日経平均最高値更新とレーザーテック株価の急騰――半導体関連の新たな局面を読み解く
はじめに
2025年9月18日、日本の株式市場は歴史的な転換点を迎えました。日経平均株価は取引時間中の最高値を更新し、投資家や市場関係者の注目が集まっています。その中で、レーザーテック株式会社(6920)の株価も急上昇し、ハイテク株シフトの象徴的存在として脚光を浴びています。本記事では、レーザーテックの最新業績動向と株価推移、市場全体のトレンド、および背景となる半導体需要増加について、わかりやすく解説します。
日経平均株価、取引時間中に最高値を更新
- 2025年9月18日、日経平均株価が取引時間中に最高値を記録
- ハイテク株への資金流入が加速している状況
- 投資家のリスク選好姿勢の高まり
日経平均株価は、世界的な景気回復期待とAI・半導体などハイテク分野の成長を背景に、取引時間中に歴史的な最高値を更新しました。特に米国のNASDAQ市場の堅調な動きも、日本市場に好影響を与えています。「過熱警戒もハイテク株シフトは継続」という専門家の声もある中、引き続き成長への期待が市場に色濃く反映されています。
ハイテク株シフトの中核――レーザーテックの株価動向
- 前日比+1,545円(+9.06%)と大幅上昇
- 取引中の高値18,780円、始値18,465円(9/18時点)
- 直近の取引終値は17,055円
- 出来高は大きな伸びを示し、投資家の注目度が極めて高い
半導体検査装置大手のレーザーテック株は、今回のハイテク株買いの中でも特に注目度が高く、9月18日は前日比で9%を超す急騰を遂げました。短期的には25日・75日移動平均線を支持線とするリバウンド基調が強まっており、テクニカル的にも上昇シグナルが継続しています。また、一目均衡表では重要な雲上限(17,170円程度)が意識され、今後のトレンドを左右する分岐点となっています。
AI・半導体市場の拡大が業績を牽引
- 2025年6月期、売上高2,514億7,700万円(前年比17.8%増)
- 営業利益1,228億4,300万円(同51.0%増)の大幅増益
- サービス部門も48.3%増と好調
- 自己資本比率63.7%に上昇し、財務体質が強化
業績面でもレーザーテックは絶好調で、2025年6月期の決算では売上・利益とも大幅増を達成しました。AIや次世代半導体関連の需要が想定以上に拡大し、検査装置市場での優位性を活かした堅実な成長が確認されています。特にサービス部門の顕著な伸びと財務体質の改善は、多くの投資家から高く評価されています。
足元の株価評価と今後の見通し
- PBR 8.08倍、PER 28.3倍、利回り1.75%
- 時価総額は1兆7,749億円に達する
- 次回決算発表は2025年10月下旬を予定
- 一部大手証券では中立評価も、目標株価は18,000円に据え置き
- 26年6月期の業績予想には慎重な見方もあり、継続的な増収増益を目指す展開
株価指標の観点では、PERやPBRがやや高水準で推移しているため、“過熱感”に対する警戒感も一部で指摘されています。一方で、時価総額は1.7兆円を突破しており、国内外の機関投資家からの評価も引き続き高い状況です。米系大手証券はレーティングを引き下げつつも、目標株価は18,000円と据え置いています。業績面では、2026年6月期は保守的な会社予想となっているものの、アナリストコンセンサスは依然として高水準です。
ハイテクシフト本格化と個人投資家の動向
- 国内外を問わず、ハイテクセクターへの資金流入が続く
- 個人投資家も積極姿勢に転じている
- 一方で、<過熱警戒>や短期売買のリスクも拡大
日経平均が過去最高値を更新するなか、AI・半導体を中心としたハイテク銘柄への投資マネーは堅調に流れ込んでいます。とくに個人投資家が強気に転じている点も、直近の出来高増や急騰に一因があると考えられます。ただし、こうした急上昇局面では、「過熱感」や短期的な反動による調整リスクも十分に意識する必要があります。
市場関係者の見方と今後のポイント
- 「成長期待と短期的な過熱感が同居」する局面
- 次世代半導体製造装置・AI関連分野への需要が株価のベースに
- 2025年10月下旬の次回決算発表が今後の材料として注目される
市場関係者の見解としては、AI社会の到来による半導体需要拡大が今後数年間のレーザーテック株価を下支えするとの期待が根強い一方、急ピッチな株価上昇や高いPER水準には慎重な見方も共存しています。来月下旬には2026年6月期第1四半期の決算発表が控えており、その内容によって今後のトレンドが大きく左右される可能性が高いでしょう。
まとめ――これからの投資戦略を考える
レーザーテック株はAI・半導体市場の成長トレンドを象徴する存在として、2025年9月の日本株最高値局面で注目を集めました。しかし、短期的な急騰相場では調整局面にも十分な注意が必要です。長期的な成長期待を持ちつつも、今後の決算動向やグローバルな半導体需要の変動、市場の過熱感への冷静な対応が欠かせません。個人投資家としては、引き続き情報収集とリスクのバランスを重視したいところです。
参考:主なデータ・指標
- 株価(2025/09/18現在):始値18,465円/終値17,055円
- 時価総額:1兆7,749億円
- PER:28.3倍/PBR:8.08倍
- 営業利益(2025年6月期):1,228億4,300万円(前年比+51.0%)
- 決算発表日:2025年10月下旬予定
- 目標株価(大手証券):18,000円




