茅ヶ崎市が建設技術をたたえる「優良建設工事表彰式」開催

ことしの表彰式の概要

茅ヶ崎市は令和6年10月11日、市役所本庁舎の会議室で「茅ヶ崎市優良建設工事表彰式」を行いました。市が前年(令和5年度)に発注した90件の公共工事の中から、施工管理や技術力に優れ、特に模範となる10工事を選定。佐藤光市長が受賞者一人ひとりに賞状を手渡し、「近年の激甚化する自然災害への備えや、安心・安全なまちづくりに建設業の力は欠かせません。今後も技術向上に努め、市民の暮らしを支えていただきたい」と激励しました。取材場所や掲載日などの詳細は、市公式サイトの<a href=”https://www.city.chigasaki.kanagawa.jp/himekuri/1060028/1060206.html” target=”_blank” rel=”noopener”>令和6年10月11日付記事で公開されています。

市は毎年、完成工事成績評定結果に基づき優秀な工事を表彰しており、令和6年度で39回目。今回は「最優秀建設工事」1件と「優良建設工事」9件の計10件が選ばれました。選定にあたっては施工の難易度、品質、現場環境への配慮、地域貢献など多角的な視点が採り入れられています。

栄えある10工事を一覧で紹介

表彰対象となった工事は以下のとおりです(工事名/受注者)。正式な一覧は市契約検査課が公開する冊子<a href=”https://www.city.chigasaki.kanagawa.jp/keiyaku/1006989/1011016.html” target=”_blank” rel=”noopener”>「令和6年度茅ヶ崎市優良建設工事表彰」に掲載されています。

  • 最優秀建設工事…市道0121号線(鉄砲道)電線類地中化工事/亀井工業株式会社
  • 市営高田住宅簡易2階建解体工事/浅岡建設株式会社
  • 市営高田住宅16・17号棟外壁他改修工事/浅岡建設株式会社
  • 文化資料館解体工事/浅岡建設株式会社
  • 河川浚渫およびフェンス設置工事/株式会社コウケン
  • 萩園中学校グラウンド改修工事/株式会社五常建設
  • 公共下水道本宿町地内(雨汚水)通常4-5工事/株式会社勝龍建設
  • 公共下水道富士見町地内(雨汚水)通常4-2工事/大勝建設株式会社
  • 公共下水道萩園地内(雨水)通常4-1工事/磐梯建設株式会社
  • 駒寄川河川管理用通路整備工事/株式会社來創

受賞工事は道路・下水道・学校施設・河川と多岐にわたり、市民生活の基盤を支えるインフラ整備が中心です。特に電線類地中化工事は景観向上と防災性を兼ね備え、市の重点施策「海辺の風景を守るまちづくり」を牽引するプロジェクトとして高く評価されました。

受賞者の声と市長メッセージ

最優秀建設工事を受賞した亀井工業株式会社の杉山利夫専務取締役は、「名誉ある賞を頂き、身の引き締まる思いです。今後も地元企業が一丸となり技術研鑽を重ね、茅ヶ崎市の発展に貢献したい」と力強くコメントしました。同社は夜間作業を極力減らし、通学路の安全を確保する施工計画が高評価につながりました。

式典で佐藤市長は「優れた施工事例を共有し、市全体の技術底上げを図るとともに、若い技術者が誇りをもって働ける環境を整備していく」と述べ、市議会の岸正明議長も「地元建設業者は“地域の守り手”。安全で魅力あるまちづくりへの継続的な協力を」と祝辞を送りました。市公式記事には当日の写真や市長・来賓の挨拶全文が掲載されています(前掲リンク参照)。

パネル展示で市民にもわかりやすく発信

表彰式の成果を広く共有するため、市は10月21日から25日まで市役所1階「市民ふれあいプラザ」で受賞工事のパネル展示を実施しました。図面や施工中の写真、環境・安全対策の具体例を示し、市民が“工事の裏側”を知る貴重な機会となりました。さらに11月10日に開催された〈ちがさき環境フェア2024〉でも同様の展示が行われ、多くの来場者が足を止めました。

