田村憲久元厚生労働大臣が語る「石破首相と自民党の苦悩」──臨時総裁選、解散カード、波紋広がる政局

1. 田村憲久氏が語る石破政権の現状

2025年9月、自民党と政界全体が大きく揺れています。田村憲久元厚生労働相は、かつて石破茂首相の側近として長く支えてきた経歴を持っています。現在、自民党では総裁選前倒しをめぐる動きや、石破首相による“解散”の可能性について、様々な意見や憶測が飛び交っています。

田村氏は9月5日、BS日テレの報道番組「深層NEWS」に出演し、率直な心境や政権運営に対する考えを明かしました

2. 石破首相と「解散カード」をめぐる報道

  • 現在、石破茂首相(自民党総裁)を巡っては、万が一総裁選が前倒し実施されることになれば、衆議院の解散・総選挙という「解散カード」に踏み切る可能性があるとの観測も広がっています。
  • ただ、田村氏自身は、石破首相の性格や指導力を踏まえ「そう簡単に解散に踏み切るとは思えない」とやや否定的な見解も示しています
  • 石破首相は周囲に“解散”を示唆したとも言われる一方、田村氏は「(石破さんのお人柄からして、)そんなに簡単に(解散を)言い出す人ではない」と語っています。
  • 一方で、「総裁選で戦う相手が党内野党から野党になると、今上がっている内閣支持率も一気に低下するのは分かっておられるはず」と田村氏は冷静に分析します

3. 党内から広がる逆風と臨時総裁選論

  • 今回、田村氏が述べたもう一つの重要なポイントは党内からの「総裁選前倒し」要望です。これについては、鈴木馨祐法相が閣僚として初めて賛成する意向を公言し、その他の副大臣・政務官からも賛同の声が相次いでいます
  • こうした「身内」からの動きに、田村氏は「(石破氏と)深い付き合いをしてきた者として非常につらい」と率直な胸の内を明かしました。
  • 彼は「臨時の総裁選がどうこう以前に、まず臨時国会を開くことが重要」とし、自民党が国民に不安を抱かせている現状を憂い「反省しなければ」と語りました。

4. なぜ今、総裁選前倒し論が噴出したのか

現在の政局の背景には、以下のような現実的な事情が指摘されています。

  • 政権の安定感への不安。
  • 党内世論と有力閣僚からの要望。
  • 石破首相自身が「総裁選やるなら衆院解散も」という強い姿勢を示しているという見方
  • 一部では「死なばもろとも解散」といった激しい表現で、党内の緊張感が逆に高まっているとも報じられています。

石破政権発足当初の支持率は低調でしたが、その後、自民党内での綱引きが激しくなるにつれて一時的に上昇。しかし「“野党と戦う”段階になれば、支持率はすぐに剥落するリスクがある」と田村氏は解説しています

5. 田村元側近の危機感──政権と党運営の課題

田村氏は、石破首相が2015年に発足させた「水月会」(石破派)の創設メンバーであり、事務総長として派閥運営を担いました。その後、水月会は派閥から議員グループへ移行し、2023年には田村氏も宏池会へ参加しています

自身の体験に基づき、田村氏は「今、党内でこうした離反や葛藤が起きているのは非常に苦しい」と率直な言葉で状況を語っています。「今は臨時総裁選よりも、国民のための臨時国会開催への体制作りが最優先」として、自民党執行部への奮起を促した発言も印象的です。

6. 世論と今後の展望──石破政権はどうなるのか

政権運営に対する国民や支持層の複雑な思い、そして党内の動揺。その間で田村氏が発信する「良心」とも言える指摘は、大きな反響を呼んでいます。

  • 一方で、強いリーダーシップによる政権維持か、党内合意を重視した「和」の政治か、難しい岐路に立たされているのが現状です。
  • 今後、解散カードが切られるのか、それとも臨時総裁選実施で新たな体制づくりに動くのか、政局の混迷はしばらく続きそうです。

国民にとっても、わかりやすい説明と責任ある政治運営がどこまで実現するかは今後の大きな焦点です。田村憲久氏をはじめとする“元側近”たちの声がどう受け止められ、政局に影響を与えるのか、今まさに全国民が注目しています。

7. まとめ:田村憲久氏の意見から見える「今こそ国民本位の議論を」

  • 党内の政局争いや支持率の動向だけでなく、国民生活を踏まえた冷静で誠実な議論が不可欠です。
  • 田村氏は“内輪の争い”にとどまらず、国民を置き去りにしない意思決定と説明責任の重要性を改めて訴えています。
  • 今後の石破政権と自民党の動向から目が離せません。

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