大阪・関西万博で五感で味わうラトビアの魅力 ― 森と絆、伝統と革新が息づくバルトパビリオン完全ガイド
はじめに ― バルトの文化が大阪にやってきた
2025年5月から、世界中から注目を集める大阪・関西万博が開催されています。その中でも、話題沸騰なのが、ラトビア共和国とリトアニア共和国が初めて共同で出展する「バルトパビリオン」です。ここでは、バルト海に面したラトビアとリトアニアの伝統、自然、多様性、人々の絆、そして未来への希望を、五感を通じて体験できる特別な展示が目白押しとなっています。
バルトパビリオン ― 絆と共創をテーマに
バルトパビリオンのコンセプトは「We Are One」。ラトビアとリトアニアが地理、歴史、文化で結びついて協力し合う姿を象徴しています。1989年8月23日の有名な人間の鎖「バルト・ウェイ」から今年で35周年。バルトパビリオンはこの歴史的な結束を現代に受け継ぎ、「Hand in Hand(手と手を取り合って)」を掲げて未来へ共創するメッセージを発信しています。
- ラトビア ナショナルデー:2025年5月20日
- リトアニア ナショナルデー:2025年7月6日
- バルトの日:「バルト・ウェイ」35周年 8月23日
五感で味わうバルトの文化
パビリオン館内は、自然や文化遺産の展示が充実。ラトビアの伝統的なフォークダンスのパフォーマンスや、バルトの森をイメージしたアート、300種類以上の薬草を乾燥・押し花加工して照らした美しい展示など、見て・触れて・香って・聴いて・味わう体験型コンテンツが豊富です。
たとえば、伝統楽器の演奏や、リトアニア・ラトビアのクラフト作り、木を植えるワークショップまで。「未来の壁」と呼ばれる大きなタッチスクリーンには、来場者が記したメッセージが浮かび上がり、会場全体が一体となって未来への思いを紡ぎます。
- 参加型アート「未来の壁」:来場者のメッセージとともに未来を描く
- 薬草展示:バルトの土地と自然への敬意、癒し効果を伝える
- 木を植える体験:植樹とバルトの自然とのつながりを学べる
美しい自然と共生するラトビアの人々
ラトビアは国土の半分以上を森林が覆い、清らかな湖や川が点在する自然豊かな国です。「バルト館」でも森と共生するライフスタイル、自然とともに生きる知恵や古くから受け継がれる環境保護の精神が紹介されています。森の恵みを活かしたジュースやはちみつ、ミント味の白樺ジュース、ノンアルコールシードルなど、お土産コーナーではラトビア・リトアニアならではの特産品も販売されていて、好評を博しています。
- 白樺ジュース(ミント風味):森の恵みの爽やかな飲み物
- ノンアルコールシードル:自然を感じる伝統的な味
- 天然はちみつ:バルトの森と花々の風味が口いっぱいに
人間と自然、技術の共生 ― 万博が描く未来
ラトビア・リトアニアパビリオンのもう一つの特色は、“技術と自然の融合”です。デジタル技術を活用し、伝統文化や自然の多様性と先進的なアイデアが調和した展示が多く並びます。タッチスクリーンを利用したインタラクティブなアートや、植物にまつわるバーコードをスキャンすると、その木がどこで育っているか地図で確認できるなど、未来社会へのヒントが満載です。
この融合は、ラトビアとリトアニアの人々が「人間と自然」「伝統と革新」をいかにバランスよく共生させてきたかを体感する絶好の機会となっています。バルトパビリオンは、これからの持続可能な未来の社会がどうあるべきか、来場者自身の気づきを促してくれる場でもあるのです。
絆の物語と歴史 ― バルト・ウェイと現在
バルトパビリオンで語られる最も深いテーマのひとつが“絆”です。今から35年前の1989年8月23日、約200万人が手を取り合い、ラトビア、リトアニア、エストニアの3か国を約675kmの人間の鎖で結んだバルト・ウェイは、ソ連からの独立への平和的な象徴となりました。
この壮大な歴史はパビリオンの中心にも据えられ、当時の人々の勇気や結束が現代にも生き続けていることを伝えています。「手と手を取り合って」「We Are One」――そうした合言葉が、バルト地域の未来への共創という願いを表しています。訪れた人は、ラトビア・リトアニア両国の共通文化や価値観をダイレクトに感じることができます。
伝統と革新の饗宴 ― ラトビア・ナショナルデーの体験
2025年5月20日には、「ラトビア・ナショナルデー」がバルトパビリオンで開催され、多くの来場者がラトビア特有の文化を体験して賑わいました。フォークダンスや伝統音楽の公演、職人による工芸ワークショップ、地元産品の試食など、多彩なプログラムが実施されました。
また、「VOICE and ECHO(声と響き)」というコンセプトのもと、会場全体がラトビアの森の静寂や自然の豊かさを感じられるような演出が施され、日本だけでなく世界中からの来場者を魅了しました。
- ラトビアのフォークダンスパフォーマンス
- 伝統工芸品作り体験
- 地元産品(食品、飲料)の無料試食コーナー
スポーツから広がるラトビアの絆 ― ユーロバスケットでの快挙
2025年はスポーツの分野でもラトビアが躍動しました。ユーロバスケット大会ではグループAのラトビアが、グループフェーズを突破する快進撃を見せました(リトアニアもグループBで突破)。“団結”と“挑戦”の精神はスポーツでも健在で、バルトの文化的結束が新たな世代の英雄を生み出しています。
パビリオン内でも、バスケットボールやスポーツを通じた交流イベントが実施され、ラトビア・リトアニアの若者の元気な姿が未来を感じさせてくれます。
- ユーロバスケットグループフェーズ突破の写真展示
- バスケットボール体験コーナー
- スポーツと絆を語るトークイベント
来場者の声 ― バルトパビリオンで得られた発見と感動
実際にバルトパビリオンを訪れた人々からは、「自然と人間の共生をじっくり考えるきっかけになった」「伝統文化を体験するだけでなく、未来への希望も感じられた」「バルトの人々の優しさに触れて心が癒された」といった声が寄せられています。また、お土産自動販売機の珍しい商品に興味津々な子どもたちや、フォークダンスを一緒に踊る参加型イベントで笑顔が絶えませんでした。
まとめ ― バルトの文化と美しさを体感しよう
大阪・関西万博のバルトパビリオンは、ラトビアとリトアニアの結束、自然、文化、技術、人々の未来が五感を通じて感じられる貴重な空間です。歴史の重みと優しさ、そして新しい絆を求めて、ぜひ一度足を運んでみませんか。バルトの森の香り、自然との共生、豊かな伝統を、直接体感できるこの機会をどうぞお見逃しなく。
明日への希望は、あなたの手の中に。ラトビア、リトアニア――バルトの絆は、きっと世界をつなぎます。