クロワデュノール、フランス遠征でプランスドランジュ賞に挑戦 ― 凱旋門賞への道を歩む日本のダービー馬

はじめに ― 日本競馬界の新たな挑戦

クロワデュノールという名前が、今、日本の競馬ファンの間で大きな注目を集めています。2025年9月14日、フランス・パリロンシャン競馬場で開催されるプランスドランジュ賞(G3・芝2000m)に、日本ダービー馬クロワデュノールが出走します。このレースは、10月上旬の世界最高峰レースである凱旋門賞への重要な前哨戦。クロワデュノールにとっても、出走する全馬にとっても、今後の進路を左右する大一番となります。

クロワデュノールの現状と調整 ― 挑戦へ向けて充実のコンディション

クロワデュノールは現在、斉藤崇史調教師のもとで調整が進んでおり、凱旋門賞に向けた姿勢はきわめて前向きです。主戦騎手には北村友一騎手が続投。9月10日にフランス・エーグル調教場にて行われた最終追い切りでは、軽快な動きを見せ、チーム陣営からも「馬の状態自体は非常に良い」と高い評価が寄せられています。現地メディアや日本の競馬ファンからもその動きが注目されており、現状、クロワデュノールの体調や精神状態には全く問題は見られません。

プランスドランジュ賞の概要 ― 少頭数でもハイレベルの一戦

プランスドランジュ賞はフランス競馬の伝統ある重賞レースで、秋の大舞台・凱旋門賞への重要なステップレースです。今年は7頭立て。発走は現地時間の14時33分(日本時間21時33分)を予定しています。

  • 開催日: 2025年9月14日(日)
  • 会場: パリロンシャン競馬場
  • 距離: 芝2000m
  • クロワデュノールの枠順: 5番

5番ゲートは内外どちらにも偏らない絶妙な枠。少頭数ゆえに序盤の位置取りや折り合いにも注目が集まります。

ライバルを徹底解説 ― 強豪が揃う国際舞台

日刊スポーツなどでも話題となった通り、今年のプランスドランジュ賞はクロワデュノールだけでなく、ヨーロッパの有力馬が顔を揃えます。実力馬が集結しており、決して楽な戦いではありません。ここでは主要なライバルを紹介します。

  • ボルスター(牡5歳・P.ジャマン騎乗):
    ベテランの持ち味を生かした安定した走りが特徴。実績十分で、序盤から積極的なレース運びが予想されます。
  • デアリングプリンス(牡4歳・T.バシュロ騎乗):
    フランス国内で力をつけてきた新鋭。先行力と粘り強さが武器で、良馬場でも重馬場でも安定したパフォーマンスを見せています。
  • ダリズ(牡3歳・M.バルザローナ騎乗):
    今年充実著しい3歳馬。ゲートは7番と外枠に入りますが、スタートダッシュには定評あり。後半の末脚も魅力です。
  • ウスレッド(セン3歳・A.マダムト騎乗):
    長い直線を活かした差し脚が得意。ペース次第では上位進出も期待されます。
  • ナフラーン(牡3歳・O.マーフィー騎乗):
    英国の名門・ゴスデン厩舎からの参戦。若さと勢いを兼ね備えており、侮れない存在です。
  • デュモネ(牡3歳・C.デムーロ騎乗):
    フランスのトップジョッキーが手綱を取る期待馬。地元ファンからも注目を集めています。

現地メディア・識者の展望と注目ポイント

フランスの競馬専門誌や現地メディアは「クロワデュノールのライバルは手ごわい」と報じ、総合力の問われるレースになるとの見方が多く伝えられています。クロワデュノールはこれが海外重賞初挑戦だけに、輸送や初めての馬場、独特のロンシャンの芝にも対応力が求められるでしょう。一方で、直近の追い切りでみせたフットワークや判断力については高評価。日本調教馬としての誇りと実力を、強敵相手にどこまで発揮できるか。多くのフランス競馬ファンや、現地に駆けつけた日本人サポーターたちも大きな期待を寄せています。

クロワデュノール陣営のコメントとレース戦略

陣営によれば「馬の状態が非常に良い。ここを通過点として凱旋門賞へ万全の態勢を整えたい」との意向が示されています。追い切りの動きからもわかるように、目下の課題は「本番でいかにクロワデュノールらしい柔らかい走りを貫けるか」。距離適性やペース配分、現地の気候や芝のコンディションに順応する柔軟さ、それらを支える騎手・北村友一のレース運びも注目ポイントです。

凱旋門賞へ向けて ― 夢と挑戦の物語

プランスドランジュ賞の結果は、クロワデュノールが今年の凱旋門賞戦線においてどんな立ち位置にあるのかを示す重要な指標となります。過去にも日本馬が凱旋門賞へ挑み続け、幾度となく「あと一歩」に涙してきました。しかし着実に世界との距離は縮まっており、国際舞台で戦う日本馬への期待は年を追うごとに高まっています。

プランスドランジュ賞という伝統あるレースは、クロワデュノールにとってただのステップではありません。「自分たちの競馬が世界に通用するのか」を試す真剣勝負の舞台。勝っても負けても、その一点一点の挑戦が新しい歴史を刻むのです。

おわりに ― 競馬ファンへ、熱き応援を!

クロワデュノールのヨーロッパ遠征は、単なる一頭の挑戦にとどまりません。日本競馬の未来を示す大きな一歩となるでしょう。多くの競馬ファンが、彼とそのチームの健闘を願っています。9月14日のパリロンシャン、2000メートルの熱きドラマを、どうぞご期待ください。

この歴史的な一戦から、きっと新たな夢が生まれるはずです。

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