NASDAQ100が史上最高値を更新 ― 米国株式市場の最新動向と今後の展望
はじめに
2025年9月18日、NASDAQ100指数が記録的な高値をつけ、米国株式市場全体が活気づいています。米国主要株価指数であるダウ平均株価、S&P 500、そしてNASDAQ総合指数はいずれも過去最高値を更新し、投資家たちの注目を集めました。なかでも、テクノロジー企業を中心としたNASDAQ100は一時10日続伸が視野に入り、市場関係者からは期待と警戒が交錯する空気が漂っています。この記事では、NASDAQ100を巡る直近のニュースや市場環境を初心者でも分かりやすく解説し、その背景や今後の動向について優しい口調で丁寧にお伝えします。
米国株式市場の最新動向
- ダウ平均株価は続伸。9月18日午前のニューヨーク市場では、ダウ工業株30種平均が前日比172ドル高と、しっかりとした値動きとなりました。
- NASDAQ総合指数も堅調。同じく午前時点で234ポイント高の22,495ポイントを記録し、一時的に取引時間中の最高値を更新しました。ハイテク株の力強い上昇が目立ちました。
- 米労働省の新規失業保険申請や、フィラデルフィア連銀管轄の製造業指数も市場予想を上回り、米国景気への安心感が強まりました。
- 一方で、民間調査会社が発表した景気先行指数はやや下落し、楽観一辺倒ではない点も示唆されています。
このように、米国株の三大指数は総じて好調な推移を見せていますが、金融政策や個別銘柄の動き、景気指標など複合的な要因が絡み合っています。
NASDAQ100の値動きとテクニカル分析
- 9月17日のNASDAQ100終値は24,223.69ポイント(前日比-0.21%)。FRBの0.25%利下げ決定直後は伸び悩む場面もありましたが、日足チャートではローソク足が陽線を維持し、5営業日続伸が続いています。
- テクニカル面では平均足が買い優勢を示し、3日連続して24,000ポイント台を維持。上値が重いものの、引き続き高値圏での攻防が続いています。
- 1時間足では取引半ばに下落しつつも後半にはしっかり反発。短期的には16日高値がひとつの節目となっており、反落と反発がせめぎ合う展開です。
このように、NASDAQ100は強い買い意欲に支えられながらも高値警戒感が強まる中で上下の攻防が続いている状況です。とくに24,000ポイントを上下どちらにブレイクするかが注目されています。
米国金融政策と市場への影響
米連邦準備制度理事会(FRB)は、9月17日の連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%の利下げを決定し、政策金利は4.00〜4.25%となりました。さらに年内0.5%の追加利下げも示唆されています。これにより、市場では一段の金融緩和期待が高まっていますが、FRBパウエル議長は過度な金融期待をけん制する発言も行い、市場は慎重なムードを保っています。
- 利下げは株式市場にプラスとされる一方、企業業績や景気回復が本格化するかどうかには不透明感も。
- 景気指標の改善、失業率の減少は投資心理を支える材料です。
- 製造業指数など一部指標は市場予想を上回り、米景気への楽観ムードを後押ししています。
このような金融政策の動向は、テクノロジー株を中心としたNASDAQ100にも大きな影響を及ぼしているといえます。
個別銘柄の関心動向
NASDAQ100に含まれる大型テック株では明暗が分かれています。
- 上昇銘柄 ― マーベル・テクノロジー(MRVL)、アドビ(ADBE)、ネットフリックス(NFLX)、シスコ・システムズ(CSCO)、テスラ(TSLA)など。
- 下落銘柄 ― エヌビディア(NVDA)、アルファベット(GOOGL)、メタ・プラットフォームズ(META)、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)、パランティア・テクノロジーズ(PLTR)など。
特に、エヌビディアは半導体業界で話題となり、インテルへの多額(50億ドル)の資本投入が発表されたことで株価が上伸。インテルが急騰する一方、エヌビディア自身は2.6%高の高値圏を記録しています。その一方で、アルファベットやメタといった主要IT企業の株価下落が全体に重石となる側面も見られています。
NASDAQ100のパフォーマンス
国内投資信託「eMAXIS NASDAQ100インデックス」によれば、過去1か月の騰落率は+2.53%、3か月で+14.82%、6か月で+22.41%、1年の騰落率は+31.58%、3年で+112.04%と抜群の成長を示しています。この数値からも、NASDAQ100指数がいかに長期的に堅調なリターンを生み出してきたかが分かります。
- テクノロジー株中心の構成銘柄が高い成長率を牽引
- 米国経済の回復や金融政策のサポートが大きな追い風
投資家の利益確定意欲と相場の転換点
NASDAQ100が10日続伸を視野に入れるほどの高値を更新しているなか、市場参加者からは「利益確定を意識する動きが強まるのでは」との声も聞かれます。高値水準が続くと警戒感も強まり、特に個人投資家は利食いのタイミングを探る傾向が見受けられます。
- 高値圏では一定の利益確定売りが出やすい
- 金融政策の動向や個別銘柄の動向次第では、急な調整局面も可能性として念頭に置くべき
- 24,000ポイント台を維持できるかが次の重要な節目
まとめ ― NASDAQ100のこれから
現状、NASDAQ100は金融政策の追い風と個別銘柄の強弱交錯によって史上最高値近辺で堅調に推移しています。金融市場では景気回復へ期待も膨らみますが、一方で高値警戒感や景気指標のばらつき、個別株の急落などリスク要因にも注意が必要です。投資初心者の方は「値上がりの勢いだけでなく、足元の指標や政策変化、世界経済への影響も視野に入れて判断したい」といえます。
今後もNASDAQ100を含む米国主要株価指数の動向に注目しながら、金融政策や景気指標、テクノロジー産業の成長性など焦点を絞った情報収集が大切です。市場の熱気とリスクの両方に目を向け、冷静な判断で相場と向き合うことが求められるでしょう。



