ドンナルンマ加入で新生マンチェスター・シティが始動 ― 監督ペップ・グアルディオラの意図と守護神の覚悟に迫る

マンチェスター・シティ、イタリア代表GKジャンルイジ・ドンナルンマを電撃獲得

2025年夏、マンチェスター・シティはパリ・サンジェルマン(PSG)からイタリア代表GKジャンルイジ・ドンナルンマを完全移籍で獲得したことを発表しました。契約期間は5年で、1年間の延長オプションが付帯しています。移籍金は非公開ですが、一部メディアによるとボーナスを除いて3000万ユーロ(約52億円)前後という大型契約となりました。
この移籍の喜びについてドンナルンマは「マンチェスター・シティのようなクラブに所属できることは、これ以上なく誇りに思うし、とても幸せ」と心境を語っています。また、イタリア代表の合宿中も新天地での挑戦に思いを馳せ、移籍が正式に決まったことについて「落ち着いた気持ちで受け入れている」とコメントしています。

エデルソンの退団と新守護神ドンナルンマの役割

マンチェスター・シティは長年ゴールを守ってきたエデルソンが今夏フェネルバフチェへ移籍。新たな守護神が必要不可欠となっていました。イングランド代表GKジェームズ・トラッフォードもビルドアップのミスから失点に絡むなど安定感に課題があり、移籍市場最終日にドンナルンマの獲得が決定しました。

ドンナルンマは1999年2月25日生まれの26歳。名門ミランの下部組織出身で、16歳でトップチームデビューを果たしました。その後PSGに移籍し、在籍わずか2年で公式戦161試合に出場。昨季は要所でスーパーセーブを連発し、クラブ史上初のチャンピオンズリーグ制覇に大いに貢献しています。

ペップ・グアルディオラ監督のコメント:「エデルソンと同じことはやらせない」

グアルディオラ監督は今回のドンナルンマ獲得に際し、次のように語っています。「我々はエデルソンと同じことをドンナルンマにやらせるために彼を獲得したわけではない。彼には彼の長所があり、苦手とするようなことを無理に要求するつもりはない
これは、近年のシティがエデルソンの足元の技術や前線へのビルドアップ能力を重視していた一方で、ドンナルンマには別の役割を託すという明確なメッセージでもあります。

グアルディオラ監督は「ジャンルイジには彼の良さを最大限発揮してほしい。これまで数々のタイトルを獲得してきたが、新たな挑戦の中で彼独自の強みを生かした守備を期待している」と述べ、チームの戦術面においても柔軟な対応姿勢を示しました。

ドンナルンマ自身の意欲と覚悟

新たな挑戦についてドンナルンマは「プレミアリーグでプレーすることは長年の夢だった」と語ります。
「僕の人生とキャリアにおける新たな章だ。マンチェスター・シティの一員としてプレミアリーグでプレーできることは大きな感動。この挑戦に備えている。クラブのためにピッチに立ち、信頼に応えたい。ここで歴史を作り、多くのトロフィーを獲得したい」と強い決意を表明しています。

また、「ペップ監督は僕をここに招いてくれた。その事実を誇りに思うし、彼の指導を受けられることは最高だ。今からピッチに立つのが待ちきれない」と期待を隠しません。

背番号25の意味

ドンナルンマはこれまで着用したことのなかった背番号25をシティで選択しました。その理由について本人は「新しいクラブで新しい番号を身につけることで、心機一転し、ゼロから挑む気持ちになれる」と動画の中で語っています。

ドンナルンマ獲得の背景 ― PSGでの立場変化と決断

ドンナルンマは昨シーズン終了後、パリ・サンジェルマンがフランス代表GKリュカ・シュヴァリエをリールから獲得したことで、正GKの座が不安定となりました。それでも「監督が自分の判断を下すのは正しいこと。チームメイトの支えで自分の価値を再認識できた」と、冷静に振り返っています。

心から感謝する指揮官ルイス・エンリケとの関係やPSG時代を大事にしつつも、「シティ移籍は新たなチャンス。自分のキャリアにプラスになると直感した」と、チャレンジを恐れない意志を見せたのです。

“新守護神”はシティ再建のキーマンとなれるか

  • マンチェスター・シティは現在、CL王者としてイングランド・プレミアリーグで覇権奪還を狙っています。
  • 抜けたエデルソンの穴を完全に埋められる存在が求められる中、世界最高峰の実力を持つドンナルンマには大きな期待が寄せられています。
  • 新天地の環境でいかに早くフィットし、守備の安定と戦術的な柔軟さをもたらせるか――それが今季のシティの浮沈を左右すると言えるでしょう。

チーム、サポーターへのメッセージ

最後に、ドンナルンマは加入に際してシティのファン、チーム関係者へのメッセージも発しました。「シティの全ての人に感謝しています。皆さんの期待に応えられるよう、全力を尽くします。そして、どんな困難があっても一緒に乗り越えましょう。新たな歴史を皆さんとともに作りたい」と語り、サポーターから大きな歓迎を受けています。

まとめ―個性と戦略を重視する新時代のマンチェスター・シティ

エデルソンからドンナルンマへ――守護神交代は一つの大きな転機です。しかし、単なる“エデルソンの代わり”ではなく、「新しい曼陀羅を描く存在」として、自らの力を証明し、ペップ・グアルディオラ監督指導の下で進化していくでしょう。
個々の特色を最大限に生かしつつ、世界一のクラブを目指すマンチェスター・シティ。ドンナルンマがこの挑戦の先端に立ちます。今後のシティの快進撃、そして“ジャンルイジ・ドンナルンマ”という存在がどれだけチームの歴史を塗り替えていくのか、世界中のサッカーファンの熱い注目が集まっています。

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