日本代表、堂安律不在で10番は久保建英に託す 米国戦を迎える舞台裏

米国遠征中の日本代表、急な決断が求められた背番号変更

2025年9月10日(日本時間)、サッカー日本代表はアメリカ・オハイオ州コロンバスにて米国代表との国際親善試合に臨みます。この一戦に向けて、注目を集めているのが堂安律(27=Eフランクフルト)の離脱と、その代役として10番を背負うことになった久保建英(24=レアル・ソシエダード)の存在です。

  • 堂安律がクラブ事情で離脱。背番号10は久保建英へ
  • 背番号20は佐野航大が着用
  • 米国戦ではスタメン全入れ替えとなる見込み
  • 試合開催地オハイオ州コロンバスへの長距離移動と時差の負担

森保監督が明かした堂安離脱の理由

森保一監督によると、堂安律は遠征前に所属クラブ・フランクフルトから事情説明と共に離脱の打診を受けていたといいます。代表との調整の結果、最終的に日本代表を離脱しクラブに戻ることとなりました。この判断により、堂安が長らく背負ってきた10番は、今回久保建英に託されることが決定しました。

堂安律と10番――日本代表の象徴的番号

サッカー日本代表における「背番号10」は長い歴史の中で代々、攻撃陣の中心や高い技術を持つ選手に与えられてきました。天才的なパサーやアタッカーがこの背番号を背負い、新しい時代を切り開いてきたのです。

堂安律は近年その10番を担い堂々たる活躍を見せてきましたが、今回はクラブの意向を汲みこの大役を退きました。その意思を受け継ぐ形で久保建英が新たに10番に指名されたのです。

一方で、これまで久保が着けていた背番号20は、若きMF佐野航大(21=NECナイメヘン)のものとなります。これも世代交代とチーム力底上げを象徴する出来事と言えるでしょう。

アメリカ移動の負担、そして新たな布陣へ

日本代表は日程面でもハードなスケジュールに直面しています。6日のメキシコ戦(0-0)の後、約3000キロの移動と3時間の時差を経て、コロンバスでの米国代表戦に臨む形となりました。

久保建英自身も、この「時差移動は結構きつかった」とメディアに明かしており、直前に左足首の痛みも訴えています。ただし「普通に痛いけどテーピングで問題なくプレーできる」と話しており、チームのために気合いを入れなおしています。

森保監督はコンディション面を考慮し、米国戦ではスタメンを全員入れ替える方針を示唆。特に三笘薫や久保建英は温存し、経験の浅い選手たちが先発する見込みです。

指揮官・森保一監督のコメント

監督は今回の人選について、「クラブと選手の未来、そして日本代表の成長を長期的に見据えて柔軟に判断する必要がある」と語りました。さらに「今のチームは、若い選手と経験豊富な選手が共存している。どんな状況でもベストを尽くして戦う姿勢が日本代表の強さ」と話し、全員サッカーの重要性を改めて強調しました。

米国戦スターティングメンバー

  • GK: 大迫敬介(サンフレッチェ広島)
  • DF: 関根大輝(スタッド・ランス)、荒木隼人(サンフレッチェ広島)、長友佑都(FC東京) 他
  • MF: 久保建英(レアル・ソシエダード、背番号10)、佐野航大(NECナイメヘン、背番号20)他

メンバー構成はこれまでの親善試合とは異なり、戦術・ポジションも4-2-3-1の陣形が予想されます。攻撃の選手力を生かし、次世代へのバトンタッチも促進する試合展開が期待されています。

久保建英、期待される「10番」としての役割

新たに日本代表の象徴ともいえる10番を託された久保建英は、今回の遠征でチームの中心的存在としての自覚を深めています。怪我を抱えながらも「明日になってみないと状態は分からないが、やれる限りのことは全力でやる」と意志を語っています。

久保は「代表で結果を残すこと、そしてW杯への準備を進めること」の重要性を強調。新旧が融和した日本代表の中で、自身がどうリーダーシップを発揮していくか、その一挙手一投足が注目されています。

9カ月後に迫るワールドカップ、真価問われるテストマッチ

今回のアメリカ戦は、来年6月に迫るFIFAワールドカップ北中米大会に向けた最高のテストマッチです。地理的にも北中米の開催国であるアメリカでの試合は、日本代表にとって貴重な実戦の機会となります。

経験の浅い選手たちがどこまで通用するのか、主力選手たちはどんな形でチームの若返りをリードするのか、今後の日本代表を占ううえでも大きな意味を持つ試合です。

日本代表が模索する「新たな道」

今回の背番号変更、主力選手の離脱と若手起用、さらに海外遠征による負担など、厳しい状況ではありますが、こうした試練こそが日本代表の新たな成長に繋がります。

チーム内の競争が激化し、より厳しい環境でも結果を出す力が求められる今、久保建英をはじめとする選手たちがどんなパフォーマンスを見せるのか、ファンや関係者の期待と関心が高まっています。

今後も日本代表の戦いぶりに目が離せません。

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