「ドッキリGP」最新放送を巡る議論――Snow Man向井康二への“催眠術ドッキリ”が呼び起こした波紋
フジテレビの人気バラエティ番組『芸能人が本気で考えた!ドッキリGP』が、9月27日に放送された最新回をきっかけに、再び世間の注目と議論の中心となりました。今回大きな話題となったのは、アイドルグループ Snow Manの向井康二さんに仕掛けられた「催眠術ドッキリ」企画。視聴後のSNSや公式X(旧Twitter)上では、想定を超える反響が巻き起こり、「流石に笑えません」「やりすぎでは」という声が多く寄せられています。それと同時に、過去にも類似ドッキリを巡るBPO審議があったことも再び注目されています。この記事では、今回の“催眠術ドッキリ”の詳細、批判を浴びた背景、そしてバラエティ番組と倫理のバランスについて、最新情報をもとに丁寧に解説します。
1. Snow Man向井康二に仕掛けられた「催眠術ドッキリ」企画とは?
今回物議を醸したのは、2025年9月27日放送回で展開された「催眠術ドッキリ」企画です。タイ・スワンナプーム国際空港の全面協力のもと、向井さんが出演したタイ制作ドラマ『Dating Game~口説いてもいいですか、ボス!?~』の舞台挨拶を終えて帰国のタイミングで、彼に催眠術をかける演出が用意されました。催眠術師・十文字幻斎氏の協力で、「パスポートが別のものに見える」「違うものがパスポートに見えてしまう」といった暗示をかけ、向井さんがどう対応するかを密着・検証するという内容でした。
更に驚きを呼んだのは、催眠術の効果を利用して「記憶を消去する」「再度違うドッキリにかける」といった手法が幾度も繰り返し行われたことです。放送では、向井さんが卓球ラケットや大根、ポケットティッシュなどをパスポートだと認識したり、逆に本物のパスポートを認識できない場面、合図で突然眠ってしまいスタッフに運ばれる場面まで映し出されました。
2. 視聴者の反応――「流石に笑えません」批判と懸念の声
- 「最初のティッシュくらいまではまだ良かったが、繰り返しや催眠術で引きずられるのは心配」という声が多く寄せられ、向井さんの体調や精神面への懸念を示すコメントが目立ちました。
- 「芸人やアイドルが本当に嫌がっている様子で、見ていて笑えない」、「騙して楽しむ手法は今の時代に合っていない」「ショックが戻らなかったらどうするのか」といった倫理面での批判も相次ぎました。
- 「番組はいつも見ているけれど今回ばかりは苦しくて、心から楽しめなかった」と、熱心な番組ファンからの嘆きも投稿されました。
SNSと番組公式Xには、「#ドッキリGP」「#催眠術ドッキリ」が一時トレンド入り。賛否両論の嵐となり、特にファンからの誹謗中傷と擁護の両方がみられました。
3. 番組人気とバラエティの歴史――なぜ“過激ドッキリ”は繰り返されるのか
『ドッキリGP』は、2018年のスタート以来、MCの東野幸治さんらの進行で、芸能人・有名人が本気で考案したドッキリ企画がウリとなり、何度も話題を呼んできました。特に近年は、Travis JapanやAぇ! groupらジャニーズアイドルや人気芸人とのコラボ企画、大型仕掛けや新キャラクター「マツダマン」登場でさらに視聴率を伸ばしています。
中でも向井康二さんが演じる「記憶忍者隊マッサマン」の人気と同じく、体を張ったチャレンジ精神が番組の醍醐味ですが、その一方で近年安全面や人権、プライバシーをめぐる社会的な意識も高まりつつあります。過去にも番組内ドッキリがBPO(放送倫理・番組向上機構)で議論・審議入りした事例があり、「どこまでが“笑いの範囲”なのか」「どのような配慮が必要か」が改めて問われています。
4. 「視聴者不在の笑い」問題――専門家や各方面の声
専門家やメディア関係者の間からも、「出演者の合意や安全対策が十分か?」「芸能人であっても尊重されるべき権利がある」「繰り返しの仕掛けは視聴者の共感を失う」など、批判と検証を促す意見が増えています。また、アイドル本人のキャラクターや人気ゆえに、「ただ受け身で演じることで周囲の負担が増えないか」との懸念もあげられました。
- BPOでは過去に親子ドッキリ企画や過剰なリアクションを巡る審議が行われており、今後の対応が注視されています。
- パフォーマンスの一部として企画を理解できる人もいる一方、精神的ショックや健康リスクの有無、出演者の同意の明確さが社会的責任として問われています。
5. ドッキリの「正義」と「限界」――今後への課題は?
「ドッキリ」というジャンル自体、日本のバラエティの歴史を築いてきましたが、現代社会においてはその“笑い”のあり方が大きく問われています。SNSによるリアルタイムの声の拡散、出演者本人とファンの関係性、テレビ局への説明責任など、「ガヤ」や「演出」の域を超えた新しい課題に直面しています。単なる炎上ではなく、“笑いの質”・“人との関係性”を問い直す契機として、制作者・出演者・視聴者が共に考える必要があります。
そして何より、出演者へのきちんとしたケアやメンタルサポートの体制、視聴者への説明やガイダンスも今後強く求められることでしょう。
6. 今後も続く?「ドッキリGP」新企画と人気
物議を醸した催眠術ドッキリがSNSで大きな話題となる一方で、番組の人気自体は依然として高く、Travis Japan & Aぇ! groupによる因縁対決や、「マツダマン」「新ヒーロー」の登場など、他の目玉コーナーも次々と放送されています。制作サイドと出演者自身がよりよい番組づくりに取り組む姿勢が求められています。
- エンターテイメントとしての価値と、視聴者・出演者双方への配慮を両立する取り組みが、今後の「ドッキリGP」やバラエティ全体の未来に重要なテーマとなるでしょう。
- 番組制作関係者は「視聴者からの意見と真摯に向き合い、より良い演出バランスを検討する」としています。
まとめ
Snow Man向井康二さんの催眠術ドッキリが引き起こした波紋は、単に一つのバラエティ企画にとどまらず、日本社会全体の“笑い”と“モラル”、テレビのあり方を改めて問い直す契機となりました。
テレビ番組制作者、出演者、視聴者の三者がそれぞれの立場で「何が必要な配慮なのか」を考え、今後のバラエティ表現の質を共に高めていくことが求められています。この議論は「ドッキリGP」だけでなく、今後放送されるテレビ番組、さらにはエンターテイメント全体において長く続く大きなテーマとなることでしょう。