久保建英、レアル・ソシエダで直面する困難――2025年の転機
スペイン・ラ・リーガのレアル・ソシエダで4シーズン目を迎えた久保建英選手が、2025年、大きな苦戦を強いられています。 昨季までクラブの主力で躍動した彼ですが、監督交代、主力選手の相次ぐ退団、そして自身の負傷といったさまざまな要素が重なり、チームも本人もかつてない不調に陥っています。本記事では、現地紙や関係者の評価、最新のチーム状況、そして久保選手自身の今後に迫ります。
1. チームの変化――監督交代と主力流出の影響
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監督交代による新体制の混乱
2025-26シーズン、ソシエダは名将イマノル・アルグアシル監督の勇退を受け、セルヒオ・フランシスコ新監督が就任。戦術やメンバー選考をめぐり体制の変化が顕著になりました。しかし、開幕からの戦績は5試合で未勝利。直近のベティス戦では1-3で敗北し、3連敗という厳しい結果となりました。
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主力スビメンディの退団で生じた「穴」
クラブの中盤を支えてきたスビメンディの退団が、チームバランスに大きく影響しています。中盤の守備・ビルドアップにおいて不可欠だった存在を失い、代役の選定やシステム変更がスムーズにいっていないことが、現在の不調の大きな要因です。
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補強の遅れと新戦力への不安
昨季の失速と欧州カップ戦出場権の逸失を受け、久保選手自身もプレシーズンで「補強の必要性」を発言。しかし移籍市場での動きは鈍く、新戦力も結果を残せていない状況。専門筋からも「背筋が凍る」と形容される危機感がクラブを覆っています。
2. 久保建英の現状評価――攻撃の切り札から立場が揺れるまで
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足首の負傷によるパフォーマンス低下
かつてはリーグ屈指の「違いを生む存在」として攻撃をけん引していた久保選手。しかし、日本代表戦で負った足首の負傷が長引き、コンディション不良が続いています。その影響で、直近の数試合も万全のパフォーマンスは見せられていません。専門家は「次節も長時間出場は困難」と見ており、回復の遅れへの懸念が広がっています。
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ピッチ外での動揺と立場の変化
久保選手は今夏クラブの補強策について疑問を呈する発言を行いました。これが波紋を呼び、「チーム内での立場が揺らいでいる」と地元紙記者は指摘しています。不動の主力から「定位置を維持できるかどうか」が議論されるようになってしまいました。
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冷静な現地評価
地元紙の番記者は「久保選手の残留は正しかったのか」とまで疑問を呈しています。昨季の成績(アシスト0などの個人成績低下)がその根拠として取り上げられ、「久保選手の選択は誤りだった」との声も上がり始めています。
3. ソシエダの現状と久保建英の進退に迫る現地視点
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現地の危機感――「降格圏18位」の現実
2025年9月24日時点で、ソシエダの勝ち点はわずか2。18位と降格圏に沈んでいます。クラブ全体が「最悪の時期」にあると現地紙も嘆き、久保選手の周囲には「才能に見合った舞台を求めて他クラブへの移籍を検討すべき」との意見も浮上しています。
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契約・移籍事情――高額の契約解除金
久保選手は2029年まで契約を延長しており、契約解除金は6000万ユーロ(約104億円)と高額です。そのため、イングランド・プレミアリーグの複数クラブが久保建英獲得に動き出しているとも報じられています。一方、ソシエダは久保選手の残留を至上命題としています。
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今後どのような展開が予想されるか
現状のままチームの立て直しが進まなければ、久保選手自身のモチベーションや将来設計に影響を与えるのは間違いありません。足首の状態次第では、ピッチ上のパフォーマンスだけでなく、残留か移籍かの重要な決断を迫られる時期を迎える可能性が高まっています。
4. 地元サポーターや専門家の声――久保建英への期待と課題
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「抜けた穴」と久保建英への新たな役割
スビメンディなど主力の穴埋めを若手や新戦力で補うなか、久保選手が「ただのエース」以上のリーダーシップと経験を求められるようになりました。サポーターからは、苦境のチームを牽引する強いリーダーシップを期待する声も増えています。
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システム変更と「中盤ダイヤモンド型」導入は成功するか
セルヒオ監督は中盤ダイヤモンド型(4-4-2や4-3-1-2に近い形)に舵を切る可能性が高く、新戦力の活用とともに久保選手の使い方も注目されています。しかし、未だ新戦力が本領を発揮できておらず、効果的な戦術の確立には時間がかかっているのが現状です。
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久保建英の「覚悟」と今後への期待
「ピッチ外」に頼らず「プレー」で評価を取り戻す――「200試合出場」の節目でそう誓う久保選手に、現地からも変わらぬ期待が寄せられています。逆境を乗り越えて真価を示すことができるか、冷静な分析とエールが両立した報道が続いています。
5. 現地メディアと解説者が語る「今後のカギ」
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クラブの抜本改革が不可欠
チームの成績・士気向上には抜本的な戦力補強とシステム安定、そして主力の怪我からの復活が不可欠との見方が大勢です。
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久保建英の健康回復が急務
足首負傷の回復なしに立て直しは望めず、本来のポテンシャルを発揮できる健康状態が第一との指摘が多く見られます。クラブ・選手ともに正念場と言えるタイミングです。
まとめ:久保建英とレアル・ソシエダ――転換点を迎えた新シーズン
2025年秋、久保建英選手とレアル・ソシエダは一つの大きな変革期に差し掛かっています。監督交代と主力流出、負傷による不調、残留策への疑問など、厳しい現実が取り巻いていますが、一方で久保選手が苦しみながらも「クラブと自身の未来をかけて新たな一歩を踏み出せるか」に期待が集まっています。華麗な復活劇が待っているのか、それとも新たな選択を迫られるのか。現地からも日本からも熱い視線が注がれるこのストーリーの続きは、今後の1試合1試合に託されています。