楽天・辰己涼介選手、ポスティング申請をめぐる波紋──メジャー挑戦の夢と現実

東北楽天ゴールデンイーグルスに所属する辰己涼介選手が、アメリカ・メジャーリーグ移籍を目指して「ポスティングシステム」の申請を球団側に要望したことが明らかとなりました。しかし、球団側は今オフの申請を認めない方針を固めており、この決断を巡って球界やファンの間で大きな議論が巻き起こっています。

ポスティング申請とメジャー挑戦──辰己選手の思い

辰己選手は、2018年のドラフト1位で楽天に入団、以降トップアスリートとして成長を遂げてきました。外野手としてレギュラーに定着し、2024年シーズンには自己最多となる158安打を記録しパ・リーグの最多安打タイトルを獲得、さらにゴールデングラブ賞受賞4度という輝かしい実績も持っています。

かねてより「将来的にメジャーに行きたい」という思いを繰り返し口にし、妻や家族とともにアメリカ生活に向けた準備も行うなど、夢に向かう強い信念を持ってきました。また、国際大会・プレミア12にも日本代表として出場し、海外での経験を積んでいます。

  • 2018年ドラフト1位で楽天に入団
  • 2024年最多安打、ベストナイン、ゴールデングラブ4回受賞
  • 国際大会で3番打者として活躍
  • 2025年オフ、ポスティング申請を球団側に要望

球団側の対応──今オフのメジャー挑戦を容認せず

ポスティングシステムを利用したメジャーリーグ移籍は、球団の同意が不可欠です。しかし、楽天球団は辰己選手の要望を精査した上で、今オフでの申請は認めない方針を発表しました。

今シーズン(2025年)は打撃成績が落ち着き、打率.240、7本塁打、32打点と本人にとってもやや苦しい結果になりましたが、守備や走塁面での貢献は依然として高く評価されています。

球団がポスティング申請を認めなかった理由としては、主力野手である辰己選手の流出による戦力ダウンや、今後のチーム編成への悪影響などが挙げられています。特に外野手としての実力と人気の高さから、ファンや球団にとっても簡単に手放せる存在ではありません。また、ポスティングによる譲渡金のメリットよりも、チーム力維持の方が重要という判断があったようです。

  • 今季成績:打率.240、7本塁打、32打点
  • 球団は今オフのポスティング申請を認めず
  • 理由:主力選手の流出による戦力ダウンへの懸念

ファンや識者の声──ポスティング申請をめぐる賛否

今回の球団側の判断を巡り、ファンや識者の間ではさまざまな意見が噴出しています。ヤフーコメントやSNSなどでは、「選手の夢を応援したい」「海外挑戦を認めるべきだ」という声がある一方、「今季成績からするとメジャー挑戦はまだ早いのでは」「球団側にとってメリットが薄い」という懐疑的な意見も目立ちます。

  • 賛成派:「選手の夢を尊重してほしい」「メジャーで日本の誇りを見せてほしい」
  • 反対派:「今オフの成績で挑戦は時期尚早」「球団のメリットが見えない」
  • 中立派:「国内FA権を利用して移籍が現実的」「本人の成績次第で判断すべき」

特に辰己選手は9月に国内FA権を取得しており、このまま球団に残留する場合は来季以降に国内移籍した場合は「争奪戦」になることが予想されています。ただし、海外FA権の取得は2027年が見込まれているため、それまで球団でのプレーを続ける可能性もあります。

ポスティングシステムとは?

ここで、改めてポスティングシステムについて簡単に解説します。ポスティングシステムは、日本のプロ野球選手が日本球団に所属したまま米大リーグに移籍したい場合、球団の同意を得て申請し、メジャー球団が入札などの交渉を行う制度です。球団には移籍による譲渡金(ポスティングフィー)が支払われます。

  • 球団の同意がないと申請できない
  • 選手と移籍先球団が直接契約交渉する
  • 球団には譲渡金が入るメリットがある
  • 移籍後、元の球団に選手は戻れないというデメリットも

今後の展開は──辰己選手と楽天の進路

辰己選手は、「この先もアメリカ挑戦に向けて準備を続ける決意は揺るがない」と述べており、今後も成績向上やチームへの貢献をアピールしつつ、改めてメジャー移籍のチャンスを伺うものと見られています。球団側としては、来年以降の動向を見ながらドラフト戦略やチーム編成を再考する必要が出てくるでしょう。

  • 辰己選手は今後もメジャー挑戦の意志を維持
  • 2027年の海外FA取得が一つの節目に
  • 球団は後継外野手確保やチームバランス再考が課題

楽天ファン・関係者のコメント

ファンや関係者からは以下のような声が寄せられています。

  • 「今年は打撃で苦しんだけど、守備・走塁はやっぱり一流。この悔しさを来年にぶつけてほしい」
  • 「海外での挑戦を若手の目標にして、チームの活性化につなげてほしい」
  • 「大事な選手だから、ポスティングは慎重に判断してほしい」

球団にとっても辰己選手にとっても大きな岐路に立っている今、楽天・辰己涼介選手の去就から目が離せません。

まとめ──辰己涼介選手の今後に注目

楽天・辰己選手ポスティング制度をめぐる一連の動きは、プロ野球における日本人選手のメジャー挑戦の在り方、そしてチーム編成やファンの気持ちを問う重要なテーマへと発展しています。本人の夢、球団・ファンの期待と現実、その間でどのような結論が導かれるのか、今後も引き続き注目が集まることでしょう。

参考元