坂ノ上茜、町中華で伝える“敬老の日”の温もり──「町中華で飲ろうぜ」スペシャル復帰と名店の人生模様

はじめに

坂ノ上茜さんが、1年半ぶりに「町中華で飲ろうぜ」へ“伝道師”としてカムバックし、特別編「敬老の日スペシャル」に出演しました。飲み歩きバラエティの人気企画で、今回彼女が巡ったのは、90歳や91歳といったご高齢の現役店主が腕をふるう、下町の名店たち。放送は2025年9月15日、敬老の日のシンボリックな日にあたりました。
本記事では、坂ノ上茜さんの視点を通し、町中華とご長寿店主の温かな交流、昭和からの歴史を刻む味やエピソードの数々を、優しく丁寧に振り返ります。

「町中華で飲ろうぜ」と坂ノ上茜の歩み

2018年の番組スタート以来、町中華の魅力を全国に発信し続けてきた「町中華で飲ろうぜ」。坂ノ上茜さんは“伝道師”と呼ばれるほどその輪に溶け込んできた存在ですが、1年半に渡る卒業期間を経て、今回はファン待望の“復帰”回となりました 。茜さんの明るい笑顔と正直なリアクション、温かな言葉は、多くの視聴者の心に響いてきました。

敬老の日SPの趣旨──ご長寿店主へ贈る感謝

  • 「町中華で飲ろうぜ」初の敬老の日スペシャル
  • これまで番組が出会ってきたご高齢の現役店主がいる町中華を重点的に再訪問
  • 人々や地域に根差した「町中華」と、高齢になっても変わらぬプロフェッショナリズムへのリスペクト

今回の放送には、玉袋筋太郎さんと並び、坂ノ上茜さんが“伝道師”として加わることで、番組の温かな雰囲気はさらに豊かに。各店で長寿を祝し、店主への感謝状や心からの乾杯を贈りました

巡った名店たちと、店主の輝き

江東区東砂「高龍軒」──90歳2代目と家族の町中華

まず最初に訪れたのは、江東区東砂「高龍軒」。ここでは90歳を迎えた二代目店主と、三人の娘さんが変わらず店を守っていました。店内はアットホームな空気に包まれ、茜さんは瓶ビールを片手に定番の「餃子」を味わいます。
店主は戦中・戦後の苦難を語り、家族で乗り越えてきた町中華繁盛の歴史を披露。豚肉たっぷりの「もやし炒め」も人気で、食と会話がどこまでも温かく交差していました。
「今でもこうして現役で中華鍋を振る姿に、一緒にいる私も力をもらえる気がします」と茜さん。玉袋筋太郎さんと共に、長寿に乾杯しました

板橋区成増「奥州軒」──91歳女将が迎える心の味

二軒目は板橋区成増の「奥州軒」。6年前の初訪問を経て、今回は91歳の女将さんとの再会。満面の笑みで迎え入れた女将の元気さに、登場するメンバー全員が驚きます。
「レモンサワー」とともに供されるのは、家族思いの赤い「麻婆豆腐」や、「ラーメンと半炒飯」といった昭和の定番メニュー。「こうして何十年も店に立ち続ける姿は、まさに町の宝ですね」と茜さんは語ります。

葛飾区堀切「来集軒」──“100歳ラーメン”を目指す店主の夢

「来集軒」は茜さんが4年ぶり、通算3回目の訪店。100歳を目標に現役で店を守る店主の健在ぶりに、地元の客もスタッフも大きな拍手。
ビールを飲み干し、名物「餃子」と「レバニラ炒め」に舌鼓。90歳の今もなお熱気あふれる中華鍋さばきに、茜さんの感動は頂点に達します。
「“100歳ラーメン”、本当にこの町にあったらうれしいな…心からそう思いました」と、涙ぐむ場面も――町中華の本質、その人そのものの物語に、会場全体がほっこりと包まれました

所沢「栄華」──芋焼酎「森伊蔵」で敬老の日に乾杯

かつての訪問時と変わらぬ明るさで迎えてくれたのは、今年91歳になるご夫婦が守る「栄華」。今回は幻の芋焼酎「森伊蔵」でストレート乾杯。
しみじみとした昭和の味、シンプルチャーハンに箸をすすめつつ、町の移り変わりについて語り合います。
「こういう味が、いつまでも町に残っていたらいいな」と茜さん。90歳を超えてもキッチンに立ち続ける姿に、町中華の本髄を見たのでした

令和の町中華ブームに連なる“人”の物語

近年、昭和レトロや町中華ブームが再燃する一方で、高齢化・人手不足や、後継者問題という現実も町中華の前に立ちはだかっています。
「昔ながらの味を絶やさない」その裏には、店主たちのひたむきさと、家族・地域に支えられて生きてきた人生模様があります。坂ノ上茜さんは、そうした“人”こそが町中華の大きな財産だと語りました。
「この場所には、家族や常連、お店を通じて育まれた思い出がぎゅっと詰まっているんです」

番組の化学反応──伝道師の復活と新しい流れ

  • 坂ノ上茜さん復帰で、懐かしさやファンの声が高まった
  • 2024年春からは樋口日奈さん・清田みくりさんも新レギュラーに
  • RHYMESTER宇多丸やGLAYのHISASHIさんなど、ジャンルを越えたゲストの参戦も話題

町中華の輪は広がり、老舗のバトンと共に、次世代へ文化が伝えられています。

“伝道師”坂ノ上茜さんからメッセージ

「どんなに街や時代が変わっても、町中華はみんなの憩いの場。変わらぬ味で迎えてくれる店主さんを、これからもずっと応援したいです。敬老の日、本当にありがとうございました」
坂ノ上茜さんの優しいまなざし、素直な笑顔が、町中華の新たな希望の灯となりました。

おわりに──町中華でつながる世代と時間

高齢の店主が中華鍋を振るう姿に、町の人々が寄り添い、温かい言葉が店内を満たす。この日、坂ノ上茜さんと「町中華で飲ろうぜ」が伝えたかったものは、「食」を通じた感謝と尊敬、そして世代を越えるコミュニケーションの大切さです。
下町の一角で、今日も店主は「いらっしゃい」と笑顔で迎えてくれる──そんな景色が続いていくことを、心から願ってやみません。

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