富士スピードウェイで初開催!第36回メディア対抗ロードスター耐久レースと「クルマ愛」の物語
はじめに
2025年10月4日、富士スピードウェイで自動車ファンの熱気に包まれる一大イベントが開催されました。それが「第36回メディア対抗ロードスター耐久レース(通称:メデ耐)」です。今年は筑波サーキットからの会場変更、雨天による厳しいコンディションなど、新たな挑戦が詰まった大会となりました。そして、同時開催された「MAZDA FAN FESTA 2025 at FUJI SPEEDWAY」には、レースに臨むプロフェッショナルや、伝説の愛車との再会を果たした80歳女性オーナー、最新車種MX-30 R-EVの開発者による参戦など、多彩なストーリーが彩りを添えました。
第36回メディア対抗ロードスター耐久レースを富士で初開催
これまで35回は筑波サーキットで4時間耐久の形で親しまれてきたこの大会ですが、36回目となる今回は舞台を富士スピードウェイへと移し、大きな変革を迎えることとなりました。レース時間は3時間へ短縮され、途中給油なしの新ルールとなり、参加各チームがこれまで培ったノウハウをそのまま活かせない厳しい環境下で競いました。
大会は雨模様で始まる難しいコンディション。滑りやすい路面、視界不良、計算外のトラブルなど、多くの課題が参加者を待ち構えていました。各チームは自身の経験と走りの技術を駆使して、完走を目指しました。
- 開催日時:2025年10月4日(土)15:00–18:00
- 場所:富士スピードウェイ
- 主催:富士スピードウェイ株式会社
- 特別協賛:マツダ株式会社
- 参加:自動車関連メディア21チーム
- 雨天決行
今回から大会名も「メディア対抗ロードスター耐久レース」から、めでたい語感の「メデ耐」へと親しみやすく変更されました。
競技車両はマツダ「ロードスター」のみを使用し、各メディアの編集者やジャーナリストが自ら運転に挑みます。レースは「走る歓び」を体現する場だけでなく、情報発信の最前線で活躍する彼らが自身の経験を通じてクルマ文化の魅力を広げる場でもあります。
Car Watchチーム、雨中で12位完走の快挙
今回注目されたのは、Car Watchチームの挑戦です。チームは富士スピードウェイのタフな3時間耐久に臨み、雨によるコンディション不良にも粘り強さを発揮。慣れないコース変更や無給油ルールを乗り越え、全体12位で完走という成果を収めました。観客との交流も印象的で、競技中には応援のプラカードを持つ観客がチームにエールを送り、その温かい雰囲気が伝わってきました。
車好きの夢・伝説のRX-7、80歳の女性オーナー西本さんのサプライズ再会
マツダファンフェスタのもう一つの大きな話題は80歳女性オーナー西本さんのサーキットでの愛車RX-7再会です。自動車好きの間で「伝説」とまで謳われるRX-7の元オーナーである西本さんは、長年の愛車とのエピソードでSNSなどを通じ多くのファンを魅了してきました。
今回、マツダからのサプライズ企画により富士スピードウェイでRX-7と再会。愛車の隣で「本当に夢のよう」と涙ぐむ姿は、自動車を単なる移動手段ではなく「人生のパートナー」と捉えてきた西本さんならではの温かな物語を感じさせます。大勢の来場者や取材陣の拍手の中、彼女の思い出話や歴代の愛車への想いが語られました。
自動車好き界隈ではこの出来事が「夢と誇り」に満ちた象徴的な瞬間として多くの人に共有されています。
未来への挑戦・MX-30 R-EV開発者チームの参戦
また、今年のメデ耐にはマツダ「MX-30 R-EV」の開発者チームも参戦。自動車開発の最前線に立つエンジニアたちが直接ハンドルを握り、レースでの実地体験を通じて車の魅力や性能だけでなく、ロードスター文化への理解と発信を目指しました。
MAZDA FAN FESTAの2日間プログラムとして行われた本大会では初日は1万1140名、2日目は9923名もの来場者を記録し、多くのファンや開発関係者、老若男女が本物のクルマづくり、そしてクルマと人との絆の奥深さを体感しました。
- MAZDA FAN FESTA内の公式コンテンツとしてメデ耐が位置付け
- 自動車メーカーを超えた交流も活発化
- 開発者による参戦で技術展示、現場の声の発信、ファンとの交流強化
協力と支え合い〜企業・業界・メディアの垣根を超えて
今回のイベントでは、自動車メーカーや関連産業だけでなく、多彩なメディア、協賛企業が協力体制を構築。PTCジャパン株式会社は自動車誌『CAR and DRIVER』チームをサポートし、自動車業界のデジタル変革(DX)を推進する立場から、業界の未来やクルマの楽しみ方をバックアップしています。
それぞれのチームが「クルマのある人生」の喜びや、走る歓び、モータースポーツ文化の発展を願い、富士スピードウェイに集ったのです。
雨の中で見えた「新時代のメディア対抗耐久レース」の姿
雨の富士スピードウェイ――過酷なコンディションの中で、技術・経験・熱意がぶつかり合う貴重な大会となりました。
観客はピットやスタンドからエールを送り、マツダロードスターの軽快な走りを体感。会場には、初代ロードスター誕生からの歴史展示や、カーボンニュートラル燃料の取り組み紹介など、次世代の技術やサステナビリティへの興味を引く企画も揃いました。
そして何より、クルマ好きが年齢や性別、職業を超えて一堂に会し、同じ時間を共有する――新時代のメディア対抗耐久レースは、さらなる発展への期待を大きく膨らませる絶好のスタートとなりました。
さいごに
2025年、第36回メディア対抗ロードスター耐久レースおよびMAZDA FAN FESTAは、自動車文化と人の想いが融合する唯一無二の空間でした。
歴史を積み重ねてきた大会は新たな舞台「富士スピードウェイ」でより広がりを見せ、老舗メディアから若手エンジニア、伝説のオーナーまで、さまざまな立場の人々が「走る歓び」「クルマと生きる喜び」を感じ、未来へと繋いでいく場となりました。
来場者、参加者、関係者すべてが「忘れられない秋の日」として心に刻んだことでしょう。