タカアンドトシと「フットンダ~秋の陣~」――11年半ぶりの車座復活、その舞台裏とタカトシが語る“今”のお笑い
タカアンドトシ――その名を聞いて、芸人としての鋭いツッコミと絶妙なボケ、美食家タカの食リポ、そして20年前の「欧米か!」という伝説的ツッコミを思い出す人も多いでしょう。そのタカアンドトシをMCに、長年に渡り“真夜中の笑点”として親しまれてきたお笑いバラエティ番組「フットンダ」。2025年9月、「フットンダ~秋の陣~」として、11年半ぶりに“車座スタイル”でのレギュラー形態が特別復活を遂げました。本記事では、その舞台裏、収録現場の空気、そしてタカアンドトシが実感する令和お笑い界の今を丁寧に紐解いていきます。
「フットンダ~秋の陣~」とは?
「フットンダ」は2009年4月から2014年3月まで深夜帯でレギュラー放送され、その後も元日に特番として「フットンダ王決定戦」が放送されてきた人気番組です。番組のルールは明快。MCにタカアンドトシ、ゲスト回答者数組が登場し、出題される言葉やフレーズを「モジる」または「イジる」ことでユーモアに昇華。その回答が爆笑を生むと、布団が吹っ飛ぶ(=“フットンダ”)という演出が名物となっています。まさに“深夜の大喜利”番組の代名詞です。
2025年9月17日と24日に放送される「フットンダ~秋の陣~」は、2014年3月のレギュラー放送終了以来、約11年半ぶりの“車座スタイル”での復活。この車座スタイルとは、芸人たちが卓を囲んで座り、アットホームな雰囲気でお題に挑戦し合うというもの。近年は賞レース色の強い特番のみだったため、「本来の、争わず緩やかに笑い合う雰囲気」に回帰する形となります。
アットホームな現場の温度感―収録レポート
収録現場はどこまでも和気あいあいとした空気。その最大の理由は「みんなでくだらないことを延々とやる」原点回帰にあります。トシは「やっぱりこの形がしっくりきますね」と語り、「バカバカしいことを一緒に笑って、みんなで助け合う感じが今の時代に合っている」と語っています。お正月の特番「王決定戦」では競争や賞レース的な緊張感が特徴ですが、今回の特別版では争いを避け、お互いをフォローしながらただただ笑い合うという“昔のフットンダ”そのものの空気が広がっていました。
さらに、今回の参加芸人たちは「昔フットンダを見て育った世代」。彼らは「フトチル」とも呼ばれ、“子供時代にフットンダを観て笑っていた若手”が、番組に出演し大喜利で競い合うという、時代の流れを感じさせる構図となっています。「懐かしさと新しさがうまく混ざり合っていて、見ていても本当に楽しい」とタカも収録後に語りました。
「車座」が意味するもの――“争わない”スタイルの意義
元祖のフットンダは、芸人たちが競争する“賞レース”というより、「みんなで助け合って面白いことを言い合う」というゆるやかなチーム戦の側面が強いものでした。その伝統を、今回の特別版でも継承。タカは「今の若い子たちが自然にこの空気に溶け込み、お互いフォローし合う姿勢を見せてくれるのが嬉しい」と話します。
- 勝ち負けを強調せず、ネタを自由に広げていく
- ベテランも若手も同じリングで活躍できる
- 互いのアイデアが化学反応し、笑いが連鎖する
これは、今の若手芸人たちの“台頭”にもつながります。「昔は上下関係も厳しかったけど、今はみんなでフラットに笑い合える空気が主流になってきた」とタカアンドトシは語ります。昔ながらの車座という形式が、2025年の今、“世代を超えた笑い”を紡ぐ最高の装置となっているのです。
20年目の「欧米か!」――タカアンドトシが見たお笑い界の現在地
「欧米か!」――2005年に大ブレイクを果たし、今なお語り継がれるあの伝説のフレーズから、早くも20年。タカアンドトシは現在、お笑い界の変化をどう見ているのでしょうか。
トシは「本当に若手が達者。今の若い芸人さんたちの技術や発想力、度胸は、自分たちが同じくらいの年齢のときとは比べ物にならない」と、その進化を素直な驚きとともに語ります。一方で、「昔はネタ合わせや練習の環境づくりにも苦労したが、今はネットや動画など、情報や学習のチャンスが増えている」と背景を分析。「自分たちは20年やって“芸歴”と呼ばれるけれど、今の若手はたった数年で驚くほど力を付けている」と最大級の賛辞を贈っています。
- 若手芸人の“ネタ作り力”や“表現力”の向上
- 先輩・後輩の垣根を越えた切磋琢磨
- SNS時代ならではの“スピード感”あるお笑い進化
逆にタカは「自分たちもまだ進化できる。後輩とは言え、実力ある芸人から刺激を受けながら、これからも前線で戦っていきたい」と話し、先輩と後輩の関係性の変化にも触れています。20年前と比べ、今のお笑い界は「仲間意識」と「多様性」がより強調される場となっているのです。
レギュラー時代の“原点回帰”が持つ意味
2014年のレギュラー放送終了以降、賞レース化という形で続いてきた「フットンダ」。今回の「秋の陣」では、あえて原点である“車座”形式に立ち返った意味について、タカアンドトシは「今の社会の空気や時代背景ともリンクしている」と語ります。争いや競争ではなく、「共感」「助け合い」「団らん」による笑い。それは多くの視聴者にとって“安心できる、癒される”時間として届けられるはずです。
また、出演者同士がお互いの笑いに乗っかり、「ボケ」に「ボケ」を重ね、「ツッコミ」も瞬時にアシスト。見ていて「あ、みんな本気で楽しんでるんだな」と実感できる、“現場の自由度と温かさ”が画面越しにも伝わる時間となっています。
「フットンダ~秋の陣~」放送情報
- 放送日時:2025年9月17日(水)・24日(水) 24:29~24:54
- 放送局:中京テレビ・日本テレビ系全国ネット(日本テレビ系28局+TOS・UMK30局ネット)
- 配信:TVer、Locipoでも配信
- MC:タカアンドトシ
- 出演芸人:番組公式サイトやオンエアで発表
なお、公式X(旧Twitter)では「#フットンダ」で最新情報や裏話も続々発信中。視聴者の感想や芸人同士の絡みなどもリアルタイムで楽しむことができます。
まとめ――「笑いの原点」としてのタカアンドトシ、次世代芸人たちの共演
伝統ある「フットンダ」の車座復活は、世代を超えた“笑い合い”の原点回帰であり、タカアンドトシの笑いにかける真っ直ぐな姿勢がより鮮明になった瞬間でもありました。今の若手芸人の台頭、先輩・後輩の架け橋、そして温かい空気感。今回の特別版が投げかけるのは「競争より共感」「勝ち負けより一緒に笑う時間」なのです。
お笑い界にまた一つ、心温まる物語が刻まれました。ぜひ、放送や配信を通じて、その空気、そして今のタカアンドトシの言葉とともに、あなたも笑いの輪に加わってみてください。