ブラックロック・ジャパン、AI関連アクティブETFを東証に上場――AI投資新時代の幕開け

はじめに

2025年9月10日、ブラックロック・ジャパン株式会社は、国内初となる海外株式のアクティブETF「iシェアーズ AI グローバル・イノベーション アクティブETF(愛称:ベストAI)」を東京証券取引所に上場しました。いまや世界No.1の資産運用会社であるブラックロックの新商品は、AI関連分野に特化した集中投資型ファンドとして大きな話題を集めています。

新ETFの特徴と仕組み

  • アクティブETFとは?
    アクティブETFは、従来の指数連動型(パッシブ)ETFとは異なり、銘柄選定や配分の方針が運用者によって能動的に決定される仕組みです。本ETFは、世界中のAI関連企業1,000社以上の中から約40社を厳選。その比率や銘柄バランスは運用チームが柔軟に調整し、変化の激しいAI業界のトレンドにも迅速に対応します。
  • 対象となる企業
    大型グローバル企業からスタートアップまで、多種多様なAI領域の企業を専門家チームが分析し、選出しています。AIによる社会変革の最前線に立つ企業群が厳選されている点が特徴的です。
  • 東証上場の「内国ETF」
    今回のETFは国内で組成・上場されており、全国の証券会社で購入可能です。また、特定口座での取扱いも可能で、個人投資家にとっても手軽に取引できる商品となっています。

ブラックロック幹部が語るAI集中投資の理由

このETFの設計思想について、ブラックロックのポートフォリオマネージャー兼AIスペシャリストのトニー・キム氏は「今人類史上初めての知能革命が進行し、AIによる社会変化は企業活動のみならず日常生活まで及びつつある」と語ります。つまり、最先端ITによって急速に発展するAI分野で利益を総取りする企業が出現しているため、そうした企業への集中的な投資こそが、大きなリターンを期待できる戦略だという考え方です。

既存ETFとの違いと海外市場での評価

  • 指数連動型との違い
    パッシブETFは特定の市場指数(例:S&P500)に連動しますが、ベストAIは運用者自ら銘柄を選別。「AI革命」の波を捉えた企業に絞り込むことで、さらに高い成長余地を目指します。
  • 海外の評価
    同じ戦略で組成されたAI投資ETFは米国でも人気で、既に資産残高が3,000億円を超えています。米市場では、上位20社がS&P500リターンの60%を占める時代となっているため、集中投資の有利な点が注目されています。

投資家に広がる選択肢――NISA成長枠にも対応

新ETF「ベストAI」はNISA成長投資枠にも対応予定です。これにより、少額から投資を始める個人投資家でも、AIの成長分野をポートフォリオに組み入れやすくなりました。幅広い投資層に向けて、リスク分散と同時に高い成長期待を得る機会を提供しています。

東証ETF市場の拡大とAI投資の未来

  • ETF市場の拡大
    ブラックロックは、世界のETF市場規模は2030年には25兆ドルにまで拡大すると予測しています。日本のETF残高も2025年4月末時点で86兆円を超えており、今後も機関投資家だけでなく個人投資家がETF取引に積極的に参加していく流れが強まる見通しです。
  • AI分野の成長力
    AI関連企業は技術革新のスピードが非常に速く、トップ企業の入れ替わりも激しい分野です。運用チームの専門性と柔軟な対応力が、今後のAI投資におけるリスク管理と成長機会の両方を担保します。

ETF投資の注意点とリスク

ベストAI ETFは市場での値動き、構成銘柄の動向、為替変動などに基づき基準価額が変化します。資産運用商品ですので、元金保証はありません。また、預金保険や保険契約者保護機構の対象外となります。そのため、リスク管理・分散投資の観点からも、ご自身の資産状況や目的に合わせて判断することが重要です。

まとめ

ブラックロック・ジャパンの「iシェアーズ AI グローバル・イノベーション アクティブETF」は、「AI革命」という社会構造を変貌させる巨大な潮流の中、世界最先端のAI企業群へ集中的に投資できる初めての国内ETFです。投資信託の選択肢を拡大する商品として、大口投資家・個人投資家双方に新たな可能性と成長期待をもたらします。

今後ますます加速するAI技術の発展をこのETFを通じて体感し、未来のイノベーションを投資で応援できる環境が整いつつあります。市場環境の変動やリスクも念頭に置きながら、幅広い人々が気軽にAI投資の世界に踏み出せるタイミングが訪れています。

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