【特集】東京最低賃金が大幅引き上げ―106万円の壁撤廃や働き方改革、石破首相の会見まで徹底解説

はじめに

2025年9月、東京の最低賃金引き上げ「106万円の壁」撤廃の動きが日本社会で大きな話題となっています。物価高騰や労働力不足を背景とした賃金の見直し、パート・アルバイトなど非正規労働者を取り巻く状況の変化、そして政治のリーダーによる迅速な対応――
本記事では最新のニュースを読み解きつつ、いま私たちの暮らしと働き方にどう影響が及ぶのか、やさしく解説します。

東京の最低賃金、過去最大の引き上げ

全国的な最低賃金の大幅上昇が発表されました。2025年度の全国平均は1121円となり、前年比で66円のアップ。なかでも東京は1163円と全国トップの水準です。この上昇幅は近年でも最大規模となっており、非正規雇用や学生のアルバイト、パートタイマーにとって大きな影響が予想されます。

  • 東京都:1163円(全国一の高さ)
  • 全国平均:1121円(前年比66円増)
  • 最も低い秋田県でも1016円を超す見込み

東京都民だけでなく、首都圏や全国の最低賃金が引き上げられることで、働く人々の収入増加が期待される一方、企業側には人件費負担の増大も課題となります。

「106万円の壁」撤廃へ――制度の転換点

この最低賃金引上げと並行して、大きな制度改革が進みます。それが「106万円の壁」撤廃です。パートやアルバイトなど非正規雇用者が年間の収入を106万円に抑えようと「働き控え」する現象。これは、106万円を超えると社会保険加入義務が生じ、手取り収入が減る懸念から起きていました。

政府はこの壁を2026年10月を目途に撤廃する方針です。これにより、「働き損」がなくなり、労働者が希望に応じて柔軟に働ける環境づくりが進みます。

「106万円の壁」って?現行制度のポイント

  • 年収が106万円(おおむね月8万8,000円)を超えると社会保険に加入
  • 勤務先の従業員数が51人以上で、週20時間以上の労働時間が条件
  • 加入による保険料で手取りが減る「働き損」が生じる
  • パート、アルバイト、主婦、学生らが対象となる場合が多い

この制度により、多くのパートタイマーやアルバイトは収入を106万円以下に抑える「就業調整」を余儀なくされ、キャリア形成や生活の選択肢が制約されてきました。

なぜ今、撤廃が決まったのか?

最低賃金が上がることで、何もしなくても壁を超えてしまう人が増えてしまう――これが撤廃を促した最大の要因です。また、社会全体で労働力不足が深刻化する中、人材確保策として非正規雇用の担い手にも積極的に働いてもらいたいという狙いがあります。

加えて、「働き損」解消によって希望する人が十分な収入を目指しやすくなり、将来の年金や医療保険にも繋がると期待されています。制度はよりフェアで子育て世代・高齢者世代問わず多様な働き方に対応したものへと進化します。

撤廃後はどうなる?働き方と社会保険加入条件の変化

2026年10月の改正後は、「年収額」だけでなく、「雇用形態」や「労働時間」など多角的な基準で社会保険加入が判断されるようになります。

  • 年収による除外基準がなくなり、週20時間以上など他の要件で判断
  • 社会保険加入によって受けられる保障(年金、健康保険)が拡充
  • 就業調整の必要がなくなり、希望するだけ自由に働ける
  • 従業員51人以上の企業に勤める場合の条件は一部継続
  • 「週20時間以上」などの勤務時間要件は存続(完全撤廃ではない点に注意)

制度改正により、雇用契約の見直しや労働時間・給与体系の変更など職場ごとに対応が求められます。一部には「実質的には条件が残るのでは?」との指摘もあり、今後の施行細則に注目が集まります。

最低賃金引き上げの社会的影響

最低賃金の上昇は、パート・アルバイト・新卒者など幅広い階層の手取り増となり、生活安定や消費拡大を後押しする一方、中小企業には大きな負担となる可能性があります。価格転嫁の動きや店舗の営業時間短縮、シフト調整などもすでに現場で始まっています。

政府・自治体も、企業支援策や職業訓練、失業対策の充実を模索中です。しかし賃金上昇のペースが物価や税負担の増加に追いつけるかどうかも大きな論点となっています。

石破首相が記者会見―政策転換を強調

この大きな転換点にあわせ、石破首相が官邸入りし午後6時から記者会見を開く方針を固めました。首相は、「誰もが望むときに働ける社会」「公正な保障と負担のバランス」を実現するとし、人手不足社会への迅速な対応、そしてすべての働く人の安心を訴える見通しです。

経済界・労働側・自治体からは様々な評価と要望が寄せられています。今後の国会論戦や地方自治体の独自対応にも注目が集まります。

みんなの生活や仕事はどう変わる?

最低賃金の大幅上昇「106万円の壁」撤廃で、手元に残るお金や将来の社会保障がより確かなものとなる一方、働き方や雇用契約の見直しも進み、企業・個人ともに新しい制度に向き合う必要があります。

  • 自分の勤務先の雇用条件を早めに確認しましょう
  • 社会保険負担や手取り影響も含めて働き方を考えてみましょう
  • 不明点は職場や自治体、ハローワーク等の相談窓口へ

今後も段階的に施行細則やサポート策が発表されるので、最新ニュースや公式発表をこまめに確認することが大切です。

まとめ―社会全体で「新しい働き方」へ

賃金水準や雇用制度、社会保障のあり方が大きく転換点を迎えている2025年秋。東京をはじめ全国で最低賃金が過去最高額に引き上げられ、働き方の選択肢が広がる時代へと変わろうとしています。石破首相のリーダーシップのもと、すべての人が納得できる制度へ。これからの動向から目が離せません。

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