SMBC日興証券が石油関連株の目標株価を相次いで引き上げ

2025年9月16日、国内証券大手のSMBC日興証券が石油関連企業の目標株価を引き上げたことが話題となっています。特にINPEXや出光興産といった主要石油株に対する評価見直しが注目を集めており、これらの企業の株価上昇につながっています。

INPEX株価上昇の背景

SMBC日興証券によるINPEXの目標株価引き上げは、同社の「Profit Booster 500」戦略を背景とした業績予想の上方修正が主な要因となっています。この戦略は、同社が進める収益性向上施策の一環として位置づけられており、今後の業績改善に対する期待が高まっています。

石油・ガス業界では、世界的なエネルギー需要の回復や原油価格の安定化などが追い風となっており、INPEXのような大手企業にとって事業環境が改善している状況です。SMBC日興証券は、こうした外部環境の変化と同社の戦略的取り組みを総合的に評価し、目標株価の見直しに至ったものと考えられます。

出光興産への期待も高まる

一方、出光興産についても、SMBC日興証券は目標株価を引き上げています。この背景には、同社の第2四半期決算における上方修正への期待があります。石油精製・販売事業を主力とする出光興産にとって、燃料需要の回復や製品マージンの改善が業績押し上げ要因として期待されています。

特に、国内での経済活動正常化に伴う燃料需要の増加や、海外事業での収益改善などが、同社の業績向上に寄与するとの見方が強まっています。SMBC日興証券は、こうした要素を踏まえて、出光興産の今後の業績見通しを楽観視している模様です。

SMBC日興証券の業績予想見通し

SMBC日興証券は2025年6月時点で発表した企業業績見通しにおいて、2025年度のNIKKO250(全上場銘柄の時価総額の75%程度をカバー)の経常利益を前期比1.6%増と予想しています。前回予想の6.4%増からは下方修正されましたが、2026年度については10.1%増と二桁成長を予想しており、中長期的な企業業績の回復に期待を寄せています。

業種別では、製造業の2025年度経常利益を前期比8.3%増と予想しており、石油・石炭製品業界も含めて、エネルギー関連企業の業績改善が見込まれています。ただし、「石油石炭」業界については一部下方修正の要因もあったものの、個別企業レベルでは業績改善が期待される企業も多く存在しています。

石油関連株への投資判断

今回のSMBC日興証券による目標株価引き上げは、石油関連株に対する市場の関心を高める結果となっています。同証券の投資評価手法では、目標株価は6~12ヵ月の期間で達成が予想される株価水準として設定されており、投資家にとって重要な判断材料となっています。

INPEXについては、同社が推進する「Profit Booster 500」戦略の効果が業績に反映されることへの期待が高く、中長期的な成長性を評価する声が多く聞かれます。また、出光興産についても、石油精製事業の収益性改善や新規事業への取り組みなどが評価されています。

市場環境と今後の見通し

石油関連株の株価上昇は、世界的なエネルギー市場の動向とも密接に関連しています。原油価格の安定化や、世界経済の回復に伴う需要増加などが、これらの企業の業績改善を支える要因となっています。

特に、日本国内では経済活動の正常化が進んでおり、産業用燃料や輸送用燃料の需要が回復傾向にあります。また、海外事業においても、アジア太平洋地域を中心としたエネルギー需要の拡大が期待されており、石油関連企業にとって追い風となっています。

投資家への影響

SMBC日興証券による目標株価引き上げは、機関投資家や個人投資家の投資判断に大きな影響を与える可能性があります。特に、証券会社のアナリストによる詳細な企業分析に基づく評価は、市場参加者にとって重要な情報源となっています。

今回の評価見直しにより、石油関連株に対する投資資金の流入が加速する可能性もあり、これらの企業の株価動向が注目されています。ただし、投資家は個別企業の業績動向や市場環境の変化を慎重に見極めながら、投資判断を行うことが重要です。

今後も、SMBC日興証券をはじめとする証券会社による企業評価の動向や、石油関連企業の決算発表内容などが、市場の関心を集めることになりそうです。特に、第2四半期決算シーズンにおける各社の業績発表は、投資家にとって重要な判断材料となることが予想されます。

参考元