古市憲寿出演も話題――青木源太MC『旬感LIVE とれたてっ!』、放送拡大と“関東進出”が生む現場の熱気と苦悩
『旬感LIVE とれたてっ!』――その誕生と進化
2023年10月に関西テレビでスタートした情報番組『旬感LIVE とれたてっ!』は、関西独自の“熱いトーク”と生放送ならではの臨場感を武器に、視聴者の暮らしに寄り添ってきました。MCを務めるのはフリーアナウンサーの青木源太さん。その進行のもと、個性豊かなレギュラー陣が生活情報から社会・経済エンタメニュースまで様々な話題をリアルタイムに伝えています。
この番組は徐々に放送エリアを広げていき、2025年秋には関東地区(フジテレビ)での放送もスタートしました。これにより、全国19局で放送するまでに成長し、その人気と注目度がより一層高まっています。
放送拡大の舞台裏――青木源太アナの意気込み
「より多くの皆さんに番組を見ていただけるのは大きなやりがいにつながります!」と青木源太さんは語ります。彼にとって、関東エリアでの放送となることで責任や期待が増している一方、「エリア拡大はうれしい」と表情を緩ませる場面も。長年築き上げてきた関西での「現場感覚」と多彩な出演者との信頼関係。そのアドバンテージを持って関東での勝負に挑みます。
番組の基本スタイルは変わることなく、「午後2時・3時台に何が起こっているかをしっかりお伝えする」という姿勢を貫いています。生中継と即時性、そして関西色あふれる賑やかで自由なトーク。この「今」が感じられるリアルさは、他にはない番組の魅力です。
“関東進出”の苦闘――2強に挟まれる現状
関東エリアでの放送開始――これは番組にとって大きな挑戦であり、同時に現実的な壁でもありました。同時間帯には『ミヤネ屋』(日本テレビ系)や『ゴゴスマ』(TBS系)という巨大な全国ネットの情報番組が並び、“2強”による激しい視聴率争いが繰り広げられています。
SNSや一部報道で「視聴率はほぼ0%なんでしょ」とネガティブに語られることも……。番組出演者たちもこの状況を自虐的に笑いつつ、「新規参入の難しさ」を肌で感じているようです。しかしスタッフ・キャスト一丸で「自分たちの色を出す」「まずは話題を作る」という意気込みを持ち続けています。
- 視聴率競争の激化:午後の情報番組枠は長寿番組や全国ネットの“巨頭”が揃い、地方発の情報番組が食い込むのは至難の業。
- 番組の独自性:即中継や地域密着の話題、「今日の昼下がり、何が起きているのか」を伝える力にこだわっている。
- 出演者間の団結:「不利な状況でも、一矢報いたい」という現場の熱気。
新企画とイベントで“ダイナミック”に――青木源太の挑戦
カンテレは2025年秋、『旬感LIVE とれたてっ!』の放送時間を2時間体制へ全面拡大し、これに合わせて新たな番組企画やリアルイベントも積極的に打ち出しています。青木アナいわく「よりダイナミックに、自由に動きながら現場のリアルを伝えたい」とのこと。例えば大阪の街から全国各地への生中継、SNS連動企画、その土地その時ならではの“旬”な話題を追い続けます。
番組発のリアルイベントとしては「カンテレ祭り!2025 よ~いドン!&とれたてっ!フェス」という大規模なファン交流企画もスタート。地元グルメやタレントと視聴者のふれあい、全国からリアルタイムに集まる話題など、テレビと現場、視聴者が混ざり合う“新しい体験”を模索中です。
異色のコメントが話題に――古市憲寿氏の“ぶっこみ”
関西流“自由トーク”の象徴ともいえるのが、社会学者の古市憲寿さんの発言シーン。彼は生放送中、時事問題はもちろん、時にはプライベートなゴシップや恋愛スキャンダルなどにも独自の視点で鋭く“ぶっこむ”コメントを披露します。
最近では、番組中に取り上げられた“ラブホテル密会”報道についても「近所のおばはんが『絶対やってるわ!』と言ってるレベルのリアル感」と、関西の生活実感に即した言い回しで場を沸かせた場面が注目されました。「踏み込んで言ってくれるのがうれしい」「身近な会話みたいで親しみやすい」といった肯定的な反応が多く、古市氏の発言がSNSでも度々バズっています。
- 政治経済エンタメなど様々なトピックで、忖度なしの率直な意見を発信。
- 生放送ならではのリアルな空気感を強調、「その場で何が起こるかわからない」スリルも。
- 関西らしい人情やユーモアの感覚と、古市氏特有のドライさの対比が好評。
視聴率以外での“新たな価値”――「地域」と「現場」をつなぐ新時代の番組づくり
『旬感LIVE とれたてっ!』の挑戦は、単なる視聴率やスポンサー獲得にとどまらず――「地元の今」を伝え、「暮らしに近い言葉」で語ることに指針があります。番組MC、レギュラー、現場リポーターそれぞれが、時に結果や数字になかなか結びつかない苦しさを語りながらも、
「午後のひとときに、身近な誰かが話しかけてくれるような安心感」
「有名芸能人よりも、近所のおばちゃんや地元のご意見番の“生々しい声”がニュースになる時代」
――こんな未来を描いています。
カンテレの番組責任者も「イベントや新企画を絡めながら、“体験する情報番組”を作っていきたい。5年後、10年後にも存在意義のある午後ワイドを模索していく」と意欲を見せます。
最後に――「今」だからできること、そして次のステージへ
いくら高いハードルがあっても、「競合や数字に惑わされず、自分たちの番組を突き詰める」。そうした現場の覚悟が、今SNSやファンの間で「応援したい番組」としてじわじわ支持層を広げつつあります。視聴率重視の時代に一石を投じる、“関西発のライブ情報番組”の成長――今後の展開から目が離せません。