ダウ平均株価、5営業日続伸 米利下げ観測を背景に最高値を更新
2025年10月2日、米国株式市場では、主要株価指数のひとつであるダウ平均株価(NYダウ)が前日比78.62ドル高(+0.17%)の46,519.72ドルまで上昇し、5営業日連続で続伸しました。この間、ナスダック総合指数も堅調に推移し、両指数ともに最高値を更新する勢いを見せています。ただし、米国で継続する政府機関の一部閉鎖が市場心理に影を落とし、さらなる上値追いには慎重な姿勢も見られました。
米国株式市場の現況と主な要因
この日の米市場は、直近発表された経済指標の内容や連邦準備制度(FRB)の金融政策見通しを巡る材料が交錯するなかで、利下げ観測が投資家心理を支える結果となりました。特に、前日に発表された9月ADP雇用統計が予想を下回る結果だったことで、「米景気の過熱感が後退し、年内にも利下げ実施の可能性が高まる」との見方が浮上しました。
一方、米連邦政府機関の一部閉鎖(いわゆる「シャットダウン」)が続いていることも相まって、積極的な買いは抑制される格好となっています。マーケット全体としては、好調な経済指標に後押しされつつも、不透明要因が上値を重くしている状況です。
主な株価指数の動向
- ダウ平均株価(NYダウ):
- 終値 46,519.72ドル(前日比+78.62、+0.17%)
- 始値 46,461.11ドル
- 高値 46,589.31ドル、安値 46,283.57ドル
- 取引時間帯には一時マイナス圏に沈む場面もあったものの、終盤にかけて堅調に推移
- ナスダック総合指数:22,891.43(+136.27、+0.60%)
- CME日経平均先物:45,265(+195、+0.43%)
業種別概況・個別銘柄の動き
この日のダウ構成銘柄を見ると、ヘルスケア関連株が全体相場をけん引しました。メルク(MRK)が+7.39%、アムジェン(AMGN)が+5.78%、ナイキ(NKE)が+6.41%と連日大幅高を記録。また、ユナイテッドヘルス・グループ(UNH)、ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)も堅調。これに対し、ホーム・デポ(HD)、JPモルガン・チェース(JPM)、ウォルト・ディズニー(DIS)、マクドナルド(MCD)、ウォルマート(WMT)といった大型株は小幅ながら下落しました。
- メルク(MRK):+7.39%
- アムジェン(AMGN):+5.78%
- ナイキ(NKE):+6.41%
- ホーム・デポ(HD)、JPモルガン・チェース(JPM)等は小安い
- 業種別では、景気敏感株やテクノロジー株も一部堅調ですが、全体としてはヘルスケアセクターの存在感が際立ちました。
米経済指標と市場の反応
10月2日(米国時間)には、新規失業保険申請件数や製造業新規受注など、景気の方向感を占う指標が発表されています。失業保険関連統計は引き続き強さを維持していると評価されており、景気後退懸念がやや後退しているとの見方も広がっています。
- 新規失業保険申請件数(21:30発表)
- 8月製造業新規受注(23:00発表)など
この結果、米国債利回りは全般に低下傾向となり、FRBの追加利下げ観測がさらに強まる展開となりました。実際、米10年債利回りは4.08%程度まで下落しています。
米政府閉鎖の影響と今後の見通し
現在、アメリカの連邦政府では一部機関が閉鎖される「シャットダウン」状態が続いていますが、市場では「比較的短期間で収束する」との見方が広がっています。そのため、目先のリスク要因とはなりつつも、株価への直接的な下押し圧力は限定的となっています。
ただし、閉鎖が長期化する場合は経済全体や企業決算などへの影響が懸念されることもあり、引き続き動向には注意が必要です。
主要国株価や商品市況の動向
- 欧州株(DAX、CAC40)は、それぞれ大幅高で推移。
- 米国債券市場は利回り低下。10年債利回り:4.083%(-0.015ポイント)、2年債利回り:3.541%(+0.006ポイント)。
- 金(ゴールド)先物や原油先物、ビットコインも注目されるが、特筆すべき急騰・急落は見られず落ち着いた値動き。
投資家へのメッセージ・今後の注目点
今回のダウ平均株価の5営業日続伸・最高値更新は、米国市場の堅調なファンダメンタルズ(経済基礎体力)と、引き続き低金利環境が続くとの観測を材料としたものです。米政府閉鎖問題はマーケットの不確定要素として残りますが、経済指標や企業業績が良好に推移する限り、底堅い動きが期待されます。
とはいえ、米金融政策や政府の動向、さらには国際情勢がどのようにマーケットに影響を与えるかは不透明です。投資家の皆さまも、情報収集を怠らず慎重な資産運用を心がけましょう。
まとめ:2025年10月2日の米国市場を振り返って
- ダウ平均株価は5営業日続伸で最高値圏、米利下げ観測が相場を支える
- 一方で米政府閉鎖継続が警戒材料となり、上値は重い展開
- 今後も米金融政策や政府の動向、主要経済指標などに注目
これからも最新のマーケットニュースをお届けしていきます。ご不明点や気になるポイントがあればぜひチェックしてみてください。