カッレ・ロバンペラ、ラリー界からサーキットへ――WRC引退と2026年スーパーフォーミュラ参戦発表

TOYOTA GAZOO Racingは2025年10月9日、同チームに所属するフィンランド出身のラリー界のスターカッレ・ロバンペラ選手(現在24歳)が、今季限りで世界ラリー選手権(WRC)を引退し、2026年から日本最高峰のフォーミュラカーレース「全日本スーパーフォーミュラ選手権」へ電撃参戦することを正式に発表しました。

華々しい戦績を残したラリー人生に一区切り

ロバンペラ選手は2020年にWRCにフル参戦を開始。2021年には初のWRC優勝を飾り、翌2022年と2023年には2年連続世界チャンピオンの栄光を手にしました。2025年シーズンも3度目の王座獲得を目指し奮闘しており、その走りは多くのファンを魅了し続けています。

  • 2020年:WRCフル参戦スタート
  • 2021年:WRC初勝利達成
  • 2022年・2023年:WRC年間チャンピオン
  • 2025年:3度目のチャンピオンに挑戦中

「今回の決断は簡単ではありませんでしたが、しばらくの間自分の中で考えていたことです」と会見で語ったロバンペラ選手。今シーズン終了後はWRCの頂点で幕を下ろし、新たなチャレンジへ進みます。

WRCからスーパーフォーミュラへ――新たな舞台への挑戦

ロバンペラ選手は国際的なラリーで頂点を極めた後、スーパーフォーミュラという国内外で高い評価を受けるフォーミュラカーシリーズへの参戦を決めました。2026年からスタートする新しいチャレンジに、TOYOTA GAZOO Racingが全面的にバックアップします。

同シリーズは欧州のトップカテゴリーとも肩を並べる高性能マシンと、世界レベルのレース環境で知られています。これまでもセバスチャン・オジェ、セバスチャン・ローブなど世界的なラリースターがF1のテストに挑み、別カテゴリへの転向例も注目を集めました。

ロバンペラ選手は過去にフォーミュラ・ドリフト・ジャパンやポルシェ・カレラカップにも参戦し、サーキットレースでの高い適応力を披露してきました。特に2024年11月には、レッドブルリンクでF1マシン「レッドブルRB8」をドライブし、そのパフォーマンスが話題となりました。

チーム代表とロバンペラ本人のコメント

  • カッレ・ロバンペラ選手のコメント:
    「次の夢や挑戦を追いかけることは、私にとって正しい選択です。ラリーで多くの成功と素晴らしい経験を重ねてきましたが、新たなモータースポーツの領域に身を投じ、さらに成長したいという想いをずっと持っていました。TOYOTA GAZOO Racingやファンの方々の期待に応えるべく、全力で取り組みます」
  • チーム代表(ヤリ-マティ・ラトバラ)のコメント:
    「これまでカッレとヨンネはチームに大きく貢献してきました。残り3戦、ラリーでキャリアをワールドチャンピオンとして締めくくることをチーム一同願っています。彼がいなくなることは寂しいですが、才能ある若手ドライバーの育成にも力を入れ、2026年以降も強いドライバーラインナップで挑めると自信を持っています」

ファンとモータースポーツ界への影響

世界ラリー選手権で2度のタイトルを手にした若き天才ドライバーの異例の進路選択は、ファンや関係者に大きな衝撃を与えています。WRCはもちろん、その卓越した才能をサーキットという新たな舞台でどう発揮するのか、今後の動向に世界中のモータースポーツファンが注目しています。

TOYOTA GAZOO Racingはこれまでもトップレベルの国内外ラリードライバーの育成と発掘に取り組んできました。今後は、既存のドライバーラインナップとともに、次世代スターの台頭も期待されます。

スーパーフォーミュラとは――国内最高峰のフォーミュラカーシリーズ

スーパーフォーミュラは国内最高峰のフォーミュラカーレースで、世界で最も速いワンメイク・フォーミュラカーと称されることもあります。
特長として、レース中の戦略性やタイヤマネジメント、世界レベルのドライビング技術が求められます。欧州各国からの注目も高く、国際的な注目度も年々高まっています。

今後の展望――ラリー界の英雄から世界のレーススターへ

WRCで数々の偉業を達成したカッレ・ロバンペラ選手が、2026年からは日本のスーパーフォーミュラで新たな伝説を作り出すのか、大きな期待が寄せられています。
また、「ラリードライバーからサーキットレーサー」への転身は、今後モータースポーツ界におけるキャリアの多様性を示す先例となることでしょう。

  • 2025年末:WRCでの現役ラストレース
  • 2026年:スーパーフォーミュラ・デビュー(チームは後日発表予定)
  • TOYOTA GAZOO Racingのサポート体制も強化

まとめ

カッレ・ロバンペラ選手は2025年をもってラリー界の第一線を退き、2026年から新たな舞台として全日本スーパーフォーミュラ選手権へのチャレンジを決断しました。 TOYOTA GAZOO Racingによる全面サポートの下、日本国内外の熱い視線がこの新たな挑戦に注がれています。モータースポーツの新たな歴史がここから始まります――。

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