村田製作所、1000台規模のAWS運用をキンドリルに委託

村田製作所(本社:京都府)は、社内業務系・工場系を中心とした約1000台のサーバーの運用移行について、ITインフラ運用で世界的に実績のあるキンドリルジャパン(以下キンドリル)と契約を継続し、運用サービスの全面委託を行うことを決定しました。

背景:デジタルトランスフォーメーション(DX)戦略の推進

村田製作所は、将来ビジョン「Vision2030」の実現に向け、積極的にデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進しています。世界トップクラスの電子部品・材料メーカーとして、複数の工場や研究所、取引先がグローバルに分散している村田製作所にとって、情報システムの高度な安定運用と柔軟性は、企業競争力の源泉です。

この戦略の一環として、基幹システムを含むITインフラに対し、クラウドを活用した効率化や、新技術の導入による品質の向上を目指しており、今回はその総仕上げとも言える大規模サーバー群のAWS(Amazon Web Services)への移行と運用委託となりました。

移行対象となったサーバー群と目的

  • 対象は社内の業務アプリケーションや工場系データベース等、多種多様なシステムで構成される約1000台のサーバー。
  • 従来はオンプレミス(自社運用)のサーバーであったものを、全てAWSのクラウドサービスへとリフト。
  • クラウド化によるコスト最適化、柔軟なリソース拡張、安全性・障害耐性の向上、さらなる自動化・省力化を目指す。

キンドリルによる運用サービスの特徴

村田製作所がキンドリルをパートナーとして選定した理由には、過去の長期にわたる高品質運用実績、そしてIT運用品質の絶え間ない改善と自動化が挙げられます。今回は、AWSに特化した新たな運用体制をキンドリルがサポートすることで、クラウド環境でも従来以上の安定運用を実現します。

  • AIOps(人工知能によるIT運用自動化)を活用した統合オープンプラットフォーム「Kyndryl Bridge」で監視・管理・自動化を徹底。
  • アラート検知から障害対応、リソース調整、改善の提案まで、AIが運用の最適化を支援。
  • セキュリティ対応やコンプライアンス維持も高度化し、サステナブル(持続可能性)な運用体制を目指す。
  • 村田製作所固有の運用要件に柔軟に対応し、現場の生産性向上やBCP(事業継続計画)強化に寄与。

契約継続の経緯と今後の期待

村田製作所とキンドリルは、これまでオンプレミス環境で継続的な協業関係を築いてきました。過去の実績と信頼、そしてクラウド移行後も高水準の運用体制を維持できる点が評価され、AWS環境下でも契約を継続し、今後の運用サービスも同社に委託されることになりました。

企業のIT環境は急激な変化が求められています。サーバーをクラウドに移行することで、スピーディなインフラ構築や柔軟な拡張、障害時の迅速対応など、従来の物理サーバーでは難しかった運用を可能にします。村田製作所では、今後も安定運用とDX推進を両立させるため、いっそうの自動化やシステム最適化に取り組んでいく方針です。

業界と社会へのインパクト

  • 日本の製造業界でも、基幹システムのクラウド移行は全体の流れとなりつつあり、その中でも村田製作所のような大規模事例は注目を浴びています。
  • 今回のプロジェクトは、運用の信頼性・品質維持、高度な自動化、コスト・リソースの最適化、環境対応など総合的なDX実践として業界標準モデルとなる可能性があります。
  • キンドリルの「Kyndryl Bridge」によるAIOps導入は、他企業にも波及し、IT運用の新たなスタンダードを築く一歩となるでしょう。

さいごに――持続的成長をめざして

村田製作所は、世界トップのメーカーを目指して、ITインフラにも時代の最先端技術を積極的に取り入れています。キンドリルと連携し、AWSクラウド上で高品質な運用を維持しつつ、さらに省力化・最適化・持続可能性を追求することで、ものづくりの未来を支えていきます。企業活動を支えるITのあり方、その進化は、社会全体の発展とも密接に関わっています。今後の両社の挑戦と革新に、引き続き期待が集まります。

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参考元