自民党総裁選、2025年の争点と有力候補――茂木氏の挑戦と石破政権の終焉

2025年9月、自由民主党(自民党)総裁選挙が新たな展開を迎えています。石破茂政権の任期中途退任によって、党のリーダーを選ぶ総裁選挙が「フルスペック型」で実施されることとなり、全国約100万人の党員と党友による投票が大きな注目を集めています

総裁選実施の背景と方式

石破茂氏(68)は、長年にわたり自民党の看板を背負って政権運営に取り組んできました。しかし、内外の困難のなかで辞意を表明し、総裁公選規程に基づくフルスペック型総裁選が急きょ実施されることになりました

  • フルスペック型とは:党則第6条2項に基づき、党員・党友の投票と国会議員票の合算で新しい総裁を選出する方法です。
  • 通常は総裁任期終了時に行われますが、今回は任期途中の緊急実施となっています。
  • 全国各地の党員・党友がリーダー選びに参加し、党のあり方を広く問う場となります

9月22日に告示、10月4日に投開票と、慌ただしい日程が組まれ、党員投票は「解党的出直し」を目指す自民党新体制の出発点となります。

石破政権の功績と課題――「右傾化」への懸念

石破政権下では、党内のバランスを保ちながら政策運営がなされてきました。しかし、この数年間は「国を右に席巻されたくない」という懸念が党内に根強く存在し、石破氏の退任が保守色強化への転換点になる可能性が指摘されています。

  • 石破氏は幅広い世代や地方支持層から信頼を集めてきましたが、近年は党内の右派勢力との距離感が課題となっていました。
  • 自民党の再び「保守色強化」路線回帰を懸念する声もあり、政権移行後の方向性が注目されています。

政党内部での多様な意見対立や、「右傾化」懸念などを背景に、今回の総裁選が党の将来像を再定義する場になると言えるでしょう。

茂木敏充氏が総裁選出馬――現金給付政策を見送り、新たな連立を模索

今回、自民党の茂木敏充氏が総裁選への正式出馬を表明しました。茂木氏は以前から「現金給付(一人2万円)」政策を検討していましたが、経済効果や持続性などを踏まえ最終的に現金給付を見送り、別の経済対策を模索するとしています。

  • 茂木氏は「新たな連立の枠組み」が必要だと主張し、他党や政策グループとの協調を打ち出しています。
  • 経済の持続的成長や社会保障制度改革、教育・防災・外交など幅広い分野への積極的なアプローチを示しています。
  • 現金給付の見送りについては「短期的な景気刺激で終わるのではなく、中長期的な政策の転換が必要」と説明しています。

茂木氏の主張には「多様性のある連立政権の模索」があり、政策の柔軟化や党内融和への強い意欲がうかがえます。特に経済対策では、消費税率調整や社会保障拡充、起業・投資促進などを掲げ、若者・子育て世代への支援強化も重要な柱になっています。

有力候補者とその強み・弱み

総裁選には複数の有力候補が名乗りを上げていますが、各候補が持つ経験や政策の多様さが争点です。メディア報道では、ポスト石破の候補5人への分析が活発に行われています

  • 党内実務派、新自由主義的な政策展開が得意な候補。
  • 地方や中堅層の支持を得ている候補。
  • 保守色強化を掲げる候補の政策が再び注目されています。

候補者同士の政策論争や、党内各派閥の動向も総裁選の行方に大きく影響します。党の方向性だけでなく、国政全体を左右する重要な選挙となっています。

党員・党友投票の意義と自民党の新体制

今回の総裁選では、党員・党友の幅広い意見が反映されます。これは自民党が「双方向性を重視し、党員とともに新しいリーダー像を描く」という理念の現れともいえます

  • 全国約100万党員が投票し、広く民意を集約できる仕組み。
  • 内部対立の再調整と、党再生のための出発点。
  • 今後の政権運営や政策決定に、党員・党友投票が大きく影響する可能性があります。

新総裁の誕生により、自民党は「解党的出直し」と表現されるほどの意欲的な新体制構築を目指しています。党内融和や国民への丁寧な説明も求められるでしょう。

今後の展望と国政への影響

今回の自民党総裁選は、単なるリーダー選びにとどまりません。新体制の構築とともに、保守色強化・経済政策・社会保障改革・外交方針など、次世代の国政の方向性が問われる場となっています。

  • 新しい総裁のリーダーシップによる国政運営の安定化が期待されます。
  • 経済的課題、少子高齢化、地方創生、外交安全保障など、日本が直面する多様なテーマに対して、政党的な対応力の向上が重要となります。

自民党の新体制は、党員・党友とともに、市民や各分野のステークホルダーに対して「新しい自民党の姿」を示していくことが求められています。


まとめ

2025年9月、自民党総裁選は「フルスペック型」で実施され、石破政権から新体制への移行が進みます。茂木敏充氏は現金給付政策を見送り、新たな連立の枠組みを模索。党内の右傾化懸念や、将来を見据えた政策論争が続く中、党員・党友約100万人の民意によって新たなリーダー像が決まります。この総裁選は、政党・国政双方にとっても大きな転換点となるでしょう。

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