ドジャース逆転劇、その立役者は大谷翔平――グラスノーの試練と新たなバトンの行方
“完全試合男”グラスノーと、大谷翔平の活躍が生んだ感動の瞬間
2025年9月20日、ロサンゼルスのドジャースタジアムが興奮のるつぼとなりました。ドジャースの先発タイラー・グラスノー投手は、「完全試合男」として知られ、幾度も名場面を演出してきた実力派。しかし、この日は思わぬ苦境から幕を開けました。
初回、ジャイアンツ打線に猛攻を浴び、わずか1回を投げて10人の打者と対峙、43球を要して4失点。試合序盤からビハインドを抱える苦しい展開となります。それでも、ここからチームに希望をもたらしたのが、全米が誇る二刀流・大谷翔平選手だったのです。
カーショーから渡された“バトン”――次世代エースへの意識
この試合のもう一つの裏側には、大エースクレイトン・カーショーから大谷翔平への“バトン”譲渡のような物語がありました。
カーショー投手にとっては本拠地レギュラーシーズン最後の登板機会で、過去に数々の伝説を残してきたレフティ。その勇姿をこれまで追い続けた日本のファンや後輩投手たち――特にグラスノーのような「完全試合男」にとって、カーショーから受け継ぐものは単なるピッチング技術だけではありません。それは野球に対する真摯な姿勢、リーダーシップ、勝負強さといった“魂のバトン”でした。
取材対応でグラスノーは「カーショーの存在から多くを学んでいる。ピンチでも笑顔を見せてチームを鼓舞する姿に、思わず感銘を受けてしまう」と語っています。彼が「思えてならない」と表現したその瞬間、新旧エースの間に確かにバトンが手渡されていたのでした。
奥州でも熱狂!ドジャース「Watch Party」日本初開催
この日はドジャースの話題がアメリカから遥か遠く、日本・奥州市でも大きな熱狂を生みました。なんと日本で初めての公式「Watch Party」が開催され、約650人のファンが集結。
スクリーンに映し出された大谷翔平の一挙手一投足、逆転弾の瞬間には歓声が会場を包み込みました。幼い子どもたちからご高齢のファンまで、多世代が“世界の大谷”に胸を熱くし、彼のホームランに手を叩いて喜ぶ光景が広がっていたのです。
逆転3ラン、ここぞの場面で輝く”1番DH”大谷翔平
- 試合は1-2とリードを許した5回、2死一・二塁の絶好機で大谷が打席へ。
- ここまで苦手左腕ロビー・レイに2打席連続中飛と抑えられていましたが、3打席目は違いました。
- カウント2-2、外角高めの速球を振り抜くと、打球は左翼ポール際への逆転3ラン本塁打。
- この一打でチームは逆転、大谷はナ・リーグ本塁打トップのフィリーズ・シュワバーに1本差まで迫りました。
この本塁打により、ドジャースは13年連続のポストシーズン進出も決定。デーブ・ロバーツ監督は「あの打席は本当に素晴らしかった。ロビー・レイを相手に、ついに攻略した。彼の素晴らしいピッチングを打ち砕いたことは、本人(レイ)もきっと驚いたと思う」と大谷を称賛しました。
試合詳細――グラスノーの炎上から逆転劇まで
- 初回、ドジャース先発のグラスノーはジャイアンツ打線の猛攻に遭い、4失点。
- 1回裏、大谷の初打席は空振り三振。
- 2回以降はドジャース打線が持ち直し、4回にはマンシーの2ラン本塁打で反撃の狼煙。
- 5回、大谷の逆転3ランで一気に主導権を引き寄せる展開となりました。
- 苦しい立ち上がりから始まった試合を、打線と大谷の活躍でひっくり返し、チーム一丸の勝利となったのです。
日本のファンと世界の大谷翔平――その存在の大きさ
今回の試合は、単なる一試合の勝利という枠に収まらず、グラスノーが直面した試練からの再起、カーショーから新しい時代への「魂のバトン」、そして世界中のファンが日本でも一体となって盛り上がるという、多くのドラマを生みました。
奥州市の「Watch Party」に象徴されるように、日本にいるファンたちもまた、メジャーリーグの最前線で躍動する大谷翔平の姿を、リアルタイムで見守る時代です。その意味で大谷の活躍は、もはや一人のアスリートの枠を超えて、日米を繋ぐ“希望のシンボル”となっています。
今後の展望――大谷翔平、グラスノー、そしてドジャースの未来
- 大谷翔平は現在、ナ・リーグ本塁打王争いを繰り広げており、53号が目前に迫っています。
- グラスノーも「苦しい立ち上がりの後、チームに感謝している。ポストシーズンでは自分の力を出し切る」と意気込みを語っています。
- ドジャースは既にポストシーズン進出を決定。山本由伸、佐々木朗希といった日本のスター投手の活躍にも注目が集まっています。
今後の試合も、世界中のファンが目撃者となる“歴史の瞬間”が次々と訪れることでしょう。大谷翔平を中心にしたドジャースの快進撃、そしてグラスノーや新戦力たちの進化から、今後も目が離せません。
まとめ:時代を越える「バトン」と、大谷翔平が示す未来
この日のドジャースは、旧エースから新たなヒーローへと受け渡された「バトン」と、困難を乗り越えたチーム一丸の姿により、歴史の1ページを刻みました。グラスノーは打ちのめされても、チームと仲間に支えられ笑顔を取り戻し、大谷翔平は日本とアメリカ、世界を繋ぐホームランで新たな伝説を生み出しました。
これからも日本と米国の舞台で活躍し続ける選手たちの軌跡に、ファンの期待と喝采は止むことはありません。それぞれの「バトン」は、次の世代へ、さらなる夢の実現へと繋がっていくのです。