滋賀県で半世紀ぶりの大型スポーツ祭典 ― 2025年「国スポ」開会式、歴史の新たな幕開け
滋賀県彦根市にて、2025年9月28日(日)、およそ半世紀ぶりとなるスポーツの祭典「わたSHIGA輝く国スポ・障スポ」――第79回国民スポーツ大会および第24回全国障害者スポーツ大会の総合開会式が華やかに開催されました。かつて「国体」として親しまれてきたこの大会は、昨年より「国スポ」へと名称が改まり、新たな時代のスポーツイベントとして進化しました。滋賀県での開催は約50年ぶりで、多くの市民や選手が感動の舞台に心を躍らせています。
「わたSHIGA輝く国スポ」総合開会式 開催概要
- 日程:2025年9月28日(日)
- 会場:平和堂HATOスタジアム(彦根市松原町3028)
- 入場:11:15開場、13:45開演、14:25入場締切、16:50終了予定
- 中継:NHK・BBC(びわ湖放送)・大会YouTubeチャンネルにて生中継
- 特記事項:当日の入場券は事前配布のみ。当日券の販売・配布はなし。
本開会式には、日本全国のアスリートとともに数多くの来賓・地域住民が会場を訪れ、道中の「おもてなしストリート」では地元物産や展示も楽しみました。JR彦根駅周辺は歩行者天国となり、近江牛や琵琶湖の湖魚、近江米など、滋賀の豊かな食文化を味わえる出店がにぎわいました。「おうみ彩り弁当」と名付けられた式典用特製弁当も大人気。湖国の魅力が至るところで輝いた一日となりました。
式典プログラムとみどころ
時間 | 内容 | 概要 |
---|---|---|
11:15 | 開場 | 入場締切は14:25 |
13:45 | ウェルカムフェスタ | 「ようこそ滋賀へ!」の熱気に包まれ、自由で楽しいパフォーマンスが展開。スポーツと芸術のコラボ企画も実現 |
14:25 | オープニングプログラム | 選手への応援を込めたエールストーリーが始動。滋賀の歴史・文化芸術の多様な魅力を紹介し、全観客で応援の練習も実施 |
15:15 | 式典(選手入場・炬火点火) | 選手団の勇壮な入場パレード後、炬火(聖火)が入場し点火。総勢1,000名超の大規模パフォーマンスと観客のコール&レスポンスも |
16:13 | エンディングプログラム | PR大使・西川貴教さんからの歌の贈り物。競技へ向かう選手へ力強いエールを送る感動のクロージング (一部中継あり) |
滋賀県出身の名アスリートも多数登場。リオ五輪競泳金メダリスト・大橋悠依さん、野球・松田宣浩さん、パラトライアスロン金メダリスト・宇田秀生さん、短距離界の桐生祥秀さんが聖火リレーやスペシャル対決企画に参加。次世代アスリート「滋賀レイキッズ」との4×100mリレー対決は、子どもたちにも大きな夢と勇気を与えました。
出演者・演出も滋賀らしさ満載
- 司会:宮川大輔さん、黒川彩子アナウンサー(びわ湖放送)
- 公式イメージソング歌唱:yokkoさん
- ゲスト・エール:西川貴教さん(大会PR大使)
- アナウンサー:田中崇裕さん(NHK大津)
- 管弦楽:びわ湖ホール声楽アンサンブル(指揮:阪哲朗)
湖の青と豊かな緑をイメージした色彩と、琵琶湖にちなんだ演出も随所に盛り込まれ、地元児童・学生・市民も多数出演し一体感ある祝祭の雰囲気に包まれました。観客が参加するコール&レスポンスや、地域を代表する伝統芸能の紹介など、滋賀ならではの一体感が光りました。
両陛下ご臨席による国民的行事
本大会開会式には、天皇皇后両陛下もご臨席される国民的行事となり、滋賀県警による周辺の交通規制や奉迎エリア、見送りエリアが設けられるなど、例年以上の厳かな雰囲気と盛大な歓迎ムードが会場周辺に広がりました。
また、両陛下の来県に際しては、市民による熱烈な歓迎や感謝の声で溢れ、国内外の注目を集めました。
市町村役場など各自治体でも、地元出身・在住選手の壮行会が開催されるなど、地域一体で選手を応援する動きが広がっています。
環境配慮と県独自の取り組み
- 会場にはリサイクルや省エネ、誰もが安心して参加できるアクセシビリティ対策が徹底
- 共生社会の実現を掲げ、障がい者スポーツ大会(障スポ)も同時開催
- 開催期間中には、地元児童や障害者への理解啓発活動も積極的に展開
- 滋賀の自然や食文化を活かしたおもてなし広場が盛況
「湖国の感動未来へつなぐ」という大会スローガンにふさわしく、環境配慮や誰もが楽しめる地域共生の姿勢が強く示されています。このような運営方針は、今後の全国大会のモデルケースとも言われています。
各県選手団の活躍と応援エール
全国から集まった選手団が、それぞれの思いを胸に滋賀へ集結。特に福井県からは「天皇杯10位台」を目標に始動し、選手と関係者が一丸となって活躍を誓いました。また、会期前には各地で壮行会が行われ、福島県南相馬市役所などでは地元出身・在住の参加選手へ地域ぐるみのエールが贈られました。
多くの県民、地域社会、企業・団体が連携し、地元選手・出場選手へのバックアップ体制も充実。大会期間中は、地元応援団が競技会場や沿道で声援を送り続けます。
未来へつなぐ、スポーツと地域の絆
今回の「国スポ滋賀大会」開会式は、競技者と応援者が一つになり、スポーツを通じて広がるつながり・地域愛が会場いっぱいに感じられる素晴らしい機会となりました。全国からの注目と期待を集めるこの祭典が、滋賀の新たな歴史の一ページを刻み、多くの人に夢と感動を残しています。
スポーツの力と地域の温かさが、次世代へと受け継がれていく。まさにそのための「開会式」だったといえるでしょう。