いよいよ閉幕へ—熱気高まる大阪・関西万博と「ミャクミャク」人気の舞台裏
万博閉幕までついに1ヵ月、盛り上がる会場と来場者の熱気
2025年9月――大阪・関西万博がいよいよ閉幕まで1ヵ月と迫りました。会場では各国パビリオンや最先端技術の展示が注目を集める一方、公式キャラクター「ミャクミャク」が異例の人気を博しています。毎日、多くのファンが「聖地巡礼」と称して来場し、キャラクターグッズ売り場などで長蛇の列ができている様子が各メディアでも取り上げられています。「万博ブーム」とも呼べる熱気が、閉幕を前にますます高まっています。
ミャクミャク人気の秘密——奇抜なデザインから「愛されキャラ」へ
ミャクミャクが公式キャラクターとして発表された当初、その独特なデザインには「気持ち悪い」「怖い」といった否定的な声も多数寄せられていました。しかし、今やすっかり「国民的マスコット」として認知され、一日の来場者の多くがミャクミャクグッズを求めて会場内を歩いています。
関係者によれば、こうした人気の裏には万博運営側が「気運を高めるためにミャクミャクを前面に押し出した戦略」「全国区のテレビ番組やSNSで話題化させる広報努力」など、さまざまな苦心があったといいます。
- ミャクミャクとの写真撮影スポットが連日満員
- グッズくじは「2時間待ち」が当たり前
- 子どもから大人まで幅広い層が“推し”に
- 会場外でも“ミャクミャク巡礼”を楽しむファンが急増
SNS上で広がる“聖地巡礼”とファンアートの輪
閉幕1ヵ月前という節目を迎え、会場や大阪の街中では「聖地巡礼」がブームとなっています。多くのファンが公式グッズを手に、会場内のフォトスポットや万博にゆかりのある場所を訪れて、SNSに写真を投稿。特にX(旧Twitter)やInstagramでは #ミャクミャク巡礼 などのハッシュタグでファン同士が交流し、感動や思い出をシェアするなど「ミャクミャク愛」が一大コミュニティを形成しています。
また、ファンアートや手作りグッズも盛り上がりを見せており、イラストコンテストやオリジナルデザインの展示会、オンライン交換会など、バーチャルでもリアルでも熱い輪が広がっています。
ぬいぐるみ、キーホルダー…グッズ販売が支える万博運営
物理的な“熱”は、公式グッズ売り場にも表れています。
ミャクミャクぬいぐるみくじ(1回2200円)は開催以来大ヒットとなり、その日の入場者の何割かが列を成しています。
当てたぬいぐるみのサイズは3パターンあり、最大は全長80cm。これを抱える子どもたちの笑顔こそ、今の万博の象徴と言えるでしょう。
キーホルダーやお菓子、文房具といった多彩なミャクミャクグッズは約7000種類がラインナップされ、中には新色「黒」のキーホルダーなど期間限定品も登場し、話題となっています。
人気のため、ネットオークションで高額転売されるアイテムも後を絶ちません。
- グッズ売上の8〜10%がロイヤルティーとして万博協会の運営費へ
- 一部収益は知的財産権管理団体に配分
- 詳細な売上は非公開だが、「非常に好調」と運営関係者
課題も浮き彫りに——混雑、暑さ、運営トラブルの克服へ
万博は収益面で好調を見せる一方、「夜に楽しめる場所が少ない」「パビリオンは予約困難」「猛暑による体調不良」など、来場者からの課題指摘も相次いでいます。
運営側は7月から飲食店やグッズコーナーの営業時間を午後9時45分まで延長するなど、満足度向上に向けた施策に取り組んでいますが、
「水辺でのレジオネラ菌検出」や「大量発生する虫」への対応など、課題も残ります。
- 来場者満足度向上の施策が継続的に求められる
- 安全・快適な運営に向けて迅速な対応が不可欠
ミャクミャクはなぜこれほど愛されるのか?
大阪府交野市から訪れた8歳の女の子は「最初は『何これ』と思ったけど、お尻にも目があるし今はかわいい」と語るなど、当初は戸惑いがちな人も、実際に会場で触れ合ったりグッズに親しんだりするうちにその独特の姿に惹かれていったようです。
テレビ番組やイベントで見せるポップかつユーモラスな動き、新商品の登場や季節ごとのデコレーション、そしてファン同士の交流――「みんなでミャクミャクを育ててきた」という実感が、今の熱狂につながっています。
閉幕まで残り1ヵ月——見逃せないラストスパート
大阪・関西万博はあと1ヵ月で閉幕しますが、会場にはフィナーレイベントや記念グッズ販売など、最後まで盛り上がる企画が目白押しです。
ミャクミャクとの思い出づくり、パビリオンの見学、さまざまな人との交流の輪。残された時間で、さらに多くの人が「未来社会の実験場」としての万博体験を楽しむことでしょう。
編集部より——次世代に伝えたい“万博の感動”と「ミャクミャク愛」
万博が社会にもたらすのは、短期的な経済効果や国際交流だけではありません。「ミャクミャク」を通じて、違いや個性、多様性を認め合う新しい価値観が子どもから大人へと広がっているのです。
万博終了後も、こうした「みんなで育てたキャラクター文化」とその思い出が、人々の心の中で長く語り継がれていくことでしょう。