鎌倉で今、注目の出来事を特集。歴史と文化、食、そして街の新たな魅力
鎌倉国宝館で特別展「扇影衣香―鎌倉と宋元・高麗の仏教絵画の交響―」開催
2025年10月25日から12月14日まで、鎌倉市雪ノ下の鎌倉国宝館にて、特別展「扇影衣香―鎌倉と宋元・高麗の仏教絵画の交響―」が開催されます。この企画は、東アジア文化都市2025鎌倉認定事業の一環として開かれるもので、中世における東アジア海域交流の結節点「鎌倉」ならではの文化的な特色を浮き彫りにするものです。
この展覧会では、中国大陸の宋や元、朝鮮半島の高麗、そして日本・鎌倉の仏教絵画が一堂に会します。中世の鎌倉には、東アジアの禅文化や多様な仏教絵画が直接もたらされ、地域の宗教・文化の発展に大きな影響を与えました。禅や仏教美術の価値と交流の歴史を読み解く絶好の機会です。
- 会期:2025年10月25日(土)〜12月14日(日)
- 開館時間:9時〜16時30分(入館は16時まで)
- 前期展示:10月25日(土)~11月16日(日)
- 後期展示:11月20日(木)~12月14日(日)
- 場所:鎌倉国宝館(鎌倉市雪ノ下2-1-1)
- 料金:一般1,000円、小・中学生500円
- 問合せ:0467-22-0753(鎌倉国宝館)
展示予定作品には、「釈迦三尊像(建長寺蔵)」や「釈迦三尊十八羅漢像(一蓮寺蔵)」など、重要文化財クラスの名品が含まれています。総展示数は約60件に及び、鎌倉・宗元・高麗それぞれの制作背景や美術的特質、仏教観の違いに触れられます。
会期中の注目イベント
- 11月1日〜3日:円覚寺にて「仏涅槃図」特別公開
- 11月29日:建長寺にて講演会「絵から見た鎌倉と東アジア」
- 期間中随時:学芸員による展示解説(詳細は公式HPご参照)
多面的な視点で東アジア交流の証を体感できるこの展示は、学びや発見に満ちています。
また、障がい者手帳所持者や鎌倉市内の学生、市民には無料観覧制度も用意されています。家族で、友人と、深い歴史と美の旅を存分に楽しんでください。
「朝ごはんのまち」大船で、鎌倉の朝を味わう
観光地として多くの魅力を持つ鎌倉ですが、「大船エリアの朝ごはん文化」も今、静かな注目を集めています。
JR大船駅周辺には、早朝から営業する食堂やカフェ、パン屋が軒を連ね、地元の食材をふんだんに使った健康的な朝食メニューが豊富に用意されています。
- 名物の「しらす丼」は早朝水揚げされた新鮮なしらすが絶品で、観光客にも大人気。
- 「鎌倉野菜」を使ったサラダブレックファスト、地元製パン店の焼き立てパンも評判。
- 駅から徒歩圏内にモーニングサービスの充実した喫茶店や、古民家をリノベーションしたカフェも点在。
大船の町は、観光の始まりを穏やかに迎えたい方、地元の日常を感じたい方にぴったりの空間です。日帰り旅行や朝活にも、ぜひ大船の“朝ごはん”を体験してみてはいかがでしょうか。
お寺とサーフショップが混在する“鎌倉らしさ”――『稲村ヶ崎物語』に描かれる街の新風景
人気作家・甘糟りり子さんが描く最新作『稲村ヶ崎物語』。この第一章では、「お寺とサーフショップが混在する現代の“鎌倉”の風景や、そこに集う人々の姿」が瑞々しく切り取られています。
稲村ヶ崎エリアは、古刹が点在する街並みと、湘南らしいサーフ文化が見事に融合した独特の空気感で知られています。地元の人、観光客、そして海を愛する若者たちの交流が、新しいコミュニティとしてここに生まれているのです。
- 参拝帰りにサーファーがカフェで語らい、商店街には伝統とモダンが調和する。
- 週末には地域イベントやマルシェが開催され、世代を問わず賑わう。
- 創作活動の拠点や、移住希望者が増えるなど、新たな「住まう街」としての注目度も高まっています。
この“境界のない共生”は、「古き良きもの」と「新しい風」が織り成す現代鎌倉の大きな特色のひとつです。歴史と潮の香り、そして人々の温かさに満ちた鎌倉の暮らしは、訪れる者にも住む者にも、多様な魅力を授けてくれるでしょう。
“交響する鎌倉”のこれから
歴史遺産と現代文化が溶け合う鎌倉は、今も昔も「多様な価値が集う場所」であり続けています。今回の特別展「扇影衣香」や、大船の朝ごはん文化、そして稲村ヶ崎に見る暮らしと文化の新潮流を通じて、鎌倉の「今」がより豊かに、クリアに浮かび上がってきます。
鎌倉を歩き、知り、感じる――そのすべてが、「未来へと連なる文化の交響」に繋がっていくのです。
歴史もグルメも、日常も非日常も。鎌倉が届ける数々の“響き”に、ぜひ触れてみてください。