阪神タイガース優勝の立役者、デュプランティエが語る「最高に楽しかった1年」
2025年、阪神タイガースは見事セ・リーグ優勝を果たしました。その中心にいたのが、今季から来日したジョン・デュプランティエ投手(31)です。初のNPB挑戦となった彼は、リーグ優勝という最高の舞台で輝きを放ち、チームの快進撃を支えました。本記事では、デュプランティエ本人の言葉や、チームメイトとの交流、優勝の舞台裏までをたっぷりとご紹介します。
デュプランティエ、阪神タイガースでの鮮烈な一年
アメリカ合衆国デラウェア州ニューアーク出身の右腕、ジョン・デュプランティエ。これまでMLBやマイナーリーグでの経験を経て、2025年シーズンに阪神タイガースへ加入しました。来日1年目ながら、開幕から安定した投球を続け、チームの戦力として欠かせない存在となります。
今季はすでに2度の完封勝利を含む6勝(9月8日時点)をマーク。防御率・イニング・内容とも質の高い投球を見せました。
「当たり前が当たり前でなくなる怖さ」——優勝インタビューより
デュプランティエは9月の優勝直後に行われたインタビューで、「こういうチャンスをもらえたことに感謝している」と喜びを語りました。遠い異国の地でプレーすることに対し、「正直に言うと怖さもあったし、不安もある中で、いろんな人と出会えたことは本当に自分の財産になる」と心境を明かしています。
- 異文化での挑戦:渡日による言語・文化の壁、生活リズムや野球文化の違いを乗り越えてきた。
- 仲間との絆:「外国人選手同士、不安や孤独を共有することで、強い絆が生まれた。」
- プロとしての責任:「マウンドに立って役割を任されたとき、自分がやるべきことを完遂できた。」
また、彼は「自分のシーズンの仕事はできたと思う。チームの勝利に貢献するということはできたんじゃないか」。しかし「完璧ではない部分や改善すべき部分もあったので、そこを次の登板につなげること、それも大きな成長だった」とも語り、自分の投球を冷静に見つめ直す姿勢を見せました。
日本野球特有の「怖さ」、そして乗り越えた充実感
デュプランティエにとって、日本での第一歩は決して平坦なものではありませんでした。多くの外国人選手が直面する「期待と不安」という壁。彼は「当たり前が当たり前でなくなる怖さ」「何かを失った時、そのありがたさが本当によく分かる」と、異国での孤独やプレッシャーの大きさを述懐しています。
しかし、それを乗り越えられた最大の理由は「多くの仲間たちの支え」と「チーム全体の雰囲気」でした。阪神タイガースの温かいクラブハウスには、ネルソン、ハートウィグ、ヘルナンデス、ビーズリーといった外国人選手らが同じ悩みを共有し、励まし合いながら戦ってきたのです。
「最高に楽しかった1年」——一番感謝したい人たち
デュプランティエは優勝後のインタビューで「野球人生の中で最高に楽しかった1年だった」と語ります。その理由について、彼はチームメイトのみならず、阪神ファン、首脳陣、球場スタッフといった「阪神に関わるすべての人に支えられた」と感謝しました。
- バッテリー、特に坂本捕手との信頼関係:「正直、怖かったこともあったが、坂本選手がうまくリードしてくれたことで自分の能力を最大限に発揮できた」
- ファンの後押し:甲子園の大声援が「自分の背中を後押ししてくれた」
- 監督・コーチ陣のサポート:不安や迷いを汲み取り、常に見守り、的確なアドバイスをくれたことへの感謝
阪神タイガース2025年の快進撃、その秘密
デュプランティエの活躍は、阪神タイガースの「隙のない強さ」を象徴しています。今季の阪神は、先発投手陣の安定感が際立ちました。村上、才木、大竹、及川、伊原、伊藤将、そして新加入のデュプランティエが高いレベルでローテーションを構築し、僅差の試合も確実にものにしてきました。
- 打線も強力:佐藤輝のホームラン、森下の長打力、近本・中野・熊谷などの走力がチームの攻撃バリエーションを豊かにしています。
- 守備・投手力の両立:鉄壁の守備陣に加え、小川をはじめとしたリリーフ陣も安定。
- クラブハウスの雰囲気:異文化交流を通した結束、支え合いが士気を高める土壌になりました。
坂本捕手への特別な感謝と、マウンド上での「楽しさ」
デュプランティエは「作り上げていく登板は楽しかった」と語っています。とりわけ、坂本捕手とのバッテリーで投げる試合では、最初は「正直怖かった」と振り返りつつ、「坂本さんが自分としっかり話をしてくれたことで、安心感と信頼感を持ってマウンドに立つことができた」と感謝の意を表しました。
「自分の特徴やクセを理解してリードしてくれた。難しい局面でも冷静に声をかけてくれ、その一言一言に励まされました。登板ごとに成長できたのは坂本選手のおかげ」と、強い信頼を明かします。この「綿密なコミュニケーションと信頼関係」こそが、彼の好投を支えた最大の要因だったと言えるでしょう。
今後の展望とファンへのメッセージ
リーグ優勝を成し遂げたデュプランティエは、「もしもう一度同じ選択ができるなら、迷わず日本に来る」と断言しました。「この一年で経験したこと、出会った人たちは自分の宝物。これからもチームの勝利のため、自分にできるすべてを尽くしたい」と力強い言葉を残しています。
そしてファンへ向けても、「甲子園での応援は本当にすごかった。あれほどの声援を受けたことは今までなかった。心から感謝しています」と、熱いメッセージを送っています。
まとめ:デュプランティエとタイガース、歓喜の物語
2025年シーズン、阪神タイガースの快進撃の裏にはデュプランティエの勇気、ひたむきさ、そして何より「仲間」と「ファン」への感謝がありました。チーム一丸となって掴んだ優勝、その立役者が語る「楽しかった1年」は、ファンにとっても忘れられない記憶となるはずです。今後も彼の活躍から目が離せません。