスクーバルの登板時、3戦全勝(平均防御率4.58と彼本来の数字より悪い)。
- 「これまでにも彼から点を取れているから、もう1回やれる」とウィルソン監督も自信を見せる。
カービーの決意「全力でぶつかるだけ」、過去の大一番でも輝いた右腕
プロデビュー以来、その制球力と落ち着きで評価を高めてきたカービー。2025年のレギュラーシーズンでは10勝8敗、防御率4.21、奪三振137を記録し、WHIP(1イニングあたり何人の走者を出したかの指標)はリーグでも上位の1.19と、安定した数字を残しています。
特筆すべきはポストシーズンでの勝負強さ。2022年の地区シリーズ第3戦、ヒューストン・アストロズを相手に7回無失点の快投を見せ、名勝負男ぶりを全国に印象づけました。今シリーズ第1戦でもデトロイト打線を相手に粘投し、2失点にとどめています。
試合前インタビューでカービーは「再びこの舞台でボールを託されて本当に嬉しい。全てを出し切るつもりだ」と力強く語っています。
シリーズの重圧については「選手たちはプレッシャーの中でこそ本当の実力を発揮する。みんな状況を理解していて、自分の役割を全うするだけ」と語るウィルソン監督。日頃から緊張感のある場面を数多く経験してきたマリナーズナインだけに、逆境にも強いチームであることが伝わってきます。
投手陣総動員、控える有力投手の存在
マリナーズはカービーが先発するものの、勝負の第5戦ゆえ、複数の先発経験投手がリリーフとして待機する万全の体制で臨みます。長い試合展開や突発的な事態に備え、複数の先発級右腕・左腕が準備されているとの報道も。全員が「勝つために」その日最善を尽くす覚悟です。
- ALDSの大一番は、先発投手が不調の場合や打者の巡りによって柔軟な継投策が重要。
- 2023年以降のポストシーズンでは、先発投手を複数投入して試合を制する事例が増加傾向。
デトロイト・タイガースにも「第5戦のカギ」ルーキー右腕トロイ・メルトンが志願登板
まな板の上の鯉という状況に追い込まれたタイガース。しかし、今シリーズで一躍注目となったのがルーキー右腕トロイ・メルトンです。要所で好投を見せ続ける彼は「第5戦でも投げたい」と強い意欲を表明。その実力と勢いで、チームの切り札的存在となっています。
- メルトンは今シリーズ中、勝負所で好リリーフを見せ逆転の流れにつなげるなど、存在感が増している。
- 「ブルペンですべてを準備している。必要とあればいつでも出ていく」とコメント。
過去の因縁と、進化する両軍――栄光へのラストイニングが始まる
今回のALDSは両軍にとって大きな意味を持ちます。
マリナーズは2001年以来のリーグ優勝決定進出、そして悲願のワールドシリーズ進出へ。昨年、あと一歩でALCS進出を逃したタイガースも、“今度こそ”の強い思いを胸に戦いに挑みます。
記録にも残る名勝負が期待される大一番――。カービーの気迫、スクーバルの威圧感、新星メルトンの躍動。それぞれの想いと責任が、熱い10月の夜、T-Mobileパークで激突します。
まとめ:ジョージ・カービーに託された夢
- ALDS第5戦は両チーム総力戦、マリナーズはジョージ・カービーが先発し大一番に挑む。
- スクーバルに強い自信を持つ打線、柔軟な投手継投策で勝機を狙う。
- タイガースもルーキーメルトンを含め多彩な投手布陣で応戦。
- 試合の行方は両チームの死力を尽くした最後のイニングへ――。
この試合は、2025年シーズンを象徴する名勝負として記憶されることでしょう。最後のひと振り、ひと球に込められた両軍の想いが、野球ファンの心を熱くさせます。
マリナーズ、そしてカービーの勇姿に注目が集まります。