成宮寛貴、12年ぶりの舞台復帰!宮本亞門演出「サド侯爵夫人」への想いと挑戦
2025年9月、俳優・成宮寛貴さんが約12年ぶりに舞台の世界へ戻ってきます。しかも、その舞台は日本文学を代表する三島由紀夫の戯曲「サド侯爵夫人」。演出を担当するのは、世界的演出家宮本亞門氏。二人がタッグを組むのは実に25年ぶりのことで、多くの演劇ファンや関係者が注目しています。
「サド侯爵夫人」――三島由紀夫が描いた女性たちの心の対話
「サド侯爵夫人」はフランス革命期の実在の人物、マルキ・ド・サドの妻ルネーを中心とした6人の女性たちの会話劇です。三島由紀夫はこの舞台を通じて、「女らしさ」「自我」「忠誠」「犠牲」など普遍的なテーマを浮かび上がらせました。
従来この作品は女性キャストによって上演されることが多かったのですが、2025年公演では全キャストが男性という挑戦的なプロダクションになります。これにより、固定観念にとらわれない新しい解釈や演出が期待されています。
成宮寛貴――12年ぶりの舞台出演に懸ける決意
成宮寛貴さんは2013年の舞台出演を最後に、俳優活動を一時休止していました。久しぶりの公の場、しかも三島作品の中心人物・ルネーを演じるという大役を担うことに、大きなプレッシャーと責任感を抱いているそうです。
成宮さんは取材に対し、「覚悟をもって臨みたい」「舞台という場所でしか味わえない緊張感とライブの緻密なエネルギーを、ぜひお客様と共有したい」と語っています。
25年ぶりの宮本亞門×成宮寛貴タッグ――二人の信頼と作品への熱量
宮本亞門さんと成宮寛貴さんは、過去に一度だけ舞台でタッグを組んだ経験があります。それから25年が経ち、双方ともにキャリアを積み重ねてきた今、再び同じ舞台で協働することは運命的とも言えるでしょう。
宮本亞門さんは演出にあたり、「三島由紀夫の意図を現代にどう読み解き、いまの時代に提示できるか」を常に考えていると語ります。そして、成宮さんについても「彼の繊細さと大胆さ、役に対するひたむきな気持ちが、本作に新しい息吹を与えてくれるはず」と高く評価しています。
全員男性キャストによる「サド侯爵夫人」――なぜ今、男性だけで上演するのか
「サド侯爵夫人」は、もともと「女性だけの対話劇」として書かれている作品です。今回、あえて全員男性キャストで上演することには、社会的・芸術的な意義が込められています。
- 性別の枠を超えて「人間の本質」に迫る
- 女性役を男性が演じることで台詞や行動の意味が新しく立ち上がる
- 現代社会における「ジェンダー観」の再考と挑戦
- 演劇には「変装」「入れ替え」の芸能的伝統があり、それを再発見する狙いも
これらの意図により、「サド侯爵夫人」はいま再び大きな注目を集めています。
三島由紀夫のメッセージを現代へ――普遍的で鋭い問いかけ
「サド侯爵夫人」には、三島由紀夫ならではの鮮烈な言葉がちりばめられています。女性同士の静かな対話を通じて、思想や信念がゆっくりと交錯し、ぶつかり合う。そこには、他人の価値観や欲望の前でどう生きるか、何を守るか――現代にも通じるメッセージが息づいています。
今回の公演は、男女の役割や「女らしさ」「男らしさ」という固定概念を問い直すとともに、「人間の矛盾や強さ、弱さ」を描き出そうとしています。それは、三島作品が持つ普遍的な価値に、改めて光を当てる試みと言えるでしょう。
舞台が問う「忠誠」と「自由」――ルネー役に込める成宮寛貴の熱意
物語の主軸となるルネーは、強烈な忠誠心をもってサド侯爵を支え続ける人物。時に苦悩し、時に揺れ動く彼女の信念は、現代社会に生きる私たちにも通じる葛藤を体現しています。
成宮寛貴さんは、ルネー役を通じて「自分自身の価値観やアイデンティティとも向き合いながら、役を深く掘り下げたい」と語ります。また、「舞台は一期一会。観客一人一人と“今ここ”で触れ合える奇跡を大切にしたい」とも述べています。
豪華キャストが描き出す、新しい「サド侯爵夫人」
今回の上演では、主演の成宮寛貴さんのほか、実力派俳優たちが顔を揃えます。全員が男性というプロダクションは、お互いに高め合いながら作品作りに取り組んでいるとのことです。
- 役同士の細やかな関係性
- 男性が女性を演じることで生じる緊張感
- 台詞の響きや、動作の微妙なずれが生み出す独特の世界観
観客は、役者それぞれの個性と化学反応、そして舞台ならではのライブ感を肌で感じることができるでしょう。
「サド侯爵夫人」2025年公演の概要
- 公演タイトル:サド侯爵夫人
- 原作:三島由紀夫
- 演出:宮本亞門
- 主演:成宮寛貴(ルネー役)
- キャスト:全員男性
- 日程:2025年秋(詳細日程は公式発表を参照)
- 会場:東京都内主要劇場(予定)
演劇ファン・成宮寛貴ファンへのメッセージ
12年ぶりの舞台出演、そして25年ぶりの宮本亞門氏との再タッグ。成宮寛貴さんの「本気」と「挑戦」にあふれる「サド侯爵夫人」は、まさに必見の舞台となるでしょう。
「演劇にしか生み出せない生きた時間」を、ぜひ劇場で体感してください。出演者、スタッフ一同、皆さんの来場を心からお待ちしています。