ナスダック100がけん引する最新米国株市場 ~2025年9月10日の動向を解説~

NYダウが反落、米卸売物価指数は予想外の低下

2025年9月10日、米国株式市場では主要指数の振る舞いが注目を集めています。本日の市場は、NYダウが反落し、小幅な安値で取引が始まりました。特に大きな動きとして取り上げられるのが、米国の卸売物価指数(PPI)の発表で、事前の予想に反して前月比・前年同月比ともに低下を示したことです。この予想外の数値は、インフレ圧力が幾分和らいだと市場参加者の間で受け止められ、FRBの金融政策スタンスや今後の利下げ観測に影響を与える要因となりました。
しかし、卸売物価指数の低下が投資家心理に与えた影響は複雑で、景気減速の懸念と利下げ期待が入り混じる形になっています。

S&P500は最高値更新、米国債は反落-インフレ指標発表前に

インフレ指標の発表を前にして、S&P500は過去最高値を記録しました。これは一部の大型テクノロジー株が堅調に推移したことが背景にあります。
また、米国債市場では一時的な反落の動きが見られ、市場全体としてはリスク選好に傾いた一日となりました。ただし、最高値を更新したものの、値動きは限定的であり、インフレ指標の内容やFRBの金融政策への思惑が投資家心理に強く影響している様子です。

ナスダック100が高い水準を維持-テック主導の上昇

9月10日の米国市場の中で特に注目を集めたのがナスダック100の値動きです。
前日比77.50ポイント高(+0.33%)の23,839.80ポイントを記録し、主要3指数(NYダウ、S&P500、ナスダック100)の中でも最も大きな上昇率となりました。
景気減速の懸念がありつつも、AI・クラウド関連など大型テック企業に流入する資金が相場の下支えとして機能しています。 特に序盤からプラス圏で推移しており、インフレ指標の低下や雇用統計の年次改定による利下げ期待が、グロース株であるナスダック銘柄への注目度を高める結果となりました。

  • ナスダック100は午後一時マイナスに転じる場面もありましたが、その後回復
  • 終値は0.4%高となり、主要指数の中で突出したパフォーマンス
  • 金融政策の先行きやインフレ指標の内容次第では、今後さらなる値動きも想定される環境

日本市場への影響と投資信託の動向

米国市場の流れを受けて、同日の日経平均株価は378円高の43,837円と3週間ぶりの終値ベースで最高値を更新しました。 米国株、特にナスダック100に連動した投資信託商品も注目されています。
代表的なものとして、「eMAXIS NASDAQ100インデックス」や「野村アセットマネジメントによる米国NASDAQオープン Bコース」があります。 これら商品はナスダック100の成績に連動し、過去最高値を更新した経緯もあり、一部投資家が積極的にポジションを取る動きが見られました。

  • eMAXIS NASDAQ100インデックスは、基準価額・純資産総額とも堅調に推移
  • 野村アセットマネジメントの「米国NASDAQオープン Bコース」は、基準価額27,820円(2025年4月9日時点)と過去最高値42,871円(2024年7月11日)を記録
  • 分配金も安定した実績を見せている

米国株式市場全体の最新トレンド

2025年9月10日時点で市場の注目ポイントは、インフレ指標・雇用統計の年次改定です。いずれも予想を下回る数字となり、金利引き下げへの期待が膨らむこととなりました。特に2025年中に2~3回程度の利下げが実施されるのではないかという観測が強まっています。これにより、成長株やテクノロジー株に資金が流入しやすくなっている状況です。
加えて、米国株の値動きに連動した投資信託やETFの取引も活発化しています。NEXT FUNDS NASDAQ-100連動型上場投信(1545)の値動きを見ると、同日35,550円(+220円・+0.62%)と堅調に推移しています。

投資家が注視する今後の焦点

今回のインフレ指標の低下や雇用統計の改定は、FRBの政策への期待や不安の両側面を持っています。基本的には「利下げ期待」が市場全体のリスク選好を後押しし、ナスダック100など成長株、特にテクノロジー企業が資金流入の中心となっている状況です。逆に、景気減速懸念が現実化した場合、グロース株への影響も大きくなる可能性があり、そのリスク管理も重要です。
また、インフレ関連指数の動向や米国内外の地政学的動きも価格形成に影響し続けるため、投資家は常に最新情報の収集と冷静な分析が求められます。

まとめ:ナスダック100の「今」とその意味

2025年9月10日の米国株式市場は、ナスダック100を中心として成長株・テクノロジー株が力強く推移しました。
これには、米卸売物価指数が予想外の低下を示したことや雇用統計の年次改定が利下げ観測を後押ししたことが大きく影響しています。S&P500は最高値を更新し、米国債はインフレ指標発表前に反落したなど、全体的に「次の政策・景気動向」に対する期待と不安が混在する1日となりました。
日本市場にもこれらの動きが波及し、日経平均株価やナスダック100連動の投資信託が高値を維持しています。
今後も政策金利やインフレ指標動向、テクノロジー産業の成長などを注視しながら、世界の株式市場はダイナミックな変化を続けていくことでしょう。

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