担当の契約検査課は「公共工事は市民の財産。透明性を高めるだけでなく、優れた取り組みを次の工事へ横展開する狙いがある」と説明します。展示資料はウェブ上でも公開されており、遠方や忙しい人でも確認できます。

制度の目的と選考プロセス

優良建設工事表彰の目的は、受注者の士気向上および施工技術のレベルアップ、さらに公共工事の品質確保・コスト縮減を図ることです。選考は(1)完成工事成績評定90点以上、(2)施工が特に優秀で他工事の模範となる、(3)著しく困難な条件を克服――などの基準を総合的に評価。現地確認やヒアリングも行い、職員だけでなく学識経験者を含む審査会で決定します。

令和6年度は環境負荷低減やDX活用、安全教育プログラムの充実度も評価ポイントに追加されました。市は「2027年度までに全工事でICT活用率50%」を目標に掲げており、今年度の受賞工事にも3D測量や建設機械の自動化など最新技術が導入されています。

建設業界と市民がともに歩むこれから

茅ヶ崎市は海岸浸食対策や老朽インフラ更新など大型事業を複数計画中で、「優良建設工事表彰」は今後さらに重要性を増します。市は若手技術者育成を目的に、受賞企業と市内高校の産学連携講座を検討中。工事現場見学会を通じて“地域で学び、地域で働く”循環を生み出したい考えです。

市民にとって公共工事は生活の足元を支えるインフラであると同時に、税金の使い道を示す鏡でもあります。表彰制度は「見える化」の役割を担い、信頼醸成と持続的なまちづくりを促進します。来年度以降も優良事例が増えることを期待しつつ、本年度の受賞者の努力と功績に改めて拍手を送りたいところです。

市庁舎でのパネル展示と情報公開

表彰式の熱気は式典当日だけにとどまりません。市は10月21日(月)9時~25日(金)17時、市役所本庁舎1階「市民ふれあいプラザ」で受賞工事の概要パネルを公開しました。完成写真や施工技術の解説、担当技術者のコメントを一覧できる構成で、「どういった工夫で品質や安全を高めたのか」が視覚的に理解できると来庁者から好評です。同内容は11月10日(日)開催の「ちがさき環境フェア2024」でも再掲され、来場者が持続可能なまちづくりを考えるヒントとして活用されます(茅ヶ崎市公式)

学びの視点を広げる三つのポイント

  • 施工プロセスの可視化―各社が提出した施工計画書や現場写真の抜粋を掲示し、工程管理の要点を解説。
  • 地域資源の活用―地元材や再生材利用の事例を紹介し、循環型社会への貢献度も示す。
  • 安全・防災面の工夫―災害多発時代に耐える構造設計やICT活用による危険エリアの見える化など、将来の公共工事に生かせる示唆を提示。

若手技術者と地元企業への波及効果

佐藤市長が「建設業界の力が欠かせない」と強調した通り、市は受賞企業へ市内工事の技術提案ヒアリング参加枠を優先的に付与し、若手技術者のプレゼン機会を広げています。これにより、施工現場で得た知見が横展開され、地域内で技能が循環する好循環が生まれています。地元高校と連携した現場見学会も予定され、次世代人材へのキャリア教育に直結します(市公式)

12年目を迎えた表彰制度の意義

平成25年度創設の同表彰は今年で12回目。90件から10件へと厳選する選考過程が施工レベルの底上げを促し、市全体の公共工事の品質向上につながってきました。「見える表彰」が企業の自発的改善を後押ししている点は、県内自治体でも先進事例と評価されています。今後、市は評価指標の一層の透明化を図り、カーボンニュートラルやDX推進など時代要請を踏まえた基準へアップデートする方針です(営繕工事を施工するみなさまへ)