巾着田曼珠沙華公園――秋の訪れを500万本の赤い花々とともに楽しむ

秋を告げる赤いじゅうたん――巾着田曼珠沙華公園のヒガンバナが見頃に

秋になると、埼玉県日高市にある巾着田曼珠沙華公園では、約500万本にも及ぶ彼岸花(ヒガンバナ/曼珠沙華)が一斉に咲き誇ります。その壮大な光景は、まるで深紅のじゅうたんを敷き詰めたようだと、多くの人々の心を惹きつけてやみません。特に2025年は、盛夏の猛暑で発芽が遅れたものの、ここ数日の涼しさで一気に開花が進み、9月下旬から10月上旬にかけて最盛期を迎えています。

公園では例年、「巾着田曼珠沙華まつり」が開催され、地元グルメや特産品のブースも多く出店し、観光客で大いに賑わいます。2025年のまつりは9月19日(金)から10月5日(日)まで、開園は午前9時から午後4時30分となっています。

巾着田曼珠沙華公園とは――自然と歴史が織りなす絶景

巾着田は、その名のとおり“きんちゃく”(巾着袋)のような形状をしており、高麗川の蛇行によって長い年月をかけてできあがった自然の地形です。直径約500メートル、面積は22ヘクタールの広大な平地に、彼岸花だけでなく、菜の花やコスモスなど四季折々の花々が咲き誇ります。特に秋の曼珠沙華群生地は日本有数の規模を誇り、その美しさは国内外から高く評価されています。

  • 所在地:埼玉県日高市大字高麗本郷125番地2
  • 交通アクセス:西武池袋線「高麗駅」から徒歩約15分
  • 公共交通機関の利用を推奨(開花期は周辺道路が非常に混雑します)

曼珠沙華(ヒガンバナ)とはどんな花?

曼珠沙華(ヒガンバナ)は、彼岸の頃に開花し、真っ赤な花弁が特徴です。“亡くなった人を導く花”とも言われるなど、日本古来の民間信仰にも深く根付いています。近年は海外からの観光客からもこの独特な風景が人気を集め、ドイツやスペインといった遠方から訪れる方も増えています。

イベント・楽しみ方

  • 曼珠沙華まつり:開催期間中は飲食・特産品の販売、写真撮影スポットの設置、各種イベントが行われ、家族連れや写真愛好家で賑わいます。
  • 写真撮影:三脚および一脚の使用は制限あり。混雑時は他の来場者への配慮が呼びかけられています。
  • ペット連れ:リードを短く持つなど、マナー遵守が求められます。
  • 音声案内:巾着田管理事務所の自動音声案内(042-982-0268)で開花情報を確認できます。
  • 花の見頃情報:公式ホームページにて随時公開されています。

入園料・期間・その他のご案内

  • 有料期間:2025年は9月24日(水)から開花終了まで
  • 入場料:大人500円(1日)、中学生以下無料
  • 身体障がい者手帳、療育手帳、精神障がい者保健福祉手帳の所持者は無料
  • 20人以上の団体は2割引き(個別会計不可)
  • 入場料徴収時間は午前7時~午後5時

園内でゆっくりと散策しながら、壮大なスケールの真紅の彼岸花を間近に眺める時間は、日常の喧噪を忘れさせてくれる特別なひとときです。

全国各地でも広がる秋の彼岸花の絶景

埼玉だけでなく、岡山・真庭市の川東公園や、宮崎県の都井岬でも、秋の訪れとともに鮮やかな彼岸花が見頃を迎えているとの地域ニュースが注目を集めています。各地で秋の訪れを彩る“赤い花の波”は、地元住民や多くの観光客に安らぎと感動を与えています。ドイツやスペインなど海外からの旅行客が訪れる背景には、日本の風物詩や自然美への海外からの関心の高まりもあります。

見学のポイント&注意事項

  • 見頃の時期は平日でも非常に混雑します。時間やアクセス方法を確認しましょう。
  • 自動車利用は渋滞に注意が必要です。なるべく公共交通機関を利用してください。
  • 園内ではゴミの持ち帰りやマナー遵守が求められています。
  • 天候や開花状況の急な変化もあり得るため、公式情報を随時チェックしましょう。

おわりに ― 人と自然が調和する風景

巾着田曼珠沙華公園は、自然と人が穏やかに共存する日本らしい風景を象徴しています。秋のひととき、赤く連なる花々の中をゆっくり散策すれば、豊かな自然や命のつながり、地域が守り続けてきた文化の息吹に気づくことでしょう。近年では国内外の交流も深まりつつあり、巾着田の曼珠沙華は“日本の秋の風物詩”として世界中に伝わっています。皆さまも一度足を運び、この時季ならではの絶景をぜひご堪能ください。

参考元