ポップマート「ラブブ」ブームの全貌—ブラインドボックス人気とグローバル現象

はじめに

ラブブ(Labubu)は、2025年現在、日本だけでなく世界中で注目を集める中国発のキャラクターグッズです。
この爆発的な人気の背景には、製造元であるポップマート(POP MART)の戦略と、「ブラインドボックス」という独特の販売形態があります。
さらに、模造品の出現や、海外セレブによる発信、転売市場の拡大など、幅広い社会現象へと発展しています。
本記事では、ラブブの魅力、その人気を支えるブラインドボックスの仕組み、社会的な影響、模造品問題まで、幅広く丁寧に解説します。

ラブブとは?――中国発・世界を席巻するキャラクター

ラブブはポップマートが手掛けるキャラクターシリーズ「THE MONSTERS」の主役的存在で、どこか愛嬌のあるユルい表情と独特なフォルムが特徴的です。
2023年ごろから中国の若者文化の中で急速に浸透し、その人気はアジア全域、さらに欧米市場にも広がっています。
シリーズには「PIN FOR LOVE」「Big into Energy」「Exciting Macaron」「Have a seat」など多彩なバリエーションが展開されており、それぞれ異なるテーマカラーや限定デザインがコレクター心をくすぐります。

インフルエンサーの拡散と海外人気

BLACKPINKのリサやデュア・リパなど、グローバルなセレブリティによる発信がSocMedでの熱狂を後押し。
TikTokやInstagramでは、世界各国のユーザーがラブブを手にした動画や写真が続々と投稿され、まさに「社会現象」となっています。
ヨーロッパや中東ではゴールド仕様や限定版が登場するなど、その波及力は計り知れません。

ブラインドボックスという仕掛け――「開けるまで分からない」ワクワク感

ブラインドボックスとは、中身が見えない状態で販売される“サプライズ形式”のパッケージ商品のことで、ラブブ人気の最大の原動力となっています。

  • 開封まで何が入っているか分からない——ガチャガチャ文化に通じる偶然性や期待感が、購入者の「また買いたい!」という欲求をふくらませます。
  • ラインナップの中には、確率でしか当たらない「シークレット」も存在。SNSに「レアが出た!」と自慢投稿が拡散され、コミュニティ内の熱気をさらに上げています。
  • 同じシリーズでも多彩なデザインやテーマを展開。コンプリートを目指して買い集めるコレクターが続出しています。
  • 友人や家族と“開封イベント”を楽しんだり、ゲットしたアイテムの交換会を開くなど、「参加型エンターテインメント」としての側面も持っています。

こうした体験は単なるフィギュア購入の枠を超え、自分だけの運命的な出会い、そして収集の楽しみや“偶然のドラマ”が味わえる独自の世界観を作り出しています。

コレクター市場と転売の現状

ラブブの高まりは、公式ストアを飛び越えてオークションやフリマアプリ、海外市場にも波及しています。
2024年後半から2025年にかけて、ラブブは人気ランキングトップクラスのブランドに成長し、取引量・価格ともに大きく上昇しました。
StockXなどコレクター向けマーケットプレイスでは限定アイテムが高額で取り引きされ、中には「転売ヤー」が争奪戦を繰り広げることも。
SNS映えやレアアイテム人気が、市場の過熱につながっています。

転売市場のリスクと問題点

  • 価格高騰—本来1,500円程度のアイテムが数万円で転売されるケースも。
  • 偽造品の氾濫—人気拡大と同時に、模造品の「ラフフ」や密輸品・コピー品が市場に出回り、公式品との見分けが難しくなっています。
  • 購入時の注意—ポップマートは、公式店舗・公式ネットストア、または正規販売店以外での購入リスクを公式サイトやSNSで注意喚起しています。

実際、中国では密輸や偽造品の摘発事件も報じられており、消費者が「本物」を手に入れるためには情報収集や注意が一層求められる状況です。

なぜラブブが世界的に注目されるのか?——背景・仕組み・心理

1.“ガチャ体験”が現代の消費者心理に刺さる

「何が出るかわからない」「運命の一体に会いたい」というガチャ要素が、スマホ世代・Z世代に刺さりやすく、単なる玩具以上の体験価値を生み出しています。
「ブラインドボックスを巡る”ドラマ”」がSNSで話題となり、その波が世界中へ広がっています。

2.セレブリティとの親和性、SNS拡散力

ラブブをカバンやアクセサリーとして愛用する有名人が続出。BLACKPINKリサやデュア・リパなど、ファッションやカルチャーに影響力の大きいセレブリティがInstagramやTikTokで紹介すると、一気に“あこがれアイテム”へと昇格します。

3.アート性と「癒やし」デザイン

そもそもラブブは、デザイナーズトイ(アートトイ)として芸術性が高いスタイルを持つ“ユルキャラ”です。
日本のキャラクターとは違う絶妙な脱力感や色使いが、アートやイラスト好き、サブカルファンも強く惹きつけています。

4.豊富なシリーズ展開とコレクション欲の刺激

  • 「PIN FOR LOVE」や「Big into Energy」など、毎年異なるテーマと特殊デザインが続々リリース
  • 限定アイテムやシークレット(低確率でしか当たらないレア品)が多数存在し、「全種そろえたい」というコレクター心理を巧みに刺激
  • フリマアプリや現地コミュニティでの交換・トレード文化も盛んに

模倣品「ラフフ」の登場とラブブブランド価値

ラブブ人気は留まることを知らず、「ラフフ」などの模倣品が複数登場しています。
しかし本家ラブブの圧倒的なシリーズ展開、美術的価値、公式の「正規品証明」などにより、
消費者は「本物」にこだわる傾向を強めています。
これに対し模造品は価格の安さや違法流通ルートといったリスクが常に付きまとうため、消費者保護や知的財産問題としても注目が集まっています。

実際に買うには—公式ストアと安全な利用法

ラブブは、日本国内であればポップマートの公式オンラインストア、楽天市場やAmazonの「公式ショップ」で購入可能です。
中古・非公式経由の購入や個人輸入は、模倣品や価格高騰のリスクに注意しましょう。
店舗やイベント(百貨店催事等)では、その場で中身を選べるケースや、ブラインドボックス形式の体験型イベントも実施されています。

終わりに——ラブブ現象が問いかける消費の未来

ラブブ人気は、単なる玩具の域を超え、現代の「体験価値」や「偶然性の楽しみ」を消費の主役に押し上げました。
コレクター心理への直撃、グローバルなSNS拡散、模倣品や転売マーケットという社会現象を巻き起こしながらも、
その“ワクワク感”こそが、多くの人々を魅了し続ける最大の要因です。
今後もシリーズの進化とともに、ラブブブームはさらなる広がりを見せることでしょう。

参考元