東京エレクトロン株価、強気評価に転じる ~アナリストが語る、今後の展望と現状分析~

アナリスト評価が「強気」に転換、目標株価は29,400円へ

2025年9月18日、米系大手証券会社が東京エレクトロン(東エレク)のレーティングを「強気」に引き上げ、目標株価を29,400円まで引き上げた、というニュースが投資家の注目を集めています。従来の目標株価よりも高く設定されたことから、市場では同社の将来性や事業環境への評価が大きく改善されたと受け止められています。

株価推移~2025年9月中旬の動向~

  • 2025年9月18日の終値は25,455円で、前日より大きく上昇
  • 取引高も約1,000万株超と高水準を記録
  • 直近では21,000円台前半から25,000円台半ばまでわずか2週間弱で急伸
  • 年初来では2025年4月の16,560円(年初来安値)から、6月末には28,540円(年初来高値)をつけるなど、大きな変動がみられる

特に9月中旬以降は、ハイテク株への資金流入や米市場の堅調さ、そしてアナリストの強気な評価変更を材料に、東エレク株が再び買い優勢となりました

今期業績と売上・利益推移

2026年3月期第一四半期の連結決算では、売上高5,495億円(前年同期比1.0%減)、営業利益1,446億円(同12.7%減)となり、売上、利益とも前年をわずかに下回る結果となりました。
生成AI向け半導体需要が増加した一方、中国の設備投資一服や研究開発費の増加によるコスト増が響いています。加えて、通期見通しも下方修正し、業績連動型の配当予想も引き下げられました。ただし、自己資本比率は74.0%と高く、財務基盤は一層強化されています。

証券アナリスト予想と市場評価

  • 2025年9月19日時点のアナリストコンセンサスは「買い」
  • 平均目標株価は27,590円(現株価との乖離率約8%)
  • 「強気買い」11名、「買い」5名、「中立」5名、「売り」1名という内訳
  • 2026年3月期のアナリスト予想売上高2兆3,763億円、純利益4,735億円(※会社予想は売上2兆3,500億円、純利益4,440億円)
年度 売上高 純利益
2023年3月期 2兆2,090億円 4,715億円
2024年3月期 1兆8,305億円 3,639億円
2025年3月期 2兆4,316億円 5,441億円
2026年3月期(予想) 2兆3,763億円 4,735億円

※単位:百万円

ここ数年は、AIや5G関連にとどまらず、先端技術分野全体における設備投資の機運拡大、次世代半導体の高需要が業績の原動力となっています。

市況のポイント~東エレクとハイテク株シフト~

  • ここ数日の「ハイテク株シフト」により、半導体関連株全体が再び上昇気流
  • 一方で、短期的な過熱感も指摘され、利益確定売りのタイミングを探る動きも見られる
  • 東エレクについては「短期的な過熱」や「窓埋め(金額帯の修正)」の可能性が挙げられているものの、中長期的には引き続き高い投資妙味が意識されています

短期的にはテクニカル面での調整圧力への警戒感もありますが、ファンダメンタルズの堅調さが下支えとなりやすい相場環境となっています。

個人投資家への注目点と今後のポイント

  • アナリストの「強気」レーティングや目標株価引き上げは、個人投資家にも前向き材料
  • 短期的な値動きだけではなく、中長期の事業成長や業績動向にも注目を
  • 今後も技術革新や世界的な半導体需要動向に左右されやすい局面が続く見通し

最新の株価動向、アナリスト予想、業績・財務状況などを踏まえると、東京エレクトロンは引き続き投資家にとって注目の銘柄であることは間違いありません。

まとめ:東京エレクトロンの今後に期待

2025年後半の現在、東京エレクトロンの株価はアナリストの高評価、ハイテクセクターへの資金流入といった外部環境に支えられ、堅調な推移を続けています
短期的な株価過熱への注意が必要な一方で、中長期的に見れば半導体市場の伸びや業績見通しの明るさを背景に、引き続き注目度の高い企業であると言えるでしょう。
市況を見極めながら、自身の投資スタンスを明確にして臨むことが、これからの資産形成において重要です。

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