物語が詰まった芸術的な和菓子とパフェの世界——仙台「和菓子 まめいち」の挑戦

宮城県仙台市。この地で、今熱い注目を集めている和菓子店があります。その名は「和菓子 まめいち」。ここは、伝統と創造、そして季節感を大切にした唯一無二の和菓子と、その世界観をパフェで表現することで、地元のみならず遠方からも多くのファンを惹きつけています。2025年9月に発表された新作パフェや和菓子、そして学生とのコラボ商品まで、まめいちが紡ぎ出す「和の物語」を紐解いていきます。

仙台で愛される理由:「和菓子 まめいち」の店構えと日常

仙台市営地下鉄の勾当台公園駅から、美しいケヤキ並木が続く定禅寺通りを7分ほど歩くと、ガラス張りの文化複合施設「せんだいメディアテーク」隣のビルの2階に、知る人ぞ知る和菓子店「和菓子 まめいち」が現れます。
店主の幾世橋陽子さんが日々感じた出来事や、仙台という風土が持つ歴史や物語から着想を得て、季節ごと・月ごとに新しい和菓子やパフェを生み出しています。

  • 営業日:木曜定休
  • 営業時間:10:00〜17:00(カフェのラストオーダーは別途)
  • アクセス:仙台市青葉区、せんだいメディアテーク隣

地元客や甘味好き、さらには和菓子研究家やフードアナリストなど、多様な層がまめいちを訪れ、その美しさと新しさ、そしてどこか懐かしさのある味わいに心癒やされています。

パフェは「物語」を食べる新しい体験——芸術的パフェの魅力

「和菓子 まめいち」では、月ごとに変わる限定パフェが大きな話題です。そのパフェには、まるで絵本の1ページのようなストーリーが込められています。2025年7月・8月のパフェのテーマは、「風神様の夏休み」。

和菓子職人ならではの繊細な技が散りばめられたパフェは、こし餡、黒糖ゼリー、旬のフルーツ、もちもちの団子など、和の素材が重なり合い、ビジュアルもまるでアート作品のよう。グラスのなかで色や質感が織りなす層は、1スプーンずつ異なる食感と思い出を紡ぎ出します。

  • ひと月ごとにストーリーが違うパフェ
  • 食べる人によって解釈や感じ方が異なるのも魅力
  • 見た目、香り、味、食感——五感のすべてを刺激

パフェを注文することで、お菓子が持つ「物語性」一つひとつ手作りだからこそ伝わる想いを、生活の中で味わうことができるのです。

和菓子の美しさと独自性——「ひと月の和菓子」

「和菓子 まめいち」では、季節の移ろいや行事に合わせて「ひと月の和菓子」を展開しています。これらは単なるスイーツではなく、日本文化や自然、そして人々の営みを映し出す小さな芸術作品ともいえる存在です。

  • 2025年長月の和菓子:「ダルマと駒」など、季節の情景を表現
  • 過去には「飛翔の小道」(2025年水無月)や「蜜煮のごぼうと白味噌餡の餅菓子」(2025年睦月)などの実績も
  • 食材や色合い、質感の組み合わせが繊細

例えば、2025年水無月の「飛翔の小道」は、茶室へ続く石畳や庭路をイメージし、黒糖わらび餅入りの合わせ餡を使った独創的な一皿。また、睦月(1月)には「蜜煮のごぼうと白味噌餡をお餅で包んだ菓子」や、ミガキイチゴジュレと紫芋あんを組み合わせた新感覚和菓子も。

健康長寿を願う「黒豆ロール」——学生と和菓子店のコラボ

2025年9月には、敬老の日に合わせ、経営学部の学生とまめいちが共同開発した限定商品「黒豆ロール」が話題となりました。

  • 黒豆は古来より「健康長寿」の象徴として親しまれてきた食材
  • その黒豆を贅沢に使用したロール菓子は、世代を超えて楽しめるようにと考案
  • 学生たちが提案したアイデアと、まめいちの職人技が融合

パッケージデザインや味付けだけでなく、高齢者も食べやすいしっとり食感を追求し、「大切な人への贈り物」として選ばれることを意識して開発されました。
それにより、和菓子が従来の枠を超えて「コミュニケーションの橋渡し役」として再認識されるきっかけとなっています。

和菓子を「体験」する場所——カフェとイベント

「和菓子 まめいち」では、持ち帰りだけでなく、店内で和菓子やパフェを喫茶席で楽しむことができます。店内は静かで落ち着いた雰囲気。窓からはやわらかな光が差し込み、季節の移ろいを感じながら、ゆったりしたひと時を過ごすことができます。

  • 和菓子に合わせた「まめいちブレンド」コーヒーや日本茶も人気
  • 月ごと・季節ごとに和菓子やドリンクメニューを刷新
  • 限定イベントやワークショップなども開催。和菓子作り体験も

和菓子で生きる、地域の物語

和菓子は時に、人生儀礼や四季の行事など人々の営みに寄り添いながら、世代を超えて受け継がれてきました。「和菓子 まめいち」の菓子やパフェは、地元・仙台の思い出や物語、そして現代の暮らしの声を織り交ぜて進化し続けています。

「どこか懐かしくて新しい」「ひと口ごとに物語性を感じる」。
そうした和菓子やパフェの一皿が、忙しい日々の中でほっと一息つく瞬間、あるいは大切な人と手を繋ぐ贈り物として、多くの人の心を温めています。

これからの「和菓子 まめいち」に期待すること

昨今、日本のみならず世界的にも「伝統×革新」が注目されるなかで、和菓子 まめいちの積極的な商品開発や異業種・学生とのコラボは新たな文化を生み出しています。
和菓子店として、地域とのつながりを深化させながら、和菓子×カフェ、和菓子×地域デザイン、和菓子×福祉といった領域にも波及していくことでしょう。

和菓子を通じて物語や四季を感じ、日々を少し丁寧に生きる。
これからも、「和菓子 まめいち」の新しい挑戦と、その一皿一皿に込められた想いを見守りたいと思います。

参考元